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【essay】永遠を求めない、スープの話
あれは、2024年があけてまだ1週間も経たない時だった。
宅配便で身に覚えのない荷物が届けられて、中身を確認してみると
『おめでとうございます。当選したました』という印刷された挨拶文とともにスープメーカーが入っていた。
その挨拶文を読んでみると、私は半年くらい前に、よく覚えていないが雑誌のプレゼントキャンペーンに応募していたらしく、それの3等が当たったらしい。それがスープメーカーだった。
さて1等
【essay】 27歳という数字の曲がり角
私はもうとっくに27歳の時期は過ぎてしまった。
過ぎてしまったから、今からあれこれ考えてもしょうがないのであるが、
講談社から出版されている『わたしたちが27歳だったころ』という本を読んでいると、自分が27歳だったころのことをどうしても思い出してしまう。
『25歳はお肌の曲がり角』という化粧品メーカーのコピーが世の中の25歳前後の女性たちをヒヤヒヤさせていた時期があったり、『29歳のクリスマス』と
映画館の隅っこで、未来をそっと夢見てた
【映画にまつわる思い出 with WOWOW 参加作品】
少し戸惑っていた。
私は映画に少し戸惑っていた。
今の私の素直にな気持ちである。
ありとあらゆる映画をテレビやスマホで見れる時代になった。
映画好きにとっては最大級の幸せな時代なのかもしれない。
しかし、子供も頃、母に連れられて行った映画館の子供さえも魅了する雰囲気が忘れられない。
重い扉を開けて中に入ると、外の世界と一線を画した世界がそ
トレルナプロジェクトのせまい裾野
何ヶ月かぶりにイオンに行った。
どうしてもイオンにしかないような日用品が必要になり、いつもの私の行動範囲とは反対方向にぶらぶらと散歩がてら歩いて行く。
一駅くらい歩くとイオンモールがある。
買い物を終えてトイレに行きたくて女子トイレの個室に入ったら、トイレットペーパーの上の方に通常のトイレにはない何やら見慣れない箱が設置されている。なんだろうと思って見つめる。
『OiTr』と表示があるその箱は女
点滴ルームへようこそ 9 (the final)
Day 9
夜中から降り出した雨が朝になっても止まない。
9日間の最後にして初めての雨。
雨も嫌いではないが、今はあまり歓迎する気にはならない。
しかも、冷たい雨。先日までの変な暖かさを一変して真冬の寒さがまたやってきた。
年に数回しか出番のないダウンジャケットを着て出かける。
「雨の日の病院は空いている」という勝手な推測をしながらスタスタ歩く。
今日でなくてもいい人はわざわざ寒い雨の日にはや
点滴ルームへようこそ 8
Day 8
10時25分病院着。
ほぼ毎日同じ時間に出動している。
点滴ルームに入るのもすっかり慣れて、もうそこで働いている人のようにスタスタ歩き入っていく。
顔見知りになった看護師さんに「今日も元気そう。そのバック可愛いね」などと同僚に話しかけるように話しかけられる。
でもあくまでも私は患者だ。次の瞬間から看護師の真剣な表情を見ながら針を刺されることになる。
ここか境目。患者と看護師の間に流れ
点滴ルームへようこそ 7
Day 7
10時25分着。いつも通り。
椅子席に誰もいない。
こんな日もあるんだなぁと思いながら窓際の席に座る。
患者数が少ないせいか、看護師さんたちも余裕があるようでにこやかに話をされている。
今日はまた違う看護師さんが担当になった。
ベテランさんだ。年齢は私と同じくらいか少し年上かなと思う。
作業を進めながら世間話を上手にされる。
「今日で7回目ですね、少しは落ち着きました?あとちょっと
点滴ルームへようこそ 6
Day 6
今日の担当は、とてもノーマルな感じの看護師さんだった。
いい意味でどこにでもいる感じの人。自意識過剰の反対のパターン。
優しさも笑顔も声のトーンもとてもノーマル。
ふと人生相談なんかをしたくなるような雰囲気がある。
落ち着く。
他の患者さんの担当で通りかかった先日のテキパキ看護師さんが私に気がついて「イトカズさん、調子はどう?あと少しだね、頑張って」と声をかけてくれる。声に張りのある