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「平成美術」展の鑑賞と勉強会
先日、京セラ美術館で行われた「平成美術 泡沫と瓦礫 1989−2019」を観覧し、ラボ仲間との勉強会にて取り上げた。
この展覧会はタイトル通り、平成史に照らし合わせながら日本における様々なアーティスト・作品を取り上げており、私(現代アートをきちんと知ることもなく大学院に入った)にとって初見の作品や情報に溢れた魅力的な展覧会であった。それと同時に仲間との考察を通し、現代アートの「アーカイブ」問題
私がアートを学ぶと言うこと
今日、2年間の修士課程をなんとか修了し、学位を得ることができた。
入学当時デュシャンさえ知らなかった自分にとって奇跡のような話である。こんな私を導いてくれた後藤繁雄教授をはじめとするラボの皆さんには感謝しかない。
その後、教授たちや学友とこれからのことを話していると夢見心地で心踊る自分がいた。大学院での学びは終わったが、ここから続く未来へ進み始めた実感の方が強く、生涯の学びの場を得たことに改めて
大山エンリコイサム「SPRAY LIKE THERE IS NO TOMORROW」
新型コロナウィルスの影響で会期が伸び続けていた大山エンリコイサムの展示に行った。藤沢アートスペースで行われた展示タイトルは「 SPRAY LIKE THERE IS NO TOMORROW」
会期前から公開された制作動画などを視聴し、今年もっとも楽しみにしていた展示だった。(当初は製作を観覧できる予定だったのでこの点はとても残念だ。)
藤沢アートスペースのある辻堂駅に降り立ったのは午後2時
アルターワールドへの接続
■「ドローイングの可能性」展 戸谷茂雄 「視線体一散」
この作品は、室内に作られた空間を隔てる3面の壁の内側に配されている。その外壁には戸谷のドローイングのコンセプトを表す空間への眼差しを可視化した彫刻作品を配し、内側はその眼差しの「構造の結実」と表現する作品が配された。この作品は中央に刻印された立方体の木があり、その周辺の壁にはそこから出たように見える木片が一面にはりつけられている。
戸谷は
リニア化した人の権利への違和感
新型コロナの発生から時間の経過とともに人権や生命の権利に関するニュースを目にするようになった。アメリカでは若者から新型コロナの要因は「Boomer」による環境破壊の末に生まれたものだとし、高齢者の高死亡率から新型コロナを「Boomer Remover(高齢者を除去する装置)」と呼ぶべきだという声があがり、ヨーロッパでは医療倫理ガイドライン(SAMW, Covid-19-Pandemie, 202
もっとみる大山エンリコイサム「ストリートの美術」
この書籍は大山エンリコイサムがこれまで様々な媒体に記した論考(初出2009年〜現在)をまとめたものである。ライティング(グラフィティ)をはじめとするストリートアートを中心に歴史・概念・構造的な点から考察し、大山なりの今後の日本社会への提言を含め記されている。
まずは率直な感想をここに記したい。圧巻であった。おそらく日本国内(海外のことは不明なので)においてストリートアートをここまで多角的な視