#26 「地域振興」と「産業振興」
今まで「地域振興」って?を見てきましたが、「産業振興」という言葉と一緒に考えていきたいと思います。
私も言葉としては知っていますし、読んで字の通り、皆さんもだいたい意味は分かるかと思います。それぞれ、辞書的な意味や、定義や解釈・例を紹介している記事は色々あります。検索してみてください。
ここでは、この「地域振興」と「産業振興」の定義を、以下のように捉えたいと思います。
★「地域おこし協力隊」の取り組みが、
→経済的な利益を生む、
経済的な利益を生む仕組みづくりにつながる
=産業振興色が強い
★「地域おこし協力隊」の取り組みが、
→経済的な利益を生まない、
経済的な利益には、あまり/すぐにはつながらない
=地域振興色が強い
例えば、「地域おこし協力隊」に、地域で起業・ビジネス・特産品開発などを期待する、地域の経済効果を上げること等を期待する。これは、産業振興色が強いかと思います。
例えば、「地域おこし協力隊」に、地域の魅力を引き出したり、創出したり、発信したり、地域の方にいいねこのまち、と思ってもらえるような活動等を期待する、これは、地域振興色が強いかと思います。
つまり、「地域おこし協力隊」の取り組みに、
どこまで、経済的利益が生まれるのを期待しますか、ということ。
これは、本当に本当に、ミッション(活動内容)次第です。
市役所職員的な働き、個人的なビジネスにするのを目指していない公共サービスとしての空き家対策・移住支援や、NPO設立等、ミッションそのものにしっかりと公共性があるものであれば、あまりこの視点で悩むことはないかもしれません。また、起業・創業・事業継承、ビジネスありきのミッションであれば、これもこの視点で悩むことはないと思います。
困るのは、どっちにも行けそうなミッションです。
さらに困るのは、どっちにも行けそうなミッションで、
結局、期待されているのは経済的利益を上げること、という場合です。
ここで、誤解のないようにお伝えしたいのは、
経済的利益をあげるのが悪い、ということではありません。私は、どんな活動でも完全無償ボランティアで成り立つのは、長い目で見て、難しいと思っています。
お伝えしたいのは、
産業振興色が強いなと思ったミッションを達成する方法・手段と、
地域振興色が強いなと思ったミッションを達成する方法・手段は、
違うのではないか、ということです。
アプローチが違う、ということです。
現場レベルで考えると、
地域振興よりでミッションを捉えている「地域おこし協力隊」が、○○します!〇〇に取り組みます!○○の案はどうですか?といった場合に、ミッションを産業振興よりで捉えている人にとっては、『それしてどうなるの?』となる可能性があります。
反対もしかりで、産業振興よりでミッションを捉えている「地域おこし協力隊」が、△△します!△△のアイディアはどうですか?といった場合に、ミッションを地域振興よりで捉えている人にとっては、『いや、それよりさ、こっちのが大事じゃん?』となる可能性があります。
困るのは、このズレです。しんどいのも、このズレです。
会話が嚙み合わなーい、交わらなーい、伝わらなーい。
「地域おこし協力隊」も人です。ミッション(活動内容)を見て、自分がイメージできること、つまり、自分の得意不得意を瞬時に察知し、自分が取り組めそうなこと、地域のためにもなり、自分がやってみたいことを実現していこうとします。
その協力隊なりの「やってみよう」「これどうですか」が相手に伝わらないのは、なかなか悲しいです。
私が一番困って、悩んだのはここでした。うまくできませんでした。
ん?なんだなんだ?おやおや?伝わらないぞ?と、違和感やもやもやが言語化できず、皆「地域振興」「地域のため」って言うし、何だか皆正しいんだけど、そ、それもそうなんだけど、何かが、何かがずれている。
さらには、ここに「それぞれの思う協力隊」像などなどが絡み合うので、やはり、一筋縄ではいかなかったなぁ。
私は、このような考え方の背景を知り、自分の中ではすっきりしましたが、もう一難局ありました(笑)。
そして、その周りの皆様とはどうなったかって?
一線引いてます(笑)。
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