残りものが輝くケークサレ
ケークサレは、
塩味のケーキ。
ケーキという名ですが、
どちらかと言うとお惣菜や酒肴に近く
お菓子よりもずっと気軽に作れること、
そしてその懐の深さに、何だか惹かれています。
仕事のあとに残る、たくさんのいろいろな切れ端。
それを焼いたり炒めたり揚げたりして家の料理にするのですが、
さらにその料理がひとくちずつ残った時、
生地に混ぜて焼いてみると
残り物によって、そのさまざまな仕上がり方が実に面白く感じるのです。
キッシュのようにタルトの生地を敷くこともいらないし、
塩味の強いものを入れれば味付けはいりません。
生地はボウルと泡立て器に、いつもある材料があれば…。
薄力粉100gにベーキングパウダー6g、ガーリックパウダー少々を混ぜて
泡立て器で混ぜ合わせ
ここに牛乳1/2カップと卵2個、粉チーズとマヨネーズは大さじ1、とろける細切りチーズ適宜を順番に入れてよく混ぜるだけ。
残り物を受け入れてくれる範囲は意外に広く、
きんぴらでも、トマトソースでも、麻婆茄子でも。
薄味より、ちょっと濃いめが
お酒にもよく合うと感じます。
ゆうべの残りものと、残り食材は
アスパラのパン粉焼き、焼いた赤パプリカのマリネ、ベーコンの切れ端、にんにく風味の黒オリーブとドライトマト、マッシュポテトに、カッテージチーズ。
単純な味のものが多ければ、
こうしていろいろ混ぜることもできます。
冷めた食材を生地に混ぜ、
紙をしいたパウンド型に流して180℃のオーブンで、
型の大きさによりますが、40~60分ほど
刺した竹串に何もついて来なくなるまで焼きます。
もう一つ、
栗の渋皮煮の形が崩れたものに、
シイタケのバルサミコ炒め、アーモンドを混ぜて。
生地は一緒なのに、全然違うのが面白いです。
あまい生地なら、こうはいきませんよね。
しょっぱいもの、すっぱいもの、あまいもの。
かたいもの、やわらかいもの。
それらを生地が上手につないで、包み込んで
意外な味わいに焼きあがる、その可能性が楽しくてなりません。
そして、部屋の掃除や洗濯などとおなじように
テーブルの残り物がすっきり片付くと
ちょっとした達成感、小さな自信のおまけがもらえたような心持ちに。
仕事での達成感とはまた少し違うけれど、
次へ次へと関心が移っていく仕事よりも
暮らしのなかの小さな自信は
長くストックしておける気がしています。
多めに焼いて一切れずつ冷凍し、
なんとなく元気の出ないときに、トースターでカリッと焼けば
美味しい幸せと一緒に、
前向く気持ちも復活してくれる…と信じて、
今朝もまた、ストック。
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