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ラグビー選手のセカンド・キャリアサポートについて
現状分析と目標
日本ラグビー界における引退後のキャリアは、変革が求められています。
現在のラグビー界は、一つのチームの中に、正社員(社員選手)、契約選手(プロ)が混在し、選手たちにとって、今ひとつ引退後のキャリアが定まらない状態が続いています。日本ラグビー界が、キャリア・トランジションのあるべき姿を明確にしない限り、ラグビーはこれ以上の競技普及も望めないでしょう。また、職業選択における観点から
目的とは無関係な雑念がゴールを阻む
NHK「王者・井上尚弥の10ラウンド(再)」において、井上選手の言葉に感銘を受けた。
(井上選手が語った内容)
・ボクシングを始めてからこれまで、相手を倒す、打ち負かすなど考えた
ことは一度もない
・自分がやっているのは、ボクシングというスポーツであり、ゲームであ
る
・ゲームをクリアするには、パズルを完成させる必要があり、最後の 1ピー
スが「カチッと」はまったときに、クリア
強い意思決定は、限界値を引き上げ、困難を乗り越えやすくなる
私の人生は、4歳からラグビーを始め、憧れていた國學院久我山高校(以下 久我山)にラグビー推薦で進学し、目標であった花園(全国大会)にレギュラーとして出場を果たすことができた。神奈川県逗子市にある自宅から杉並区にある久我山まで片道2時間以上の通学や、先輩から壮絶なイジメを受けても、ラグビーを辞めようと考えたことは一度もなかった。
成功体験を得られた理由として、明確な目標設定が考えられる。自ら
フィードバックの重要性について
ラグビー選手引退後の仕事を上手く進めるためには、上司や同僚からフィードバックをたくさんもらい、自我を抑え、指摘された弱点や課題を真摯に受け止め、向き合う力が求められる。理由として、ラグビーにおける課題、加えて、弱点については可視化しやすいものの、ビジネスにおいては状況や環境により求められる能力、役割、スキルが異なるため、内省そのものが難しくなる。
従って、引退後のキャリアが円滑に進まない要因と
キャリアトランジションを円滑にするために
ラグビー選手のセカンドキャリアに関する研究(中曾 2023)を行ったところ、インタビュー対象者から、キャリアパスを上手く進められなかったことを語られ、今後も出世は見込めないとの内容だった。選手として成功しても、ビジネスにおいても上手くいくとは限らないことを示している。
ビジネスキャリアを上手く進めるには、選手時代の自己認知(強み、価値観)を活かし、新たな目的を定め、自分を創りなおす必要がある