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雑記集

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雑草という名前の草はない。 雑記という名前の記事もない。
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2019年5月の記事一覧

ゲストでホスト

ゲストでホスト

余裕がないと、笑顔が消えてしまいがちになります。済んでいない仕事も溜まっていけば、プレッシャーになります。ひとつひとつの仕事がやっつけになり、雑になり、質が劣化し、悪ければさらに余計な仕事を増やすこともありえます。

キツイ仕事というのはなかなかどうしても、この世から消えることがないようです。誰かがやらなきゃいけないことを、誰かがやっているのです。

一方で、キツイ・ツライ・ツマラナイと思

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Rakkan

Rakkan

災害が起きたとする。僕は運良く逃げのびることができたとする。お気に入りのあれも、楽しみにしているそれも、ぜんぶ置いて逃げてきたとする。

運良く僕は家族と一緒に逃げのびることができたとする。僕の息子はまだ小さい。彼は家ではいつも何かしらのおもちゃで遊んでいるが、そういったものたちもすべて置いて、逃げてきたとする。命あってのおもちゃだ、仕方ないとする。

逃げのびて、非常時のくらしが始まると

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問いかけとベストセラー

問いかけとベストセラー

わからないものは売れない……のでしょうか。わからないという感想を想定していて、売れないかもしれないと思っていても、出版社がその本を出す……ということがあると聞きます。ごくひと握りのベストセラーのおかげで、たとえ売れなくても問いかける意味でいろんな本をつくって出すことができるのだ、とも聞きます。

出版社のことに僕は明るいわけではありませんが、個人の人生において、何を選び、なにをやるかということ

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レコーディングとライブ

レコーディングとライブ

「どんぐりころころどんぐりこ♪おいけにはまってさあたいへん♪」

間違いに気づきましたか? 正しくは「どんぐりころころ〈どんぶりこ〉♪」だそうです。僕は気づきませんでした。確かに正しいのは「どんぶりこ」だといわれてみると、「どんぐり」と「どんぶり」の押韻に作詞者の妙技が込められており、そちらの方が味わい深いと思えなくもありません。ただ、案外、作詞者には間違って覚えられたことによるとらえ違いなん

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フィクションのおかしみ

フィクションのおかしみ

『ドラゴンボール』という世界的に有名な日本の漫画がある。僕も子どもの頃に読んだ作品だ。

それから10年も20年も経って、あっという間に僕は大人になってしまった。この間に、ドラゴンボールについて振り返る機会はこれといってなかった。何気ない会話の話題になることはあったが、内容について吟味したり深く分析したりすることはなかった。

ところが先日、僕があるライブハウスに出演したときのことだった。

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かゆくさせない蚊は死に絶えたのか?

かゆくさせない蚊は死に絶えたのか?

「……また、虫が飛んでる……今日何度か目にしているけれどあれはそう、蚊じゃないか!」ということで、ほどよい田舎指数を持つ西東京という地域に住む私は、今年になってすでにもう蚊を認知しております。

蚊に刺されることに付随して生じるもろもろの不快感を、ほとんどの人が知っているでしょう。蜂に刺されたことがない人はたまにいるかもしれませんが、蚊ともなればその煩わしさは共感のネタにもなります。

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でっちあげの空元気

でっちあげの空元気

食事をしたら、汚れたお皿が生み出される。おいしく食べれば食べるほど、かつてきれいに盛りつけをほどこされていたはずのお皿が積み重なる。おなながいっぱいになって、おしりが椅子の座面に吸い付いたようになる。もうここで腰を上げるのは無理です、となる。お皿は積み上がったままである。

何か盛大な催し物を開いたとする。みんなで盛り上がった。おまつりわっしょい、である。楽しかった。疲れたし、もう眠いねなどと

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後見の明?

後見の明?

5月の連休に突入してすぐの頃、新しげな万葉集の本を書店で見かけた。店に入って正面、いちばんあらゆるお客さんの目に触れるであろう場所に置かれていた。写真がページ毎に必ず入っていて、現代的な意訳や解釈が添えられた美しい装丁の本だった。好きな時にゆっくり見てみたいと思って衝動買いするところだったけれど、店に入ってきたばかりだったし、他にもいろいろと見てから決めることにした。結局そのときは他の本を買うこと

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現実のバッターボックス

現実のバッターボックス

僕は、曲を書いて演奏や歌唱をする活動をしています。ですので、いい曲を書き続けていくことを、おのれの命題のように思っているところがあります。いい曲が書けたときのことを必死で分析し、そのときの状況や手順を意図的に再現すれば、またいい曲がかけるはず、などと思いがちなのですが、その再現を試みて再びいい曲を書けたためしがありません。いい曲を書けたときは、いつも、運が良かっただけだとか、たまたまだとか偶然だと

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武器と資本

武器と資本

僕はいま、33歳です。これまで曲をつくる活動を自主的にしてきました。10代や20代のときにつくった曲があります。それらはどれも、そのときにしか書けない曲だったなと思います。同様に、今の僕には今の僕にしか書けない曲があるわけです。

体力があったら、体力を活かしたパフォーマンスをするでしょう。技術に不安があっても、それをカバーできる体力です。若い人がとりやすい戦略といえるかもしれません。逆に、経

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起床転尻

起床転尻

格闘技のテレビ放送なんかを、むかし実家でよく観た。大晦日に「K-1」を放送するのが恒例だった時期が僕の10代の頃にあった。ボブ・サップを日本で有名にしたのが、その放送だった。夢中になって観たものだ。

ピークは、下降のはじまりでもある。どんな最強の格闘技の選手も、かならずその強さは衰える。まだまだ強くなるとき、そこはまだピークではない。

僕は楽器の演奏や歌唱をする。今日はどうしたんだろう

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bandshijinについて

bandshijinについて

ぼくは、あるバンドを主宰している。バンドとはいえ、舵取りはほぼぼく1人でやっている、ソロ名義のバンドなのだ。だから、ぼくがやりたいことを言い出さなければ、基本的にバンドは動かない。

一緒に演奏してくれるメンバーはいつも同じなので、ソロ名義のバンドとしては、メンバーの流動性は低い。だからなんだというわけでもないのだけれど、ときおりメンバーが出演の話を持ってくることもある。

練習のときは、

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Are We おひとりさま?

Are We おひとりさま?

「おひとりさま」が、得意である。僕が持つ楽しみや愉悦の大部分が、ひとりでやるもので占められている。友達がいないという自認はないが、友達が多いというほどの自認もない。

おひとりさまを想定して供給されているサービスがけっこうあるみたいだ。焼肉とか、カラオケとかが思い浮かぶ。あまり近年まで、おひとりさまでの利用を想定されてこなかった分野のサービスである。でも、近年の時代背景を参照して考えてみれば、

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