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手間隙かける楽しさ

都内から車を走らせ、建物に囲まれた場所から山々に囲まれた場所へと移動すること約1時間。

キャンプ場に到着した。
滝があり、川が流れ、山に囲まれた申し分ないロケーションだ。

車の荷台に積んだ器材を下ろし、今日から1泊2日を過ごす住処作りがはじまる。
日の入り具合や玄関となる位置を決め、テントやタープを広げ、風に飛ばされないようにペグを打つ。

住処が完成すれば、次に生活に必要な備品の搬入に入る。
寝るために必要なマットやシュラフ、毛布などをテントの中に用意する。
リビングで寛ぐために必要なテーブルやイス、ラグなどを用意する。

次は料理をするところに、火を起こすところ、炊事場の設営もやる。

なにもなかった場所に、着々と生活が感じられる居住空間へと変わってきたところで設営は終了。

持参した豆をミルで挽き、小型ガスバーナーで湯を沸かす。
豆のいい香りがこの空間と見事に調和した。

フィルターに豆を入れ、お湯を注ぐ。
出来立てのコーヒーを飲みながら、雄大な自然の中で無邪気に遊ぶ子供たちを横目で気にしながら一息つく寛ぎの時間。



キャンプ場は街のように車の往来もなく建物もないから、一生懸命に遊べる環境が広がっている。
大人たちがせっせと設営している間に子供たちもせっせと川遊び。
設営は大人の仕事だが、遊びは子供の仕事。どちらも忙しそうだ。

靴は泥だらけ、お尻もしっかり濡れている、キャンプ場に着いて10分も経たない内に見事に泥だらけ。うん!かっこいいぞ小僧。



川に石を投げ続ける遊びが始まった。
なにが楽しいのか、時を忘れるぐらい没頭しながらひたすらに石をかき集め川に投げ続ける。
僕も幼少期の頃に同じことをしていたなと思うと、子供にしか到底わからない石投げの魅力があるのだろうと感じた。

石ころ一つでここまで楽しく遊べるのだ。遊び方の天才だな。


子供は好奇心旺盛で些細なことでも自分の頭の中に「?」がよぎると容赦なく質問をしてくる。

例えば「水面に石を投げると、着水した箇所を中心に波紋が広がっていく」
この出来事に対して「なんで石を投げると、水がうねうねするの?なんで?」って疑問に思ったみたい。
それが起こる原理がわかっていなければ疑問に思うのも当然だが、それより疑問に思ったことをすぐに聞くという行為の早さに驚かされっぱなしだった。

教える側が、些細なことからチビに教わりを受ける立場になっていた。

周りのパパママたちが言う「子供から教わる場面が沢山ある」ということを少し知れた。



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子供も大人も大好きな時間、焚き火の始まり。
風が入りやすいように考えて、薪を組み立る。
それだけでは火が付かないので、着火剤代わりになるような草木を探し集める。カラカラに乾燥した草木を調達し、薪の隙間に組み込み火を付ける。
風で煽りながら薪に火がついた。着火に成功。


焚き火を囲みながら、ただただなにもしない時間だけが流れる。
子供にとってはこれほど退屈な時間はないのか、またせっせと川遊びに戻った。

大人はというと、都会の喧騒から離れ、日々の忙しさを忘れ、極上なCHILLな時間を堪能する。せっせと火を愛でながらCHILLな時間を味わう。

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設営から撤収まで、キャンプというのはかなり手間隙がかかるレジャー遊びだ。
寝る場所もテント立てから始まれば、雨風を凌ぐためにタープも張る必要がある。ペグの補強が不十分であれば風に飛ばされる可能性だってある。

灯りを確保するのも、ランプにオイルを注ぎ、芯に火を付ける。

ご飯を作る時もまた一苦労。草木を集め、薪を組み立て、火を起こし、炭に引火させることからはじまる。
スイッチを押したら火が出る現代とはかけ離れたやり方で火を起こす。


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キャンプでは生きる力や不便を楽しむ力、そして遊ぶ力が身に付く。

限られたギアで身の周りの生活を整え、自然にある物で自ら遊びを創出し、楽しみを作る。
不便な中でも、考え方によっては快適に過ごすこともできれば、時間を忘れるぐらい楽しく遊ぶこともできる。


大人になっても石投げや水切りって案外楽しいものです。
子供に良いところ見せようと思って頑張っちゃうと次の日は筋肉痛に苦しむけど、これもまた良い。

時間を気にせず、自然の中で遊ぶ。
大人になるとそういう時間を確保することが厳しくなるけど、敢えてそういう機会を生むのも良いのかなって。


足るを知るです。

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最後に車内のラジオで流れたダーヴィンの名言を。

「最も強い者が生き残るのではなく
 最も賢い者が生き残るのではなく
 唯一生き残るのは、変化できる者である」


ラジオってええな。


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