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とりとめのない感想文

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本が中心になるとは思います。
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#小説

ドナウの旅人/宮本輝

ドナウの旅人/宮本輝

kanaさんから勧めてもらって読んだ本。

文庫はこちら↓

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ドナウ河に沿って旅をする2組のカップルが主人公(なのかな?)のお話です。
西ドイツからずーーーーーっと河沿いに下って何ヶ月もかけて旅をして。
設定だけ見るととても「いいなー」って感じたし、ストーリーとしてもとても「いいなー」って感じでした。

3つの河が混じりあうパッサウにも行きたくなったし、一気にくるというバ

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僕の中の壊れていない部分/白石一文(1)

僕の中の壊れていない部分/白石一文(1)

7年くらい積読だった本。
そろそろ本棚をどうにかしなければならないので、読み終わった本は人にあげたり図書館に寄贈したりしようと思う。Amazonとかブックオフで売ってもいいけど、好きな本は届いてほしい人に届いてほしいし、まずは知人から布教していきたい。16年くらいお世話になってる区も好きだから、好きな区の好きな図書館に好きな本があるといいな、とも思うし。まあ単純に売るのが手間だっていうのもある。た

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WONDER/R.J.palacio(2)

読み終わりました。

紙の本↑

Kindleは英語のみ↓

人間は幼くてもみんなそれぞれ感情があって、それに基づいて行動してるんだなって、当たり前のことを当たり前に突きつけられました。
いい作品なのは間違いないと思います。ヤングアダルトコーナーに置いてあっても勇気出して借りてよかった。ヤングアダルトは分かりにくいことを平易な言葉で解説してくれてしかも敷衍してくれてたりもして、やっぱり大好きだなっ

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夏への扉/ロバート・A・ハインライン(2)

夏への扉/ロバート・A・ハインライン(2)

文庫↑

KIndle↓

(1)はこちら

ほんとうは水曜日に読み終わっていたんですけど、他に書きたいことがあって後回しにしちゃってました。
でもその書きたいことたちの記事はあまり共感を得られなかったみたいでちょっと落ち込んでます。
感性とライティングスキル(?)磨きたい。

とにかく、久々に心踊る本でした。
「わーおもしろーい」とか「ふむふむなるほど」みたいな文章とか物語はよく出会うけど、こん

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夏への扉/ロバート・A・ハインライン (1)

夏への扉/ロバート・A・ハインライン (1)

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10月に読んだ天使の卵の主人公、一本槍歩太に影響されて読んでいるわけなんですけれども。

主人公のダンがマイルズとベンのところに乗り込んでゾンビ・スープという激ヤバなドラッグを打たれたあたりまで読み進めたところなんですけれども。

確かに気持ちのいい小説ですねこれは!
一本槍歩太!きみはやっぱりいいセンスしてるよ!!結婚して!!!!!うそ

って感じです今のところ。
とに

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個人的な体験/大江健三郎(3)

個人的な体験/大江健三郎(3)

文庫↑
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読み終わりました。

この小説のプロットとかテーマとかについて私に語れることはほとんどありません。
だって私は子どもを産んだことも産ませたこともないし、その子どもが脳に異常を抱えていたなんて経験ももちろんないし、ていうかまだ独身だし。玉山鉄二ください。

だからなんというか、妻やその義両親との関係性に悩んだり、子どものために夢を諦めなければならないと落胆したり、異常のある

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個人的な経験/大江健三郎(2)

個人的な経験/大江健三郎(2)

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主人公のバードは、アフリカ旅行を夢見ていた。けれども赤ん坊ができたのでそれを諦めかけていた。
けれども。
生まれてみるとその赤ん坊は脳ヘルニアだった。
脳みそが飛び出ていて、ちょうど頭がふたつあるように見える、らしい。

なかなか大変そうだなあなんて思っている暇もなく、医者や看護婦(古い本なので婦という表記)はバードを嘲笑する。可哀想とか大変そうとかではなく、あんな子どもを

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個人的な経験/大江健三郎(1)

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まだ読みかけなんですけど、とりあえず書いてみようと思います。

今は主人公のバードが火見子の部屋でウイスキーを流し込んでいるあたりです。
そこで火見子は「多元的な世界」について語る。
ーー人は生きるか死ぬかの経験をしたとき、今生きていると認識している自分とは別に、死んだ方の自分もまたいて、その死んだ自分をとりまく世界も存在して、そんな、死んだ世界も並行して進んでいっていてー

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泳ぐのに、安全でも適切でもありません/江國香織

安全でも適切でもない人生を歩む女たちがたくさん登場する。

どの女も、安全でも適切でもない人生を送っているが、それらの人生はすべて似ているようにみえて全く異なる。
そして、年をとっていようが、若かろうが、既婚であろうが、みな、とても女だ。痛いほどに、女。
私も私の友達も、みんなこの本の中にいるようにも思えるし、まったく違うとも思う。

安全でも適切でもない中、どの女も人生をそれなりに楽しく、或いは

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天使の卵―エンジェルス・エッグ―/村山由佳

子どもの髪のようにさらさらで、節のない竹のように強くてしなやかで、淀みもない。すーっと染み込んできて、まるで端から私の一部だったかのように溶けてなくなる。

そんな小説を読んだ。

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19歳の予備校生が8つ年上の女医と恋に落ちる話だった。
プロットとしてはありきたりで、使い古されて、面白味に欠けると評されても納得のいくものだった。
特に驚くようなどんでん返しがあるわけでも、ひ

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