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雑記集

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雑草という名前の草はない。 雑記という名前の記事もない。
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#生き方

無限にグレイ

無限にグレイ

「多様性」、頻繁に話題に登場する単語になりましたね。一方で、ファッション的に「多様性」を扱うことは、流行への媚びのようなもの感じさせる原因にもなりかねません。

いろんな生き方があっていいという考えや価値観がより浸透することは、いろんな人に生きやすい社会づくりに貢献するだろう…と、ひとまずは思います。いっぽうで、そうした考えや価値観を吟味することなく、ただ「少数派を認めるのが時流なのだ」と鵜呑

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青沼詩郎は、詩になりたい。

青沼詩郎は、詩になりたい。

「●●になりたい」は、いろんなことを思い出しますね。

私は音楽をやっているので、「ミュージシャンになりたい」「シンガーソングライターになりたい」みたいなことをさんざん考えてきました。いえ、考えようによってはすぐにでもなれる、あるいはもうなっているというのに、まるで遠くを見て言うみたいに「なりたい」を言っているばかりで、本当に今すぐにそれになろうというのからは逃げてばかり来たんじゃないかとも思

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生き方の無人化

生き方の無人化

機械にもできるような、「考え」のいらない作業に人間の手が使われることを思うと、勝手に虚しい気持ちになることがあります。じぶんがそのバイトに応募したり従事したりしようとしている、というわけでもなければ、そのような気持ちになるのは妥当ではないかもしれないのに、勝手にそんな気持ちをじぶんの胸に起こすなんてことを、ぼくはたまにやらかすのです。それは、近い将来その作業に応募したり従事したりする人、あるいは現

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おもしろさの秘密

おもしろさの秘密

はぁ、目からうろこが落ちる思いです。

ぼくは、音楽のことに興味があります。いえ、もうすこし厳密にいいますと、じぶんが音を奏でたり歌ったりすることが好きなのです。そのことを、おもしろいと思っています。

いっぽう、ひとが発信したことで、「いいなぁ、おもしろいなぁ」と思えることがたくさんあります。そういうものと出会うと、すごくうらやましくなります。すごいと思うし、じぶんもそれくらいおもしろい

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火の中の野次馬

火の中の野次馬

情報をあつめたり、知識を得たりすることはそうむずかしいことでもないし、高度な思考や判断を要求されることも少ないでしょう。ただめぼしいとか、「これはひょっとすると」という程度のものを手当たり次第、背負った籠に放り込めば良いのです。

ウルフルズの曲に『暴れだす』というのがあります。その歌詞の中に「人のために出来ることはあっても 人のために生きることができない」という段があるのです。私は、これをよ

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赤魔道士の憂鬱

赤魔道士の憂鬱

「赤魔道士の憂鬱」という名前をつけたバンドでも組んでみようかしらと、ぼくは妄想したことがあります。

「赤魔道士」というのは、家庭用ゲーム機のゲームソフトとしてはじまり、たいへん大きなコンテンツになった「ファイナルファンタジー」というロールプレイングゲームの中にでてくる「ジョブ」のひとつです。

その「ジョブ」にはいろいろあって、格闘技に長けたジョブだとか魔法に長けたジョブだとかダメージの

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問いかけとベストセラー

問いかけとベストセラー

わからないものは売れない……のでしょうか。わからないという感想を想定していて、売れないかもしれないと思っていても、出版社がその本を出す……ということがあると聞きます。ごくひと握りのベストセラーのおかげで、たとえ売れなくても問いかける意味でいろんな本をつくって出すことができるのだ、とも聞きます。

出版社のことに僕は明るいわけではありませんが、個人の人生において、何を選び、なにをやるかということ

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このゲームに、いくら張る?

このゲームに、いくら張る?

思えば、子どもの頃って毎日が終わらないおまつりみたいなものだった。1日1日が長くて、楽しかった。それでいて、退屈な時間も長かったけれど。

そんなことに全力で時間をかけられるなんて! と、大人なら思うようなことにもたくさん夢中になった。でも、今でも僕はそうしたことに夢中になれる心を持ち続けているつもりだ。

僕には3歳の息子がいる。昨日、誕生日を迎えたばかりだ。毎日、おふざけとお遊びとお

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W.C.の奇襲

W.C.の奇襲

先の4月1日、僕は職場へ出て行って仕事をしていました。新元号の発表があるとのことで、そわそわする気持ちを表に出さないようにしつつも、時間を気にしていました。インターネットによる中継をスマートフォンに映し出して傍に置いておき、まだかまだかと発表を待ちました。定刻らしい時間をまわっても発表される気配がなかったので、これはまだしばらくじらされるかもしれないと思い、思い切ってトイレに立ったその間に発表が行

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70億人の先導者

70億人の先導者

言われたことを鵜呑みにするのでなく、じぶんの頭で考える。そして、納得したり、あるいは違和感を覚え、知識や情報を集めたり、学んだりしていく。

ヒトの行動は、水の流れによって川ができるみたいに最適化されていく。仕事を覚えていくこともそれに似ている。無駄が省かれ、必要なことが最適な順序で行えるように習熟していく。

何かの判断のために、思考を要するかもしれない。そこに、思考の道すじが出来上がる

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過程にある、わたし的あるある。

過程にある、わたし的あるある。

1分間のフロスがけは、10分間の歯みがきに匹敵する……と、僕は思っている。あるいは、それ以上かもしれない。それくらい僕はフロスピック(糸ようじ)に感謝しているし、信頼を寄せている。頭が下がる思いで鏡に向かって面を上げて、フロスがけとブラッシングに励む1日およそ3回。そんな毎日である。

僕が後回しにせずにいられていることといえば、歯みがきとフロスがけくらいなものだろうか。メシもたぶん、いっちょま

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The Circle

The Circle

個性的って言われるとうれしい。違いを認められると嬉しい。変ですね、も誉め言葉になる。おもしろい、も嬉しい。訊かれたほうは、そうなんだよ、わたしはヨソとはこんな風に違うんだ、などと気持ち良くなってしゃべってしまうかもしれない。聞き方が上手な人は、そうした話を、引き出し、引き出す。

一般的にはこうだろう、みたいな型を決めつけて、じぶんはそれとは一味違う、というようなことを誇りにしてしまいがちな僕

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美しい家具

美しい家具

焚き火をする。服に匂いがつく。だから、匂いがついたり、すすがついたり、汚れたりしても構わない服をあらかじめ用意して、すっぽり服の上からかぶって焚き火をする。煮炊きなどもする。

履き慣れた靴がある。着慣れた服がある。どちらも、履き慣れすぎて、着慣れすぎて、つかれている。靴は底がすり減って、靴底自体が剥がれかかっている。中敷きも擦り切れて下の素材が見えている。服も、色落ちしきっていてよれよれで、

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那須は霧

那須は霧

気持ちとは裏腹なことをすることがある。全然「いいよ」だなんて思っていないのに「いいよ」と言ってしまうとか、やりたくもないことを習慣づけてしまって肩で息をしながらやるとかいうようなことである。

好きでなくとも、合理性をとる選択の仕方がある。

納得さえいけば、気持ちに従っていない場合もあるかもしれない。ただ、僕は多くの場合、結局おのれの気持ちに従った決定に対して、(場合によっては無理矢理に

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