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動物の問題

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#社会運動

世界の動物運動から⑤不完全さをシェアする【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から⑤不完全さをシェアする【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*④の続きです。

友達を運動に巻き込む方法
関 わたしは今26歳くらいなんですけど、どうやって友達をヴィーガニズムや社会運動に巻き込んでいけるかなと考えます。小中学校は普通の公立高校に通ってたんですが、教室の中でさえ自分の意見を言えない子ばかりで、ちょっとでも目立つと気まずい雰囲気になったり、変な目で見られたりする環境がありました。クラスの中の1人や2人が、レナさんやわたしみたいに何か表現を始め

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世界の動物運動から④アジア諸国での比較【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から④アジア諸国での比較【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*③の続きです。

運動と資金の問題

生田 活動とお金の問題は非常に大きな問題だと思います。僕は主に野宿者ネットワークで活動しているんですが、基本的に全部ボランティアです。寄付の他は、寝袋を買うための助成金を取ったこともあるぐらいで、活動は無給です。これはいい面も悪い面もあって、もらうお金がないと、紐がつかないので自由にできる。行政への批判とかは気にせずできる。一方で、フルタイムで活動することが

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世界の動物運動から③カナダ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から③カナダ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*②の続きです。

批判的動物研究

——では次にかほさん、ヴィーガンになった理由や、活動の経験について教えてください。

かほ わたしは日本の岐阜県で生まれ育って、高校を卒業後にカナダに留学して、それからずっとカナダに住んでいます。ヴィーガンになった大きなきっかけは、学部生のときに社会学を専攻していたんですけど、社会学ではいろんな社会問題を扱うので、人種差別や性差別、資本主義や植民地主義によって

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世界の動物運動から②イギリス編(あとちょっとスペイン)【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から②イギリス編(あとちょっとスペイン)【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*①の続きです。

アニマル・アライアンス・アジアの設立まで

——では、次にエリーさん。ヴィーガンになったきっかけや活動の経験について教えてください。

エリー わたしは日本で生まれ育って、18歳の時に大学にいくためにイギリスに渡って、それから20年ぐらい住んでいました。去年1年は色々動いてたんですけど、今年からパートナーの関係もあってスペインに移住することになり、今はスペイン語を学んでいるとこ

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世界の動物運動から①アメリカ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から①アメリカ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

動物問題連続座段階第4回目。今回は世界の動物運動を知るために、海外での活動経験豊富なアニマル・アライアンス・アジアの方々にゲストに来ていただきました。アメリカ、イギリス、カナダやアジア7カ国(+ちょっとスペイン)と、日本での活動を比較し、どういった運動が効果的か、日本にはどのような問題があるかなどを議論していきます。

※動画の内容を一部、加筆・修正しています。

アニマル・アライアンス・アジアの

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ヴィーガン・ベジタリアン、もしくはそれらにご興味のある方へ、アンケート実施中です!

ヴィーガン・ベジタリアン、もしくはそれらにご興味のある方へ、アンケート実施中です!

日本でも少しずつヴィーガニズムが普及し、「ヴィーガン」という言葉もめずらしいものではなくなってきました。しかしながら、まだまだヴィーガンやベジタリアンにとって住みやすいとはいいがたいのが現状。今回は、ヴィーガンやベジタリアンの人権という観点から、動物運動の広め方を考えてきます。

動物問題連続座談会 視聴者募集※ヴィーガン・ベジタリアンや、それらを目指しているけど悩んでいる方限定。

2月1日(木

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動物から考える日本の暴力構造③後半 壁を打ち崩すために 【ゲスト:アニマルライツセンター】

動物から考える日本の暴力構造③後半 壁を打ち崩すために 【ゲスト:アニマルライツセンター】

*前半の続きです。

なんで日本はアジアの中でも遅れているの?

関 わたしは今年、台湾に行く機会があったのですが、台湾ではヴィーガンレストランもたくさんあるし、どのレストランに行っても1品は必ずヴィーガン対応のご飯がありました。さっき、韓国とタイはブロイラーの飼育面積にちゃんと法律があるという話もありましたが、欧米だけではなく他のアジアの国と比べても日本は遅れているんだと驚いています。それにはい

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動物から考える日本の暴力構造③前半 日本が遅れている理由もろもろ 【ゲスト:アニマルライツセンター】

動物から考える日本の暴力構造③前半 日本が遅れている理由もろもろ 【ゲスト:アニマルライツセンター】

2023年下半期からはじめたシリーズ「動物問題連続座談会」。第2回目は、実際に日本の動物たちの現状を大きく変えてきたNPO法人アニマルライツセンターより、代表の岡田千尋さん・スタッフの鈴木萌さんをゲストにお呼びし、日本における動物の扱いにはどういった問題があるのか、また、それらがハラスメント運動・野宿者支援・フェミニズムなどとどういった共通点や差異があるかを比較しながら、日本の暴力の構造的な問題に

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動物から考える日本の暴力構造①	【後半】 動物運動の実際 〜ゲスト:アニマルライツセンター

動物から考える日本の暴力構造① 【後半】 動物運動の実際 〜ゲスト:アニマルライツセンター

*前半の続きです

動物運動に女性が多いのはなぜ?

——(司会:深沢)動物運動に関わる方は女性が多いですか?

岡田 めちゃくちゃ多いです。

——それはなぜでしょう?

岡田 柔軟性があるとか、女性の方が生活を変えやすかったりすることはあるのかもしれないですし、感受性の問題もあるのかなと思います。これは人間の運動でもそうですけど、ヴィーガンの脳を分析すると、かわいそうな動物や、酷い目にあってい

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動物から考える日本の暴力構造①	【前半】 動物運動のこれまで 〜ゲスト:アニマルライツセンター

動物から考える日本の暴力構造① 【前半】 動物運動のこれまで 〜ゲスト:アニマルライツセンター

2023年下半期からはじめたシリーズ「動物問題連続座談会」。第2回目は、実際に日本の動物たちの現状を大きく変えてきたNPO法人アニマルライツセンターより、代表の岡田千尋さん・スタッフの鈴木萌さんをゲストにお呼びし、日本における動物の扱いにはどういった問題があるのか、また、それらがハラスメント運動・野宿者支援・フェミニズムなどとどういった共通点や差異があるかを比較しながら、日本の暴力の構造的な問題に

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動物から考える社会運動⑨まとめ!

動物から考える社会運動⑨まとめ!

わたしたちはなぜハラスメント運動/野宿者支援をしながら動物の運動をするのか?——動物問題連続座談会の一回目第9弾。野宿者支援・労働運動など複数の問題に携わってこられた活動家の生田武志さん・栗田隆子さんをゲストにお呼びし、交差的な運動についての議論を深めていきます。

動物問題にかかわる漫画あれこれ
深沢 日本も漫画では畜産の問題というか、「生き物を食べる」ということについて問題提起するような作品は

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動物から考える社会運動⑤の2 学ぶ場所がない!!!

動物から考える社会運動⑤の2 学ぶ場所がない!!!

わたしたちはなぜハラスメント運動/野宿者支援をしながら動物の運動をするのか?——動物問題連続座談会の一回目第5弾2。野宿者支援・労働運動など複数の問題に携わってこられた活動家の生田武志さん・栗田隆子さんをゲストにお呼びし、交差的な運動についての議論を深めていきます。

※ 動画は前半と同じものです。記事化にあたり、動画⑤の内容を分割し、加筆・修正しています。

努力神話と差別意識——他人が許せなく

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動物から考える社会運動⑤の1 自分たちの加害性・特権性を考える

動物から考える社会運動⑤の1 自分たちの加害性・特権性を考える

わたしたちはなぜハラスメント運動/野宿者支援をしながら動物の運動をするのか?——動物問題連続座談会の一回目第5弾。野宿者支援・労働運動など複数の問題に携わってこられた活動家の生田武志さん・栗田隆子さんをゲストにお呼びし、交差的な運動についての議論を深めていきます。

※ 動画は後半と同じものです。記事化にあたり、動画⑤の内容を分割し、加筆・修正しています。

罪悪感ベースの運動は可能か?

——(

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栗田隆子さんインタビュー③ 各運動の繋がらなさについて考える〜ヴィーガニズムとフェミニズム

栗田隆子さんインタビュー③ 各運動の繋がらなさについて考える〜ヴィーガニズムとフェミニズム

(こちらの記事は、2023年2月に公式HPにて公開したものからの抜粋です。反響が大きかったため、一部切り取ってnoteにて再公開します)

 キャンパス・ハラスメント問題、女性の労働問題、貧困問題、動物福祉etc…。そこに問題があるのはわかっちゃいるんだけど、どうして運動ってなかなか進まないんだろう? それって実は、運動内の人間関係がうまくいかないことが大きな原因なのでは? 
 ホームレスやフリー

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