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【すごい詩】

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2024年4月の記事一覧

創作【詩】 グラモフォン

創作【詩】 グラモフォン

音楽がないとやってられない

わたしのバッグにイヤホンはない

満員電車で目を閉じる

耳を澄まし、記憶をまさぐる

懸命に思い起こそうとする

音楽を

わたしは生きたグラモフォン

頭に、見えないプレイリスト

音楽は鳴り止まない

わたしは鳴り止まない

いのちの旅を終えるまで

#詩8 『月の音』

#詩8 『月の音』

帰り道、窓から見えた
電線に乗った月は、まるで五線譜の上で
ひしゃげた丸は
あの頃書いた歌を思い出させた
月の音色はどんなだろう

青春(詩)

青春(詩)

春は叫んだ

夏も叫んだ

秋は叫んでみた

冬は泣き叫んだ

詩「花と蝶」

詩「花と蝶」

きみの花柄ワンピースに

モンシロチョウがとまって羽を休める

ワンピースの花に惹かれたのか

きみ自身が花なのか

↓前回の詩もぜひご覧ください!

【詩】『無題』

十センチメートルしか開かないガラス戸を開ける
隙間からは深夜一時の凍てつく息吹
どこにいても孤独な私の隣 
風が腰掛けた
冷たさと抱擁を交わす
それは私の存在への受容
しかし何も言えないままで
冷たい故に与えられた痛みはしずかな裂傷になる
睡魔とともに肉体はリネンに沈む
どこまでも 
これでいい
このまま痛みとひとつになって

起死回生 _ 詩

起死回生 _ 詩

いつもより早く帰れたな
あのお店にも灯りが点いてる
まだ金星はそこにいて
カモメも群青に染まらずに
ぱっちり開いた君の瞳に
星の夜も宇宙も飲まれ
僕はなんて思えばいいだろ
生憎持ち合わせはないな
シャッターチャンスを待つように
君の微笑み待つくらい

僕は一人だけど独りじゃない [詩]

僕は一人だけど独りじゃない [詩]

僕はこの世で一人だけ
でも 独りで生きてるわけじゃない
こんな僕でも認めてくれる
誰かがどこかにいるはずだ

汗も涙もため息も
嘘も嘆きも諦めも
人の数だけそこにある
街中すれ違う彼らにも
皆それぞれに道があり
何かを背負って生きている

誰もがこの世で一人だけ
でも 独りで生きてるわけじゃない
いつかは僕も誰かのそばに
寄り添うことができたなら…


僕は一人で詩を書く
でも 誰かが読ん

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詩"笑ってほしい

笑ってほしい
たんぽぽ ハンバーグ 日曜日
あなたと私のために
魔法が隠れた日常
規律や残高よりも
幸せに生きよう
衣食住の中の今日のズボンに
すずらんが咲いてるから幸せ
人参を茹でる12時前
湯気 密度 表面張力 飲み込め涙 賢い汗
自力は他力で生かされてるから
あなたが頑張るなら
私の今日の命輝かせていよう
揺れるキャンドルみたいに

解放される音

解放される音

「私は違う人の人生を生きてる」

理想の世界が現実と交差する
お金持ちの一人っ子として描かれた私の夢物語り

しかし、現実は予期せぬ道を辿る

自由とともに生きる美少女、それが私の理想的物語り

予定と違う現実が私を縛り付ける
だからこれは私じゃない
だっておかしいじゃん、こんなはずじゃなかった

幼い頃に思い描いていた夢とのギャップ
私の物語りの主人公は
金持ちの一人っ子
白くて長毛のボルゾイを

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(詩)雀と遊ぶ

春、まぶしい光の中で
雀と遊ぶ
まぶしいね、あったかいね
チューチュー、チューチュー

夏、せみしぐれの中で
雀と遊ぶ
暑いね、きみたちは
汗かかないね
チューチュー、チューチュー

秋、落葉の中で
雀と遊ぶ
寂しいね、きみたちも
恋に泣くのかな
チューチュー、チューチュー

冬、木枯らしの中で
雀と遊ぶ
雪が舞い落ち
雀の羽根にとまって融ける
冷たいね、さむーいね

もう少しの辛抱
抱き締めて上

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(詩)僕は宇宙

(詩)僕は宇宙

宇宙は
広く広く広がっている

そんな当たり前
見向きもしなかった

でも気が付いた
僕は当たり前を知らない

僕も
あなたも

転がる小石も
おいしい朝の空気も

悲しいことも
楽しいことも

生きる者も
生きていた者も

作った僕の作品も
他の誰かの作品も

知っている事も
全く知らない事も

全てが大きな宇宙の一部

僕は宇宙だったんだ

【詩】夢秩序

【詩】夢秩序

ちいさな わたしも
そらが ちかい
かたぐるま

どきどき
てを ひろげたら
とんでるみたい

あたまを たくさん
なでてもらう

がんばったよって
わらいあう

もう伸ばしても
届かない
大きな掌

「いつでも あえるよ」

夢に
決まりはありません

夢に
制限など
ないのですから
#ことばおもい の造語お題
「夢秩序」(無秩序)より

(詩)僕は夏の一風景

(詩)僕は夏の一風景

手持ち花火をして
夏を感じていた

遠目に見た誰かが
僕らを見て夏を感じていた

あの日

僕は夏の一風景になっていたんだ