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読書より

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もっとも苦手だった読書。ひたすら読み、修行のごとく解読した。読んだことを忘れ、いまだ振り返り読書をしています。ただ、その読書は二度と忘れない「ボクだけの図書」として、生涯のアーカ…
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#随筆

人間力の総和による五重塔

人間力の総和による五重塔

 ご存知、文豪露伴の代表作。風采のあがらない主人公:のっそりの生涯の唯一の傑作:五重塔完成までのお話である。

 作中、のっそりの執念、棟梁のあり方、奥様の役割、また詳細に現れない腕自慢の職人達が生き生きと描かれ、「。」が三ページに一個くらいしかない読みにくい文体も気にならず、一気に読み終わりました。
 中でも、カリスマの如く君臨する大僧正のあり方には感動した。終盤、天災に打ち勝ったのは、まさに彼

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短すぎた愛のお話

短すぎた愛のお話

「武器よさらば」は、恋愛小説です。
 ヘンリーとキャサリンとの清く、そして短すぎた愛のお話です。さらに、身ごもった新しい命まで失う。

 後半、スイスに向かう湖上での二人の件には共鳴しました。なれないオールを必死に漕ぐ姿は、所帯を持ちたての自分の心境に、相似していた。まさに、「おれが、こいつを幸せにする。」という決意にほかならない。 
 また、健気なキャサリンの存在は、私の細君の存在にダブる。ちょ

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ボクだけの図書館 

ボクだけの図書館 

蔵書は少ないが、災害にはあわない

 ボクが読書を始めたのは19歳の頃からだ。一時間半かけての予備校通いの時間を使ってスタートした。能力の低いボクは、かけ算7の段で躓くように、読書は後戻りしながらしかできなかった。今もそうだ。だから、一時間で30ページしか読めない。

 とは言え。その頃、知り合った才女との差を埋めるのは読書しかないと思った。その才女と一緒になることはできたが、なんらアカデミックの

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note投稿とKindle出版

note投稿とKindle出版

 2021年2月に、Kindleで青春小説を出版した。題名は、「青春の絆」だ。無料キャンペーンも含め、数百冊が世に出た。また、縦書きから横書きへ、改行を見直し、9月に「青春の絆 リニューアル版」を出版した。価格は298円から198円に。
 そもそも、ボクは小説を出版することが大きな夢だった。退職金の一部でその費用を工面する予定だった。最低出版数でも、50万円ぐらいかかると思っていた。作品は、ほぼ出

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趣味の変遷

趣味の変遷

ボクは、いろいろな趣味を経験した。

ボクは意外にいろいろな趣味を経験している。

剣道。小学三年から高校卒業まで習った。ある理由で、止めた。高校三年時に流派の三段までとなった。誰よりも上達が遅かった。しかし、練習以外も道場に通い師匠に稽古をつけてもらった。気がつくと仲間はやめて、ボクが師匠代理で後輩を指導をした。

陸上競技。足の速いことに憧れた。これも、小学三年の頃だった。父に相談した。父は協

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新書の在り方・読まれ方

新書の在り方・読まれ方

この記事は、著作の内容についてまとめたのではない。新書の在り方・読まれ方についてまとめてみた。

20世紀までの新書

 1979年、浪人を終えた。進んだ学部は社会学部だった。社会の先生になれると思いこの学部に入学した方が多かった。しかし、実際は違う。社会という曖昧な概念を定義して、その各論として"〜社会学"を学ぶところであった。ただ、社会の先生になる方は多かった。ボクは、社会福祉系を勉強したくて

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城崎にて、串ネズミ話

城崎にて、串ネズミ話

 今年は、城崎温泉に行く予定だった。そんな年を、何回過ごしたかわからない。二桁はある。ところが、今年9月に行くことになった。姫路城→有馬温泉→城崎温泉→伊根の舟屋→天橋立。ボクにとってはゴールデン・コース。すてに、家内がツーリズムに申し込んでくれた。(8月は、息子が石垣島へ招待してくれている🛳️)

 なんで城崎温泉に行きたいかというと、志賀直哉作「城崎にて」が好きだからです。主人公は交通事故の

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有料記事マガジン覚書

有料記事マガジン覚書

社会貢献活動を目的に、有料マガジンを立ち上げたことについて書きます。

 ボクは学生時代に障害児教育について勉強しました。はなはだ大袈裟になりますが、子どもが「等しく教育を受ける権利」についてというテーマでした。1979年「養護学校の義務化」が施行された。ボクらは、そのことについて仲間と話し合った。また、その実戦として地域活動や介護ボランティア活動をしました。1981年が「国際障害者年」でしたので

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読書の仕方

読書の仕方

 ボクなりの「読書の仕方」を整理します。この考え方は、内田義彦「読書と社会科学」から学びました。

1、情報としての読書

 著名人などの書籍、とりわけエッセイ集は情報として読まれている。かつては「蒼い時」「安全地帯」「なんとなくクリスタル」などが大ヒットをした。さて、作者は。ボクは覚えてます。
 これらの作品は、近代文学や現代小説を継承した物でない。文字を使って、知りたい情報を得るため本を読んだ

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余録と諏訪正人先生

余録と諏訪正人先生

 余録は毎日新聞朝刊1面の看板コラムです。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に評論する記事です。

 ボクは1980年頃から読み始めました。朝日新聞の天声人語にあたいする記事だ。予備校のとき、さんざテキストとなった天声人語と別れをつげた。また朝日新聞や読売新聞が世相の中心であったのにことへの若干の反発から毎日新聞に変えた。

 1面や3面記事は、概ねNHKのニュースで把握した。それへの

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📖に戻りました。かわせみ💎

📖に戻りました。かわせみ💎

 かわせみ✍️改め、かわせみ💎としてnoteに励みます。あらためて、よろしくお願いします。

 約半年間、こらむ🧢とエッセイ✍️に取り組みました。多くのテーマや考え方に触れることが出来ました。ほほ、毎日投稿をしてきました。

 おかげさまで、書くトレーニングは出来ました。しかし、続ける義務感に思考が固着していることに気がつきました。悪い意味で、"読まれたい"という意識が先行していることに気がつ

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