部活は嫌いだったけれども
いい財産になったなぁ。
◇◇
中学時代、オレはサッカー部に所属し、高校時代は吹奏楽部に所属していた。
でもとにかく部活が嫌いだった。
サッカーに関しては、そもそもサッカーをやりたくて始めたわけじゃないし、吹奏楽に関しても運動部から逃げたくてとりあえず入ったという程度。
だからモチベーションなんてものはない。
とくにサッカー部時代は、人見知りやコミュ障をゴリゴリに発動していたのもあり、全然馴染めなかった。
練習もだるいし、試合もやりたくなかったし、本当にクソほど楽しくなかった。
吹奏楽部時代は仲間に恵まれたのか、凄く楽しかった思い出がある。
特に、放課後の駐輪場で部の仲のいい男たちと猿のようにバカ騒ぎをしていたのはマジで青春だった。
それに、楽器を演奏するのも純粋に楽しかった。
パーカッション(打楽器)だったので、いろんな楽器を経験できたのも良かったと思う。
でも部活自体は嫌だった。
とりあえずダルかったし、一刻も早く引退の日が来てほしいと思っていた。
◇◇
結局どちらの部活も、引退の時はやはり悲しかったものの、苦しみから解放されて嬉しくなった。
でもどうだろう、サッカーと楽器は嫌いになったか?
答えはNo。むしろ声高らかとYes!と言いたいくらいに好きである。
サッカー“部”は嫌だったが、引退となった瞬間、なぜかサッカーの魅力に引き込まれ、今では寝ても覚めてもサッカーのことを考えている。
Jリーグやイングランドプレミアリーグの試合は必ずチェックし、日本代表の試合も欠かさず観る。
そしてやるゲームはウイニングイレブンと、とにかく毎日がサッカー漬けだ。
吹奏楽に関しては、サッカーのように辞めた瞬間に好きになることはなかった。
むしろ嫌いになってしまったのだが、まるでスルメのように後からその旨みを味わうことができるようになった。
最近、星野源にハマっているので、彼の楽曲の楽譜をネットから購入し、ドラムの練習をしていたりする。
あとは好きな曲をかけて、それに合わせて練習用のパットで叩きまくっている。
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オレはこんなにも素晴らしい2つの趣味を得ることができたのだ。
これはきっと、サッカー部と吹奏楽部に入らなければこうはなっていなかったはずだ。
サッカー部に入ったことで、サッカーが好きな日本中のサッカーファミリーと繋がることができ、時にサッカーを語り、一緒に観戦したりプレーすることができる。
吹奏楽部に入ったことで、楽器演奏の楽しさを知る仲間たちとともに演奏をすることができる。
サッカーの楽しさと、楽器演奏の楽しさを知れたオレは幸せ者だ。
この2つの趣味があるから、なんてない日常に鮮やかな色をつけることができる。
だから今となってはいい経験だった。
中学の時「運動部に入りなさい」、高校の時は「運動部じゃなくてもいいからとりあえず部活に入りなさい」と言ってくれた母親にも感謝したい。
興味関心の範囲が狭く、主体的でなかったオレがこんなことを言われなければ絶対に部活なんてやっていなかったからだ。
サッカー部、吹奏楽部よ。
部活はクソだるかったし、毎日サボりたくて仕方がなかったけど、でも、ありがとう。