マガジンのカバー画像

とりとめのない感想文

26
本が中心になるとは思います。
運営しているクリエイター

#感想文

論語

論語

大学の専攻がそれっぽい(?)から詳しいと勘違いされることが多かったけど、
論語さんも孔子ちゃんも孫子くんも、ほんとに一つも詳しく知らない。

けど日本という国に蔓延する年功序列的なのの祖っぽいし、マンガでわかるで3%だけわかってみた。
の、感想。

結論から言って、孔子ちゃん自身が悪いわけじゃないと思った。当たり前か?
孔子ちゃんの「親を敬え、年上を大事にしろ」だけをスクショした人がいて、
それを

もっとみる
『漁港の肉子ちゃん』/西加奈子

『漁港の肉子ちゃん』/西加奈子

私にはもう10年近くずっと仲良くしてくれているファビラスなお姉さんがいるんですけど、その人が先週贈ってくれた本を読んだ感想文を書きます。

私がマジでマジでマジで世界に押しつぶされてた時とか、本当に死んでた時とか、何もできないって泣きわめいてた時とか、いつもものすごいタイミングで連絡をくれて、

エンデちゃんは感受性が豊かなだけだからそれでいいんだよとか、そうだよね疲れるよねとか、羨ましくさえ思う

もっとみる
冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その2)

冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その2)

続き。差別について、ですね。

いろいろと思うところはあるけれど、このお話の中で私が一番えぐられたというか、泣きそうになるくらいの衝撃を受けたのは、岡本とお信さんの差別の投げ合いについてでした。
主人公の周りにいる岡本という男とお信さんと呼ばれる女が、互いに「あの人は◯◯(部落の蔑称)らしい」と蔑み合うところ。

ほんとうはお互い部落出身じゃないし、部落出身じゃないとも知っているのに、部落が差別に

もっとみる
ドナウの旅人/宮本輝

ドナウの旅人/宮本輝

kanaさんから勧めてもらって読んだ本。

文庫はこちら↓

Kindleはこちら↓

ドナウ河に沿って旅をする2組のカップルが主人公(なのかな?)のお話です。
西ドイツからずーーーーーっと河沿いに下って何ヶ月もかけて旅をして。
設定だけ見るととても「いいなー」って感じたし、ストーリーとしてもとても「いいなー」って感じでした。

3つの河が混じりあうパッサウにも行きたくなったし、一気にくるというバ

もっとみる
生が死を受け入れたとき、生は生を受け入れる

生が死を受け入れたとき、生は生を受け入れる

Wann das Leben akzept den Tod, das Leben akzept das Leben.
あってるかはわからないドイツ語。

買おうか悩んで買ってなかった本、きっかけをもらって買ったらすぐ読めたし書きたいことが溢れ出してきた。

Kindle↑紙↓

旅と生死と狩猟とお金、ってkuripかよ。って思ったけど、全体的に生き方を肯定されてる気がしてよかった。
肯定してくれる

もっとみる
僕の中の壊れていない部分/白石一文(2)

僕の中の壊れていない部分/白石一文(2)

感想文を書くためにパラパラと再読しているわけですが、やっぱりすごい本だなあと思います。
だって、直人にも枝里子にも雷太にもほのかにも、大西夫人にも朋子にも拓也にも寺内にもパクイルゴンにも、どこかで共感できてしまうから。
共感というよりかは、私の中に彼らがみんな住んでいるかのような、そんな錯覚を起こす。そう感じるように、誰もが共感してしまうように書かれているのかな、なんて思ったりもするけれど、私はま

もっとみる
個人的な体験/大江健三郎(3)

個人的な体験/大江健三郎(3)

文庫↑
Kindle↓

読み終わりました。

この小説のプロットとかテーマとかについて私に語れることはほとんどありません。
だって私は子どもを産んだことも産ませたこともないし、その子どもが脳に異常を抱えていたなんて経験ももちろんないし、ていうかまだ独身だし。玉山鉄二ください。

だからなんというか、妻やその義両親との関係性に悩んだり、子どものために夢を諦めなければならないと落胆したり、異常のある

もっとみる
個人的な経験/大江健三郎(2)

個人的な経験/大江健三郎(2)

文庫↑Kindle↓

主人公のバードは、アフリカ旅行を夢見ていた。けれども赤ん坊ができたのでそれを諦めかけていた。
けれども。
生まれてみるとその赤ん坊は脳ヘルニアだった。
脳みそが飛び出ていて、ちょうど頭がふたつあるように見える、らしい。

なかなか大変そうだなあなんて思っている暇もなく、医者や看護婦(古い本なので婦という表記)はバードを嘲笑する。可哀想とか大変そうとかではなく、あんな子どもを

もっとみる

個人的な経験/大江健三郎(1)

文庫↑Kindle↓

まだ読みかけなんですけど、とりあえず書いてみようと思います。

今は主人公のバードが火見子の部屋でウイスキーを流し込んでいるあたりです。
そこで火見子は「多元的な世界」について語る。
ーー人は生きるか死ぬかの経験をしたとき、今生きていると認識している自分とは別に、死んだ方の自分もまたいて、その死んだ自分をとりまく世界も存在して、そんな、死んだ世界も並行して進んでいっていてー

もっとみる

ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか/アレン・ネルソン

紙の本↑Kindle漫画↓

午前中に図書館へ出向いたら、この本と再会した。

中学生の頃、学校の図書の先生(司書さんという認識はまだなかった)がお昼休みになると、中学校舎のカフェテリアと呼ばれる、飲食スペースのようなところにお勧めの本をいくつか持ってきてくれていた。

私の通った女子校は生徒の半分以上が男みたいな髪型をし、スポーツをやっていない子はほとんどおらず、まあとにかく活発で落ち着きがなく

もっとみる