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使えるバーテンダースキル

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バーテンダーは、難解な職業の一つである。扱っている酒を提供し、お客を招いて気持ちよく酔っていただき対価をうける。そこにお店の個性(付加価値)を付加させ、他店との差別化を確立させる…
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#お酒

「バーテンダー褒め学」実践編

「バーテンダー褒め学」実践編

褒めるべき優れた人が、その褒められるべきポイントには誰一人気がつかず、私だけが見抜いていたら嬉しいだろう。つまり誰にでも褒めるべきところがあると思えば、それを探しだそうとする好奇心が湧き上がるというものだ。
反対に探しても捜しても一向に褒めポイントが見つからない迷宮のラビリンスのような人がいる。これは相当に厄介だが、ただ単に私自身がその人の「良さ」を見抜けない未熟者の可能性も否めない。
褒めるべき

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「一見さんの6つのルール」

「一見さんの6つのルール」

繁盛している飲食店には、必ず店を愛してくれている常連さんが存在する。
店を愛し、スタッフとも気心が知れて、家族ぐるみの仲、なんて関係もあるだろう。
店が満席になると進んで席を空けてくれるようなスタッフ的な気配りができる、そんな縁の下の力持ち的存在、それが常連さんだ。
だが、どんなに家族のような親しい常連さんも、初めはみんな「一見さん」なのである。

私の店にも常連さんは存在している。
20年以上も

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「人間の嘘と正直さ」

「人間の嘘と正直さ」

20代の私は自信がもてず、向き合えず、自分に嘘をついて生きた。
泣きたい時は笑い、面白い時はしかめっ面をしてみせた。どうしてそんなことをしていたかと言うと、そうすることで大人に近づけると思ったからだ。
未熟である。
未熟さは更なる未熟を生んだ。
未熟なのに大人ぶる。それは嘘だ。
嘘は嘘でコーティングされ、自分が誰なのかすら判らなくなった。
20歳で店を持った。
大人になれないまま、カウンターに立つ

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