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『灼熱のパイナップル』。障害者のアートを、夏季限定のお酒のラベルに使用。in埼玉県

こんにちは、翼祈(たすき)です。
私はお酒を飲まないのですが、今はいない祖父が祖母と、母の弟、私の叔父さんと三人で私の家に来た時、「叔父さんが運転するし、祖父のためにお酒を買って来るか」と思って買いに行って、お店の人に「どこにありますか?」と聞くと、「お好きな度数は何ですか?」と言われ、「度数?知らない…」と思って、オススメのお酒の一升瓶を買って帰りました。

「これが良いと思いますよ」と言われたものの種類が多く、「どれが良いか分からない」と思いながら、買って帰ると、思いのほか、時間がかかっていて、帰宅すると、三人は帰る準備をしていました。

お酒を「家で飲むよ」と言われて、祖父は家まで持って帰りました。

私が話したことないお酒のエピソードはそんな感じですが、ここでは障害者アートをお酒のラベルに使った、埼玉県のエピソードとなります。

埼玉県川越市仲町にある日本酒の蔵元「小江戸鏡山酒造」が、障害者が描いたアートをボトルラベルにした、パイナップルフレーバーの夏季限定の酒の販売を、2024年4月27日から開始しました。障害を抱えている川越市内に住む画家・古川舜一さんが描いたアート作品を採用しました。日本酒の売り上げの一部は古川さんの収入に充てられます。

障害者の作品をベースに新しい商品を生み出す【リアート】と呼ばれる活動の第1弾です。

商品名は『鏡山純米大吟醸生酒 灼熱のパイナップル』。緑色や黄色を基調にした鮮やかなパイナップルの絵が、瑠璃色の瓶を彩っています。特別な酵母によりパイナップルの様な香りがするのが特徴で、冷やすと夏にピッタリな商品です。

「小江戸鏡山酒造」の専務取締役代表の男性は、「お酒を購入して下さった多くの人に、障害者アートの存在を知って頂き、支援の輪が拡大すれば」と述べています。

今回は、『鏡山純米大吟醸生酒 灼熱(しゃくねつ)のパイナップル』がコラボされた経緯などについて、説明します。

『鏡山純米大吟醸生酒 灼熱のパイナップル』が、誕生したエピソード

画像・引用:鏡山 オンラインショップ

『鏡山純米大吟醸生酒 灼熱のパイナップル』は、障害者アーティスト・古川さんの原画を採用した第1弾のお酒となります。

ボトルラベルにアートを取り入れたのは、アートを通して障害者の就労の待遇改善を目的とする、障害者アートの支援団体【川越リアートプロジェクト】が2023年に開催したイベントがきっかけだったといいます。

フランスのワインの製造を行う生産者の[5大シャトー]の1つ[ムートンロートシルト]が、著名画家のラベルのワインを毎年販売していることを参考に、参加した「小江戸鏡山酒造」の専務取締役代表の男性が、古川さんの色彩豊かな《 灼熱のパイナップル》を見て、「うちの日本酒にぴったりだ」とお酒のボトルラベル化を打診し、作品を日本酒ラベルにしたいという想いから企画されました。

《灼熱のパイナップル》は、大きなパイナップルが強いタッチで描かれ、赤い背景に映えるアート作品となっています。重度の知的障害と自閉症を抱えている古川さんは、色彩豊かな作風を得意とし、全国公募展で2度の入賞歴を持ちます。普段は、魚や果物などをアクリル絵の具などで描き、腕を磨いています。

《灼熱のパイナップル》は2023年秋から2024年春にかけて描いた、古川さんの自慢の1枚です。

「小江戸鏡山酒造」の専務取締役代表の男性は、2023年秋、描きかけの絵を見て直感しました。アート作品をラベルにしている海外のワインメーカーをマネしたい、という想いも以前から抱いていました。

「小江戸鏡山酒造」の専務取締役代表の男性は、「障害者アートを通じて『川越リアートプロジェクト』を応援すると同時に、川越から酒業界に留まらない色んな業種とのコラボが浸透して頂きたいです」と説明しました。

参考:日本酒ラベルに障害者アート 川越の酒造会社が販売…地元画家・古川さん 読売新聞(2024年)

『鏡山純米大吟醸生酒 灼熱のパイナップル』のボトル裏面のラベルには、QRコードが印刷されていて、スマホで読み込めば、古川さんが今まで手がけた作品を見ることができる様に工夫を凝らしました。「小江戸鏡山酒造」は2024年以降も、古川さんの作品を日本酒のボトルラベルに採用する予定です。

『鏡山純米大吟醸生酒』は、「小江戸鏡山酒造」のWEBサイトや、小江戸蔵里や鏡山特約店、河越酒店など市内外の酒屋などおよそ30店舗で販売しています。およそ300本限定の1.8リットル瓶が1本税込み3960円、およそ1200本限定の720ミリ・リットル瓶が1本税込み1980円です。

障害者アートの可能性

障害者アートは無限の可能性を秘めています。私は余り記事を書いた数は少ないですが、障害者アートに特化した記事や、アートレンタル、2022年にローソンのトイレで期間限定で掲示された、佐賀県の障害者アーティストの絵などを、所属する会社のサイトで書きました。

最近で言うと、ヘラルボニーさんという障害者アーティスト集団の絵が世界的に認められ、賞を獲ったりするなど、底知れぬ凄さを世界に向けて、発信し続けています。

以前より障害者アートの絵を使いたいという企業も増えましたし、ヘラルボニーさんの様な先駆者が先頭を走っていることで、受け入れやすいものになったのだと思います。

時々障害者アーティストの個展の話を耳にしますが、お酒という今までその存在を知らなかった人をターゲットにし、知って頂けるものに活用されたことは、大変喜ばしいです。

来年以降もこのコラボは続くらしいので、お互いに今後も良い関係性が続く様に、遠くから応援しています。

参考サイト

https://www.instagram.com/koedokagamiyama?igsh=azRsYjFtMHFmbGs=


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