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カンボジアへの出向記録 Vol.1

遡ること約2年前、僕はBackpackers' Japanの出向でカンボジアでの海外ホテル事業の立ち上げで現地へ派遣されました。
(※正確に言うとBackpackers' Japanの直営ホテルではなく、ホテル事業の運営を行っている別会社にBJから人材を派遣した形です。)

当時もブログを通して現地の活動内容を発信していましたが、その媒体からnoteに移行したため当時の記事をこちらに反映します。

僕にとって非常に貴重な経験になった1年間だったので、当時の言葉に一切の手を加えずそのままの文章で残しています。

拙い文章ですが、Vol.1~Vol.4まで読んで頂ければ嬉しいです。


2018年3月の記事
タイトル 「Hello Cambodia」

まず始めに、3月3日Nui.ラスト出勤日に足を運んでくれた皆さんありがとうございました。
途中から記憶が曖昧ですが、沢山の方に支えられてること幸せに思いました。
楽しい幸せなひと時をありがとうございます。

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Hello Cambodia
入国審査のスタンプ音を重く感じたのはこれが初めてだった。
まるでボクシングのゴング音のように、僕は聞こえた。
新しい物語のはじまり。

空港に到着したのは深夜0時頃。
街が静まりかえる中、僕はトゥクトゥクに乗り、排気ガスと砂埃を全身に浴びながら目的地へ向かう。

そう、僕は今カンボジアはプノンペンにいる。

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「なんで、カンボジアにいるの?」と疑問に思う人もいるだろう。
これからはそれについてブログで徐々に発信していこうと思う。お楽しみに!

On my way
去年の今頃、今の自分を想像できただろうか?
答えは「No」だ。
そして来年の今、自分がどうなってるか想像できるだろうか?
答えは「No」だ。

しかし、一つ言えることがある。

それは確実に自分が描いている未来に一歩ずつ歩み寄れている。

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2018年4月の記事
タイトル 「GoodMorning Phnom Penh」

カンボジアに来て早1ヶ月が経った。感覚的にはまだ2週間ぐらいって感じ。
気がつけば1日が終わり、気がつけば1週間が終わっている。
前に進んでるんだろうけど、前に進んでいる実感が一切湧かない。
やる事、やらなければいけない事が山積みで毎日奮闘してる。
優先順位付けとスピード感がかなり大切だなと思う今日この頃。


GoodMornig Phnom Penh

カンボジア人の朝は早い
朝6時頃から少しずつ街が賑やかになり、トゥクトゥクのクラクション音で目が覚める。

昨晩、遅くまで飲んでも朝7時頃には必ず起きてしまう。二度寝したくても、なかなか寝つけない。

朝の8時〜9時の時間帯に出勤すると必ず渋滞に捕まる。
街の信号機は数ヶ所にしかなく、車道、車線、車間距離という概念がなく交通機関が全くもって整っていない。
そもそもの交通ルールが存在しない気もする…ぶつからなければそれでOK的なね。
車道が激混みすれば、歩道を走る。日本では考えられない光景を毎日のように見てる。

朝9時に出勤して午後5〜6時頃に仕事を終える。
月曜日から金曜日はフルタイムで仕事して土曜日は午前休、1日休みは日曜日だけにしている。

仕事終わりはお店の視察も含めて屋台やレストランやBARなど、毎日お店を変えて色んなところへ行くようにしている。
なかでもBassac Laneという場所に初めて行った時は一目惚れだった。
狭い裏路地にいくつものBARが密集しているエリアになっていて、アジアにいる事を忘れてしまうような圧倒的空間。日本でもなかなか見ない景色がそこにはあった。
現地の人と旅行者や海外駐在員たちがイイ具合にミックスされてる感じがかなりイケてる。

Bassac LaneにあるHangar 44というBARのエスプレッソマティーニがめっちゃ美味しい。
女性バーテンダーがボストンシェーカー振ってる姿もまた良い。

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郷に入れば郷に従え
海外を旅する時にいつも意識している「郷に入れば、郷に従え」という言葉。
国が違えば、言語も価値観も違う。
海を渡れば日本の常識は常識ではなくなる。
日本の非常識が常識になることもある。

日本というフィルターを通して現地の物事を見てしまうと、非常識なギャップに苦しむことが多い。
しかし、多様性を受け入れられる広い土俵を持ち現地人のフィルターを通して物事を見ればそのギャップに苦しむことなく「まぁ、カンボジア人やし仕方ないよな」と捉えることができた。今までは。

でも
僕が今カンボジアにいるのは「旅」ではなく「仕事」
郷に入れば郷に従えという意識は持ちつつも、日本人のフィルターをそこに取り入れる必要がある。

日本人は1を教えれば5ぐらいは理解してくれるが、カンボジア人は1を教えても1しか覚えれない。(全員が全員ではないが)

4月に入り、ホテル名も変わった。
5月から6月はリノベーションの施工とオペレーショントレーニングが始まる。
僕たちが理想としてる空間を作るためには、今までの「カンボジア人やし仕方ないか」と捉えてたフィルターは一切通用しない。
一切の妥協をせず、とことん向き合って、噛み砕いて伝えていく。
って、言葉にするのは本当に簡単。書けばいいし、タイピングすればいいだけ。
さぁっ、やろう。

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2018年5月の記事
タイトル 「Welcome rainy season」


Rainy Season

最近、雨がよく降る。長時間降るというよりかは短時間集中して豪雨になり1時間ぐらい経てば止む。
雨が降ると街の排水機能が著しく低下して、あっという間に道路が冠水する。浅い池のように。

雨が降りマイナスな点もあれば、プラスもある。

雨上がりのスカッと晴れた「空」、雨が降る事で映える「植物」、雨上がりの紅い色に染まる「夕日」、どれも雨があっての景色。
雨に苛立ちを覚えることもあるけど、雨が降った事で見れる景色が大好き。
特に雨上がり、部屋の窓から見る夕日は格別、まさにアート。
窓って毎日模様が変わる額縁のようなモノ。


そう、5月は雨季の始まり。

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さて、肝心なホテルはというと予定通りに物事が進まず未だ四苦八苦してる。
僕にとって全てが初めての経験で、スキルも知識も常に0ベースからスタートしてる。
スキルの無さ、知識の無さ、あまりにも追いついてない「何か」に自分の不甲斐無さを痛感する日々。

でも、この状況が楽しい。新しく多くの事を学べるチャンスが永遠にある。
そして良いことももちろんある。
以前よりスタッフとのコミュニケーションが濃密になってきたと思う。
食事に誘われるようになり、日帰り旅行も定期的に提案される。
プノンペンをまだまだ知らない僕からすると良い機会で、目に見える形でみんなが僕たちを受け入れてくれてる事が何より嬉しい。

カンボジア人オーナーから突如他所から来た日本人オーナーに変わり、マネージャーもカンボジア人から日本人にコロッと変わった。
まだ着任して1ヶ月しか経ってない日本人マネージャーに解雇され、厳しい指摘をされ始める。
もし、僕がスタッフの立場なら間違いなく困惑する。どういう方向性に進んでいくのかが読めない。

それでも残ったスタッフ達はしっかりと付いて来てくれてる。本当にありがとう。

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実際あった色んなリアルな話を聞く。
「スタッフを信頼しすぎるな」「お金を盗まれる」
これは実体験があっての話だから、確かにそうなのかもしれない。
お金で人は変わると言う…もしスタッフ達がレジ金を取って逃げたら1〜2ヶ月は働かずに余裕で生活できるであろう。
国が変われば、日本人の価値観は通用しない。当たり前は当たり前ではない。それはわかる。

でも、スタッフを信頼しないで良い空間・良い仕事をどうやって創り上げていくの?って疑問に思う。

お金に関しては責任者のみ扱えるオペレーションを徹底したら良い。
そういう対策をとってしてでも、裏切られたり盗まれたりしたらどうしようもない。いい関係性を築き上げれなかったということ。
ただ、スタッフを信頼するなという意見だけはどうしても腑に落ちない。
甘っちょろい考えかもしれないが、スタッフの満足度が良いオペレーションに繋がると思っている。
スタッフの満足度を上げるには、労働環境を整え、スタッフ自身がより楽しく本気で働ける場所を作ること。

その為には個々のスタッフをもっと知る必要があるし、それには「信用・信頼」は欠かせない。
だから、僕はなるべくスタッフ達の声に耳を傾け、スタッフ達を信頼し続けていく。

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失敗をして人は「成長」していく、しかし人間関係での失敗といのは「終わり」を意味する。

信頼を築き上げるのは何年・何十年と長い時間を要するけど、その信頼を「0」にするのはたった一瞬。
些細な言動や些細なことで人間関係を破壊することも十分にある。

スタッフ達との関係性、そしてコミュニティが狭い今の環境では肝に銘じていかなければならない。

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