興梠泰明 / ist

ist 「自然とともにある」を理念に、自然の中で普段の暮らしを営める場所を創出します。…

興梠泰明 / ist

ist 「自然とともにある」を理念に、自然の中で普段の暮らしを営める場所を創出します。 ist - Aokinodaira https://www.instagram.com/ist_aokinodaira/

記事一覧

山を歩きながら、今年について

波がある日は海へ、シーズン中は渓流へ、どちらでもない時は山へ。 今日はどちらでもない日だからistから車を10分走らせたところにある登山口へ向かう。 ひとりで山を歩く…

興梠泰明 / ist
4か月前
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私たちが、自然とともにあるために

黄や赤に色づいた葉たちが落ち、緑は落ち葉に覆い被さり、八ヶ岳は冠雪を終え、一年を通して最も長い冬を迎えた。季節の移り変わりは決まった時期に訪れるが、その当たり前…

興梠泰明 / ist
4か月前
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流れをとりこむ

2019.06.09に書いた記事を転載した内容となります。 ----------------------------------------------- 雲が空一面を覆い、雨がしとしと降り続ける、心なしか気持的にも…

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1,000km離れた場所へ

船の警笛が鳴り響き、黒い排煙と共に出発したのは東京から1,000km離れた位置にある島。 東京の竹芝から出発した船は工場地帯を進み、大海原 太平洋へ出た。 小笠原諸島に…

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自然のなかで暮らしを営む

ひぐらしの鳴き声が聞こえなくなり、夏の終わりに後ろ髪を引っ張られている頃、畑がある少し先の方からまた違った虫の鳴き声が聞こえてくるようになった。 鈴虫だ。 谷あ…

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谷あいに暮らす

春の訪れを感じる東京から、まだまだ冬の厳しい寒さが残る長野に越してきたのはちょうど二ヶ月前の頃。 当時はまだ氷点下を下回る気温が続き、蛇口から氷柱が顔を覗かせる…

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八ヶ岳の麓で、自然とつながるキャンプ場を

木々に小さな生命が宿り、緑が芽吹き始めた。 春の訪れを喜ぶように小鳥たちが大合唱している。 少しだけ冬の名残を纏った風も心地いい。 表情を変え続ける緑や、空気中に…

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耐え凌ぎ、磨く。そんな2020。

家柄、年の初めに「お屠蘇(おとそ)」を飲み一年の豊富を家族に発表するという代々家系に伝わる由緒ある風習があった。 「お屠蘇というのは日本酒やみりんで生薬を漬け込…

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走り続けること

今日は12月25日、世間がクリスマスモード一色になり幸せな気持ちに包まれる時。 街を歩いてるとどこかしらから聴こえるクリスマスソング、スーパーにはいつもより多く陳列…

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Vol.4 カンボジアから帰ってきて。

カンボジアへの出向記録 Vol.1はこちら カンボジアへの出向記録 Vol.2はこちら カンボジアへの出向記録 Vol.3はこちら カンボジア出向記録の最終篇Vol.4ではカンボジア…

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カンボジアへの出向記録 Vol.3

カンボジアへの出向記録 Vol.1はこちら カンボジアへの出向記録 Vol.2はこちら 2018年11月の記事 タイトル「Our story has just started」 今年の1月29日、Backpackers…

カンボジアへの出向記録 Vol.2

カンボジアへの出向記録 Vol.1はこちら 2018年7月の記事 タイトル 「Welcome to my friends」 最近の朝ご飯はもっぱらローカルフード フライドライスや白ご飯の上に焼いた…

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カンボジアへの出向記録 Vol.1

遡ること約2年前、僕はBackpackers' Japanの出向でカンボジアでの海外ホテル事業の立ち上げで現地へ派遣されました。 (※正確に言うとBackpackers' Japanの直営ホテルでは…

キャンプの位置付け

第一次オートキャンプブームといわれる、90年代。 近年、アウトドアレジャーを楽しむ人が増え続けているが、90年代のキャンプ人口は今の2倍もあったと言われている。 当時…

7

手間隙かける楽しさ

都内から車を走らせ、建物に囲まれた場所から山々に囲まれた場所へと移動すること約1時間。 キャンプ場に到着した。 滝があり、川が流れ、山に囲まれた申し分ないロケー…

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過去・現在の一本の柱

約3年前に書いた記事を引用して、この文の末尾に「いまの言葉」を新たに付け加えます。 では、3年前の熱々の文章をどうぞ。 --------------------------------------- …

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山を歩きながら、今年について

山を歩きながら、今年について

波がある日は海へ、シーズン中は渓流へ、どちらでもない時は山へ。
今日はどちらでもない日だからistから車を10分走らせたところにある登山口へ向かう。

ひとりで山を歩くと早歩きになりがちだけど、今日はゆっくり歩くことを意識しながら今年の総括と来年の目標を考えることにした。

この記事は2023年に立てた目標について、ひとつひとつ振り返っていこうと思う。

あ!そういえば前回、ちょっとばかり長い記事

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私たちが、自然とともにあるために

私たちが、自然とともにあるために

黄や赤に色づいた葉たちが落ち、緑は落ち葉に覆い被さり、八ヶ岳は冠雪を終え、一年を通して最も長い冬を迎えた。季節の移り変わりは決まった時期に訪れるが、その当たり前の変わり映えにいつも心が満たされる。八ヶ岳の麓で暮らし始めて早くも3年が経過したけれど、山も川も移ろいゆく景色を見ても飽きはこない。

「いつもの景色だから夕日を見ても感動しなくなった。」

昨年の冬にロードトリップで九州地方まで行き、旅先

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流れをとりこむ

流れをとりこむ

2019.06.09に書いた記事を転載した内容となります。

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雲が空一面を覆い、雨がしとしと降り続ける、心なしか気持的にも少し落ちる、そんな梅雨の時期に入った。
雨が嫌いという人もいれば、好きという人もいる。

僕も晴れか雨かどちらが好きかと聞かれると無論「晴れ」と答えるし、きっとそう答える人も多いの

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1,000km離れた場所へ

1,000km離れた場所へ

船の警笛が鳴り響き、黒い排煙と共に出発したのは東京から1,000km離れた位置にある島。

東京の竹芝から出発した船は工場地帯を進み、大海原 太平洋へ出た。
小笠原諸島に近づくに連れ、海の色も濁った色から深い青へと徐々に色が変わっていた。

インターネットはと言うと、竹芝を出発した3時間後ぐらいから圏外になり小笠原諸島 父島に到着する30分前ぐらいにやっと電波が入り始めた。

24時間の内、電波が

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自然のなかで暮らしを営む

自然のなかで暮らしを営む

ひぐらしの鳴き声が聞こえなくなり、夏の終わりに後ろ髪を引っ張られている頃、畑がある少し先の方からまた違った虫の鳴き声が聞こえてくるようになった。

鈴虫だ。

谷あいを吹き抜ける心地いい風も、どこか冷たさを纏うようになった。
木々に付く緑の葉っぱたちも、一部では色づきはじめ、一部では落葉をはじめている気がする。

また季節が移り変わる。
秋の訪れ。

高原の夏は1ヶ月も経たないうちに、次の季節に移

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谷あいに暮らす

谷あいに暮らす

春の訪れを感じる東京から、まだまだ冬の厳しい寒さが残る長野に越してきたのはちょうど二ヶ月前の頃。
当時はまだ氷点下を下回る気温が続き、蛇口から氷柱が顔を覗かせる日もあった。
谷あいに位置する影響なのか、電波は弱く、建物の中や屋根の下に入ると圏外になることもしばしば。
周囲には人が暮らしている民家はなく、あるのは広大なレタス畑と高原を走る小海線、そして日本海へ続く千曲川の源流。

そんな都市の生活と

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八ヶ岳の麓で、自然とつながるキャンプ場を

八ヶ岳の麓で、自然とつながるキャンプ場を

木々に小さな生命が宿り、緑が芽吹き始めた。
春の訪れを喜ぶように小鳥たちが大合唱している。
少しだけ冬の名残を纏った風も心地いい。
表情を変え続ける緑や、空気中に漂う香りから季節の移り変わりがわかる、新緑の季節。
春がきた。

季節の移り変わりと同じように自分の環境もまた移り変わろうとする。
今回は、そんな話を。

こんにちは。Backpackers' Japan(以下、BJ)の興梠です。
僕が所

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耐え凌ぎ、磨く。そんな2020。

耐え凌ぎ、磨く。そんな2020。

家柄、年の初めに「お屠蘇(おとそ)」を飲み一年の豊富を家族に発表するという代々家系に伝わる由緒ある風習があった。
「お屠蘇というのは日本酒やみりんで生薬を漬け込んだ薬用酒の一種」
邪気を払い無病長寿を祈り心身共に改まろうという願いを込めて飲むお正月ならではのお酒。

子どもの頃は見様見真似で飲みたくもない日本酒に口付け、一年の豊富を家族の前で発表するという苦手な行事だったことを思い出した。

きっ

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走り続けること

走り続けること

今日は12月25日、世間がクリスマスモード一色になり幸せな気持ちに包まれる時。
街を歩いてるとどこかしらから聴こえるクリスマスソング、スーパーにはいつもより多く陳列されているケーキやチキンにスパークリングワイン。
いつもはせっせと買い物してる主婦やサラリーマンの背中から温かいオーラを感じるのは僕だけだろうか。みんながいつもより少し幸福感に包まれている感じ。1年中続けば良いのに、とか思ってしまう。

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Vol.4 カンボジアから帰ってきて。

Vol.4 カンボジアから帰ってきて。

カンボジアへの出向記録 Vol.1はこちら

カンボジアへの出向記録 Vol.2はこちら

カンボジアへの出向記録 Vol.3はこちら

カンボジア出向記録の最終篇Vol.4ではカンボジア任期中に書けなかったこと、そして帰国したからこそ思うことなどを帰国後に書いた記事になります。

2019年5月の記事
タイトル 「着任して1ヶ月後に」

カンボジアに着任したのは去年3月末の話。
元々あるホテル2

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カンボジアへの出向記録 Vol.3

カンボジアへの出向記録 Vol.3

カンボジアへの出向記録 Vol.1はこちら

カンボジアへの出向記録 Vol.2はこちら

2018年11月の記事
タイトル「Our story has just started」

今年の1月29日、Backpackers’ Japanのボス・ヒロさんから1本の電話がかかってきた。
「決めた!ジョン、カンボジア行ってこい!!」

去年12月、たまたまCitanでヒロさんと飲む機会があり当時の心境

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カンボジアへの出向記録 Vol.2

カンボジアへの出向記録 Vol.2

カンボジアへの出向記録 Vol.1はこちら

2018年7月の記事
タイトル 「Welcome to my friends」
最近の朝ご飯はもっぱらローカルフード
フライドライスや白ご飯の上に焼いた豚と半熟卵、フライドヌードルに
野菜たっぷりスープヌードル、どれも$1以下で食べられる。

肝心な味はというと、日本人好みの味付けで申し分無い。
毎日のようにホテルの前に来る屋台のおばちゃんにはすっかり

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カンボジアへの出向記録 Vol.1

カンボジアへの出向記録 Vol.1

遡ること約2年前、僕はBackpackers' Japanの出向でカンボジアでの海外ホテル事業の立ち上げで現地へ派遣されました。
(※正確に言うとBackpackers' Japanの直営ホテルではなく、ホテル事業の運営を行っている別会社にBJから人材を派遣した形です。)

当時もブログを通して現地の活動内容を発信していましたが、その媒体からnoteに移行したため当時の記事をこちらに反映します。

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キャンプの位置付け

キャンプの位置付け

第一次オートキャンプブームといわれる、90年代。
近年、アウトドアレジャーを楽しむ人が増え続けているが、90年代のキャンプ人口は今の2倍もあったと言われている。

当時、父親の影響で物心がついた時から家族でキャンプに行くことが多々あった。

そんな子どもの頃、毎年訪れていたキャンプ場があった。
そのキャンプ場にはアミューズメントパークが併設していて、屋外に大規模のプールがあった。
毎年、夏になれば

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手間隙かける楽しさ

手間隙かける楽しさ

都内から車を走らせ、建物に囲まれた場所から山々に囲まれた場所へと移動すること約1時間。

キャンプ場に到着した。
滝があり、川が流れ、山に囲まれた申し分ないロケーションだ。

車の荷台に積んだ器材を下ろし、今日から1泊2日を過ごす住処作りがはじまる。
日の入り具合や玄関となる位置を決め、テントやタープを広げ、風に飛ばされないようにペグを打つ。

住処が完成すれば、次に生活に必要な備品の搬入に入る。

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過去・現在の一本の柱

過去・現在の一本の柱

約3年前に書いた記事を引用して、この文の末尾に「いまの言葉」を新たに付け加えます。

では、3年前の熱々の文章をどうぞ。

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ヒトや本やインターネットから、あらゆる情報源から毎日のように多くのことをインプットするが、自分の言葉としてアウトプットする場面が少ない。

ブログを書いてる目的は、アウトプットする場を自ら設ける

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