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#感想文
冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その2)
続き。差別について、ですね。
いろいろと思うところはあるけれど、このお話の中で私が一番えぐられたというか、泣きそうになるくらいの衝撃を受けたのは、岡本とお信さんの差別の投げ合いについてでした。
主人公の周りにいる岡本という男とお信さんと呼ばれる女が、互いに「あの人は◯◯(部落の蔑称)らしい」と蔑み合うところ。
ほんとうはお互い部落出身じゃないし、部落出身じゃないとも知っているのに、部落が差別に
ドナウの旅人/宮本輝
kanaさんから勧めてもらって読んだ本。
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ドナウ河に沿って旅をする2組のカップルが主人公(なのかな?)のお話です。
西ドイツからずーーーーーっと河沿いに下って何ヶ月もかけて旅をして。
設定だけ見るととても「いいなー」って感じたし、ストーリーとしてもとても「いいなー」って感じでした。
3つの河が混じりあうパッサウにも行きたくなったし、一気にくるというバ
僕の中の壊れていない部分/白石一文(2)
感想文を書くためにパラパラと再読しているわけですが、やっぱりすごい本だなあと思います。
だって、直人にも枝里子にも雷太にもほのかにも、大西夫人にも朋子にも拓也にも寺内にもパクイルゴンにも、どこかで共感できてしまうから。
共感というよりかは、私の中に彼らがみんな住んでいるかのような、そんな錯覚を起こす。そう感じるように、誰もが共感してしまうように書かれているのかな、なんて思ったりもするけれど、私はま
ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか/アレン・ネルソン
紙の本↑Kindle漫画↓
午前中に図書館へ出向いたら、この本と再会した。
中学生の頃、学校の図書の先生(司書さんという認識はまだなかった)がお昼休みになると、中学校舎のカフェテリアと呼ばれる、飲食スペースのようなところにお勧めの本をいくつか持ってきてくれていた。
私の通った女子校は生徒の半分以上が男みたいな髪型をし、スポーツをやっていない子はほとんどおらず、まあとにかく活発で落ち着きがなく