マガジンのカバー画像

おいしさを開く鍵

25
料理が苦手な方、好きだけれど億劫な方、 そして大好きな方へ、私なりの小さな自信の積み重ね方をご紹介します。
運営しているクリエイター

#料理

年明けに〜きもちアジアなコブサラダ

年明けに〜きもちアジアなコブサラダ

あけましておめでとうございます。
…とはいえもう仕事始めを過ぎてしまい、
鏡開きも終え、遅めのご挨拶になりました。

元旦の夕方、おそらく多くの方が家族や親しい人と和やかな時を過ごしているなか、
北陸では、実に激しい地震が何度も起き、
痛ましい事態の年明けになってしまいました。

暖かい部屋で食べたいものを食べ、休みを楽しんでいた自分のいろいろを投稿して何になるのだろう、嫌な思いをされる方もいるの

もっとみる
残り野菜でいちょうのお寿司

残り野菜でいちょうのお寿司

秋が来た、と言い切れない日が続いていたけれど、
気づけば銀杏並木は色付きはじめ、
ところによってはまるで黄色い炎が立ちのぼるように美しい眺めを楽しませてくれるようになりました。

落葉樹は自分の身を守るために葉を落としてしまうけれど、
その、いらなくなったはずの葉が こんなにも美しいのは、どうしてなんでしょうね。

さて、今夜のごはん作りです。
仕事で煮物用の切れ端野菜ばかりが余ることが多いので、

もっとみる
玄米ご飯の気楽なパエリア

玄米ご飯の気楽なパエリア

今日の昼食に、
冷やご飯でフライパンパエリア🥘を作りました。

生米からじっくり炊くのが醍醐味ですが、
玄米入り冷やご飯で、歯応えも生米から炊いてる風、の炊き上がりになっています😅
もちろん、白いごはんでも。オール玄米ならさらに良し、です。

これは、ステイホームの頃からよく炊き始めたものです。
サフランもあまり身近でないので、
香りの似ているオレンジジュースをスープに加え、
色はカレー粉とケ

もっとみる
栗とアーモンドミルクの秋プリン

栗とアーモンドミルクの秋プリン

朝の空を見上げれば、巨大な雲は小さく千切れ、
すっきりとした秋晴れ。
報道に翻弄され、右往左往していた数日が嘘のようです。

引っ越し先の居住まいにまだ不慣れなうえに、
こんなに海の近くで台風襲来をただ待つ心地に
なかなか落ち着いていられず、
ちょうど買っていた初物の栗1キロの袋を湯につけてしまいました。
こうならばもう、あとへは引けなくなり、
ただただ栗と向き合う時間の始まり。

柔らかくなった

もっとみる
ありがと、デーツ@富士登山

ありがと、デーツ@富士登山

あと数ヶ月で、わたしもついに還暦を迎えます。

60。六十。6×10。
一向に中身は進化もアップデートもしていないのに数字ばかりが大きくなっていく、
そんな自分の今に呆れを通り越し、いささか驚きさえ感じます。

相変わらずのままで過ぎてしまっていいのだろうか。
何か節目になるようなことをして区切りにし、
次の自分を一から模索していけないだろうか。
そんなことをぼんやり考えていたところ、
富士山に一

もっとみる
繊切り〜この愛しき単純作業

繊切り〜この愛しき単純作業

あけましておめでとうございます。
三が日も終わり、明日から平常に戻ります。

今年のおせちもみんなに食べてもらい、残ったのはやはり、毎年の如くなますでした。

研ぎたての包丁で桂むきや繊切りをし始めると、切れ味も音も気持ちが良く止まらないもので、
ついついキリのいい量やってしまい、作りすぎて残ってしまうのが年明けの常。
頭も真っ白になり、いい発散にもなっています。
そのせいか、余ると分かりつつ

もっとみる
レバーペーストを、ゆっくり仕込む。

レバーペーストを、ゆっくり仕込む。

鶏のレバーペーストは、娘の大好物の一つ。

以前は塩とスパイスで下味をつけて玉ねぎやにんにく、ハーブとともにフライパンで炒め赤ワインを振り、ミキサーでバターと生クリームと混ぜる、というパパッとしたやり方でしたが

レバーを低温調理でゆっくり火を通してみると
箸で挟むだけでグッと食い込むほどにとろりと仕上がり、
ミキサーもいらなくなりました。
仕上がりの風味もより濃くなるので、気に入っています。

もっとみる
古梅干しと煎り酒

古梅干しと煎り酒

梅仕事の話をする季節ではありませんが、
我が家に残る古い梅干しの話を。

それはもう30年以上も前の、息子の育休中でした。
初めて10キロの梅を漬けたのです。

梅自体の種類も塩のまぶし方も干し方も心許なく、その時に縋るように読み込んでいたのが乗松祥子先生の「梅暦、梅料理」の本。

ページごとにその面白さに魅せられ、
エキス、シロップ、梅酒にカリカリ漬け、甘漬けなど、梅仕事のワクワクする楽しさに、

もっとみる
残りものが輝くケークサレ

残りものが輝くケークサレ

ケークサレは、
塩味のケーキ。

ケーキという名ですが、
どちらかと言うとお惣菜や酒肴に近く
お菓子よりもずっと気軽に作れること、
そしてその懐の深さに、何だか惹かれています。

仕事のあとに残る、たくさんのいろいろな切れ端。
それを焼いたり炒めたり揚げたりして家の料理にするのですが、
さらにその料理がひとくちずつ残った時、
生地に混ぜて焼いてみると
残り物によって、そのさまざまな仕上がり方が実に

もっとみる
朝から焼けるシンプルスフレ

朝から焼けるシンプルスフレ

秋になると無性に拵えたくなるのは
何と言ってもあったかスイーツ。

なかでも今日のようにブルっと震える寒い朝、
焼きたてのスフレを、しぼまないうちにハフハフできたら、
鬱陶しい気分も吹き飛んでしまいそう。
(だから痩せたい気持ちも、どこかへ…。)

基本は卵に砂糖、牛乳とバターがあればできますから、思いついた時に取りかかれるのもうれしいところです。

甘くせずに、ベーコンやキノコのソテーを混ぜたり

もっとみる
小豆を炊く時

小豆を炊く時

これまで何度、小豆を煮ただろう。
と思いながら、ふつふついう鍋の中を眺めています。
毎回少しずつ違う、あんこの奥深さ。
なぜか夜中に炊くと、うまく行く気がしてからは
家族が寝静まった頃にやり出すように。
眠れない夜などにはぴったりなのです。

こうして小豆を炊きながら、色々な思い出が次から次へと心中に去来するのもまた愉し。

小豆の仕事が入り、
とても稀少な備中(びっちゅう)の白小豆を探していたと

もっとみる
自由が幸せ、タルティーヌ

自由が幸せ、タルティーヌ

タルティーヌというと
響きが巻き毛の女の子みたいで
なんだか気取って聞こえますが
うちのは、まさに上の写真のように至極テキトーなもので、
焼いたバゲットに今あるものや残りもの、なんでもその場のノリで組み合わせてしまうオープンサンドです。
わざわざ作るというより、じゃんじゃんのせて片付けてもらう、イメージ。

バスクのピンチョスに似てはいますが、ソースと具の味を構築していく印象のピンチョスとは、まる

もっとみる
ものぐさな悪魔に克つ料理

ものぐさな悪魔に克つ料理

からだが言うことを聞かないとき
どうしても元気に動けないとき
ものぐさな悪魔がささやくとき
だれにでも、ありますよね。
それでも、おいしいものを作って食べたいしなあ。

矛盾しているようですが、
そんなときに限って、かたまり肉をゆでたり煮たりしていることが多いのです。
(香ばしく焼いたり炒めたり、は鍋から離れられず疲れるからやりません。)

「今夜何を作ればいいか、浮かばないとき、どうすればいい?

もっとみる
旬のチカラを満喫する〜春

旬のチカラを満喫する〜春

毎日作るいつものおかずに、季節感をひとふり。

すごくささやかなことではありますが、
作る心持ちが、明らかに違ってきます。

料理に割ける間が多くないからこそ、
こうした旬の小さな味方たちは大切。
その心強さに、思いのほか支えられている、と気付かされるようになりました。

また、どうしても元気が出ないとき、
毎年の旬を先取りし、満喫し、名残りを惜しんでみてください。
自然の一部でもある食材を扱って

もっとみる