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耐え凌ぎ、磨く。そんな2020。

家柄、年の初めに「お屠蘇(おとそ)」を飲み一年の豊富を家族に発表するという代々家系に伝わる由緒ある風習があった。
「お屠蘇というのは日本酒やみりんで生薬を漬け込んだ薬用酒の一種」
邪気を払い無病長寿を祈り心身共に改まろうという願いを込めて飲むお正月ならではのお酒。

子どもの頃は見様見真似で飲みたくもない日本酒に口付け、一年の豊富を家族の前で発表するという苦手な行事だったことを思い出した。

きっとその風習のお陰で今でも新年に、1年の目標を掲げるという癖がついたと思う。
今年は家を引越し、新しい生活が始まったこともあるので自分でやってみようかな。

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「忍耐強く、志し高く」

Instagramに投稿していた、これが2020年に掲げた1年の目標とする言葉だった。

忍耐強く
急がず、耐え凌ぐこと。決して生き急がず、その時が来るのを待つ。
志し高く
自分の中にある芯をしっかりと持ち、見失わないこと。磨き続けること。

今、こうして2020年の終わりに差し掛かろうとしてる時に改めて振り返ってみると掲げた言葉の意味を知った1年だったと思う。

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2020年、1月〜3月は今後の人生の方針で頭を悩ませる時期が続いた期間だった。

僕が、まさにこれからやりたいことを体現しようとする創業されたばかりのベンチャー企業にトライしたものの、互いの条件が合致せず一旦見送りになった。

そして昔から事業をやろうと言っていた友の元に行くことも選択肢の一つとしてあったが、しかしそこは東京から約1,000km離れた絶海の孤島。
そこは人間の影響を受けていない手付かずな原生林が数多く残り、世界自然遺産としても認定されている本来の自然の美しさを保有する島。
圧倒的な自然の美しさ、そしてその島に暮らす人々のエネルギー、それ等に惚れて移住をも考えたが、多くのモノを犠牲にし覚悟がないと決して行けない場所だとわかった途端、足が止まった。

「今はまだ早い」

東京から約1,000km離れた絶海の孤島に腰を据えることは、今の環境を手放すことになる。インターネットさえあればどこにいても人と繋がることができ、最新の情報を得ることもできるが、やはりリアルに勝るものはない。

とは言え、このまま東京にいたところで会社の中での自分の存在意義を見出せずにいた。
もどかしい時期が続き沢山の葛藤の中で、区切りをつけて離れることを考えた。

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そして4月、緊急事態宣言が起き、約2ヶ月間に及ぶ自粛生活が始まった。
不謹慎ではあるが、この期間が自分にとって後に生きるとても大切な時間となった。

普段は読まない読書に励み様々なジャンルの本を読んだ。
そして時間がある分、必然と自分と対話する時間も多くなった。
「自分が大切にしていること、これからどういう道を歩むのか、自分にとっての会社とは、仕事とは、遊びとは、自然とは。」

軸となる指針はあったが、さらに深掘りを行い自分の言葉として理解を深めることを行う有意義な時間となった。

そして前回のnoteでも少し触れた、社内で新規事業のオンライン会議が開催され、このチャンスを逃せば後はない。そんな想いで走った。
(前回の記事)


決断を急ぎ、新しい道を求め、そこに進んでいたらまたそれは違った光景が広がっていただろう。
でも、決断を焦らず「その時が来る」その時まで耐え続けて良かったと思える。

状況は必ず変化する、変化し続ける。そして時代も変わり続ける。
その変化に適応するために事前準備も必要だけど、その時が来るまで辛抱することも一つ必要だと知った。

自然から、日々の生活から、多くのことを学び知った、そんな2020だった。

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しかし、走り出せたところでまだまだ序章に過ぎない。
来る2021年はこの想いを形にすることを一つ目標に掲げ、精進する。

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