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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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#日本史

浅田次郎にハマれば歴史が知りたくなる~「幕末史2」

浅田次郎にハマれば歴史が知りたくなる~「幕末史2」

浅田次郎氏の小説パターンには、ただ単に時系列で物語が進むのではなく、さまざまな人の証言から全体の流れを構成し、ストーリーの核心に触れていゆくものがあります。

序盤は何の話なのかわからないものも、ひとたび共通点が見えると、もうページをめくる手は止まりません。

様々な角度から見た状況が自分の頭の中で組み立てられ、次第に輪郭がはっきりしてくるという感じです。

このあたりは非常に上手い!

一人一人

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東京・水戸「尊王攘夷の旅」1日目

東京・水戸「尊王攘夷の旅」1日目

いきなり物騒なタイトルですが、2023年3月8日から12日まで、東京と水戸に旅行に行きました。東京の知人・友人と旧交を温めるのが主な目的でしたが、さいきんテーマとしている幕末の尊王攘夷思想について、ゆかりの地を訪ねてもみました。まだまだ勉強中なので、写真とともに、みなさんともに、楽しく学ぶぜ。あっ私は決して右翼でも過激思想の持主でもなんでもなく、ただの民主主義者?です。

博多から東京に行くのに新

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〈ポートフォリオ更新のお知らせ〉
ポートフォリオにて新しい記事を更新しました!

〈その他の歴史まとめ:社会史〉
戦国時代を生きた女性の悲惨な人生!逸話や残酷な出来事も紹介
https://rekisiru.com/25321

戦国時代の女性たちの生き様に関して紹介しています!

フロイスが見た日本のクリスマス

フロイスが見た日本のクリスマス

早いもので、もうクリスマスの時期となりました。

まずはm.Aさんの記事を紹介させていただきます。

彼女は主に西洋史関連の記事を書かれていて、サバサバした文体で無駄な言葉は一切なく、端的で解りやすい記事なのです。
日本史しか知らない私にとって、いつも興味深い学びがあり、見識が広まります。

本日の学びは「ビーダーマイヤー時代=わびさび時代」でした!
詳しくは是非とも記事を読んでくださいね。

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《日本史》源氏の血筋とその後

《日本史》源氏の血筋とその後

こんにちは。
Ayaです。
11月半ばも過ぎ、『鎌倉殿の13人』も佳境に入りつつありますね。
大泉洋さん演じる源頼朝が死んで以降、時々見るようにしてます。
今週は公暁による実朝暗殺が放送されます。公暁は実朝の首を抱えて三浦義村のもとに向かいますが、すでに裏切りを決めていた三浦は部下に殺害させます。
こうして源頼朝の血は絶えたとされていますが、実は少しだけ続いていたのをご存じでしょうか。

源鞠子(

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ルーツ 赤門

ルーツ 赤門

東京大学の赤門。
この赤門が日本の大切な遺産だったなんてびっくりだよ。
ポンと昔。
文京区の東京大学本郷キャンパスの『赤門』はとっても有名。
東大と言えばこの赤門さ。とっても難しい試験に受からなければ入れない大学だよ。
今から400年くらい前。
江戸時代の時からさ。ここは加賀藩主前田家の上屋敷があった所だったよ。身分の高い大名たちが江戸に来た時寝泊りできるお屋敷を上屋敷といったんだよ。
明治10年

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ざっくり薩長土肥の旅

ざっくり薩長土肥の旅

ほんとうに皆様の歴史探訪記には頭が下がる思いです。独自の視点で、詳細で、丁寧で。私はなにをしても「ふんふん、なるほど」と分かった気になってしまうので、旅行も立ち食い蕎麦屋もびっくりのスピードで廻ってしまいます。
それでもいい、旅行記をまとめよ、といってくださる方のために、今回は「薩長土肥」の旅行記をアップします。いずれ詳細な記事にしたいと思いますが、今回は基礎編ということで。

肥前編(佐賀市)今

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徳川家康の感謝状が偽物だった件

徳川家康の感謝状が偽物だった件

薩長土肥(薩摩・長州・土佐・肥前)が倒幕の主役を担ったのに対し、同じ西国雄藩だった福岡藩が目立った活躍ができなかった理由については、以前記事にもしました。月形洗蔵ら勤王の志士が一時的に活躍したものの、佐幕派だった藩主の黒田長溥による「乙丑の獄」により勤皇派は一掃され、明治維新に完全に乗り遅れるのです。

黒田家が子々孫々まで佐幕派、つまり徳川家に忠実だった理由として、「徳川家康の感状(感謝状)」が

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【第1回】吉村昭 著 「牛」

【第1回】吉村昭 著 「牛」

幕末・明治維新への誘い〜点と点を結んで世界を堪能する〜19世紀中期から後半にかけて、約220年続いた鎖国の太平に風穴が開けられ、近代国家への転換を図るための革命的事件が各地で勃発した…それが日本の「幕末」「明治維新」です。ペリーの来航とか、尊王攘夷とか、新撰組とか…エピソードは聞いたことがあるけれど、全体として日本に何が起きていたかピンときていない、そんな人も少なくないのではないでしょうか?

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歌人 平忠度(たいらのただのり)と右腕(その3 全3回)

歌人 平忠度(たいらのただのり)と右腕(その3 全3回)

忠度はね、薄らいでいく意識の中ではて西はこちらかやと体の向きを変えるとね、こうして静かに念仏を唱え始めたんだ。忠度の白い顔は青ざめていったんだよ。
忠澄はね、勢いあってこそ撃てる首も念仏を唱えられるとね。やりずらかったよ。
「名のある大将軍に違いあるまい。」
忠澄はね、首を撃つとその体を調べてみたんだよ。するとね、箙に結びつけられた短冊があったんだ。箙とはね、矢を入れて背中に背負っておく細長い入れ

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歌人 平忠度(たいらのただのり)と右腕(その2 全3回)

忠澄は大声で呼びかけたよ。それは、色白く、ひげをたっぷりとたくわえ、白月毛の馬にまたがって、赤地錦の直垂に黒糸威の鎧をつけて、兜をかぶりもしないでいる。名のある大将に違いなかったんだ。
「私は、お前の味方ぞ」
忠度は落ち着いて答えたんだ。そうさ。嘘を答えたんだよ。その時チラリと口元が見えてしまった。忠度は歯を黒く染めていたんだ。源氏には歯を黒く染めている者なんてなかったからね。平家の者に間違いなか

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歌人 平忠度(たいらのただのり)と右腕(その1 全3回)

歌人 平忠度(たいらのただのり)と右腕(その1 全3回)

行き暮れて 木の下陰を 宿とせば 
花やこよひの 主ならまし  忠度

今日はね、この歌を詠んだ平忠度のお話だよ。忠度は戦いなんかしたくはなかたっんだ。お花や雪を見てロマンチックに歌を詠んでいたかったんだよ。
ポンと昔。源氏に追われた平家たちは京都から兵庫へと逃げて行ったんだ。平家たちはもう一度都の京都を奪い返してやるぞと兵庫の福原に集って東の生田の森と、西の一之谷に砦を築いていたんだよ。そうし

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駒姫と畜生塚(その3 全3回)

駒姫と畜生塚(その3 全3回)

それから、みなで大石をどかしてね、大きな穴に投げ込まれた女の人たちを、ひとりひとり丁寧にお寺の脇のお墓に移してあげていったんだって。きれいなお着物は泥まみれになっていたけれど、大切にきれいにしてとっておいたんだ。

「お、これは袖の中から手紙ではないか」

朱色の着物の袖の中から錦の布に包まれた手紙のような物が出てきたんだ。

「罪なき身も世のくもりにさえられて
ともにめいどにおもむくは 

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駒姫と畜生塚(その2 全3回)

駒姫と畜生塚(その2 全3回)

そうじゃ。忘れはせぬ。8月二日の事じゃった。良く晴れた日でな。暑い日じゃったよ。朝早くから町の中をな。あちこちへとな。車に乗せられた姫さんたちが、おいおい泣きながら何台も通って行ったんじゃ。抱かれた赤子もいた。まだ二つか三つくらいの子もいた。最後の車にはな、泣きもせずにこちらを見ている姫さんがいてな。色白の美しゅう姫であった。それが遠く最上からつい来たばかりの駒姫じゃった。もうひと月、ゆっくりして

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