「理念」とは何か? 不確実な未来を進む指針とは(オリジナルなnoteづくりのヒント)
「企業にとっての企業理念のように個人における『自分理念』を考えるとオリジナルなnoteづくりにも役立つということか」
先日、下記の記事で「今年の自分理念」というものを創りました。
コロナ禍の今、誰もが不安定で不透明な環境を生きていると思います。そんな中で毎日を力強く生きていくためには、自信を持つことが大切です。
「自信」とは「自分」を「信じる」ということ。その根拠を持つことが揺るがない自分につながります。その「自信」の根拠の拠り所として「自分理念」というものが必要なのではと思い、創りました。
この記事を書いた後も、「理念」について色々と考えていました。そこで、今回は改めてそもそも「理念」って何?というテーマで考えてみます。noteで創作活動されているみなさんにも役立つヒントがきっとあると思います。
本当の「理念」とは?
個人の理念を考える前に、ビジネスにおける理念のアプローチから考えてみます。一般的に「理念」と言えばまず想起するのが「企業理念」です。そこからさらに広がり、最近注目されているのは「ブランド理念」。企業は複数のブランドを持っていることが多く、そのブランドごとに社会に提供する価値は異なります。
この「ブランド理念」からヒントを得たいと思います。その上で非常に役立つ本があります。『本当のブランド理念について語ろう―「志の高さ」を成長に変えた世界のトップ企業50』です。
この本は一般消費財のブランディングでは世界でトップを走る「P&G」で長年マーケティングに従事し、多くの著名ブランドを育て上げたジム・ステンゲル氏が書いた一冊。「ブランド」に対するノウハウと、研究成果をまとめており、学びがぎっしり詰まった至極の一冊です。
企業ブランド、商品ブランドに携わっている方、または自分のブランディングに悩んでいる人には必見の一冊と言えます。おススメです。この本の中からヒントを探ります。
偉大なビジネスには偉大な「理念」がある
理念理念と言うけど、そもそもどんなものなの?という疑問がわきます。これは事例で理解するのが早いです。以下のブランド理念を読んで、どこの企業または商品のものか、想像してみてください。いずれも世界的に超有名なグローバルブランドです。分かりますか?
・あらゆる女性の「その人らしい美しさ」を称える
・選択と探索、発見の自由を生み出す
・創造的な探索と自己表現の手立てを人々に提供する
・あらゆる好奇心を瞬時に満たす
・わが子の健康で幸せな成長を望む母親の手伝いをする
・世界に活力を与える
いかがでしょうか?
それでは答え合わせです。
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・あらゆる女性の「その人らしい美しさ」を称える ⇒Dove
・選択と探索、発見の自由を生み出す ⇒amazon
・創造的な探索と自己表現の手立てを人々に提供する ⇒apple
・あらゆる好奇心を瞬時に満たす ⇒Google
・わが子の健康で幸せな成長を望む母親の手伝いをする ⇒パンパース
・世界に活力を与える ⇒レッドブル
見るとなるほど、崇高な理念のもとに事業活動を行っている事が分かりますね。本書では「偉大なビジネスには偉大な理念がある」という大きな柱の元書かれています。この「偉大な理念」が組織全体を一つにし、従業員のモチベーションを高め、個人も組織も成長していける企業となっていきます。
つまり、ブランドの「理念」こそ企業活動の本質として捉えている点がこの本の特徴的なところです。上記以外の理念も抜粋して見てみます。
・メルセデスベンツ:人生における成功の象徴になる
・ハイネケン:男たちが洗練された男に
・エルメス:時代を超えた職人技を大切にし、最高の高級品を提供する
・ルイ・ヴィトン:人生という旅を上質で濃密な経験にする
・スターバックス:自己発見と創造を促すために、人と人とのつながりを生み出す
・ZARA:流行のファッションを誰でも楽しめるようにする
・楽天市場:企業と消費者のパートナー関係をを花開かせる
こうしてみると、スターバックスの理念には納得してしまいます。提供するモノはコーヒーです。しかし叶えたいのは人と人とのつながり。家でも職場・学校でもない、「第三の場所(サードプレイス)」を大切にしているのは有名な話ですね。それはつながりの場の提供と見ると、この理念ともつながり腑に落ちますね。
成長ブランドに共通する5つの原則、5つの視点
著者のステンゲル氏は、優れた企業やブランドのリーダーたちに共通する「5つの原則」があると言います。
【5つの原則】
1.”人々の生活をよりよいものにする”ブランド理念を発見する。
2.ブランド理念を軸に、企業文化を構築する。
3.ブランド理念を社内外に発信し、社員と顧客の両方とそれを共有する。
4.ブランド理念に沿って、理想に近い顧客体験を提供する。
5.ブランド理念に照らして、ビジネスの進歩の度合いと社員の仕事ぶりを評価する。
そして、さらにブランド理念を発見する上では、人々の生活をより良いものにするための5つの視点が大切です。
【5つの視点】
・喜びを感じさせる
・結びつく事を助ける
・探究心を刺激する
・誇りをかき立てる
・社会に影響を及ぼす
この具体的な事例として本書では「ザッポス」の例が挙げられています。靴の通販ベンチャーとして急成長し、その後amazonに買収された企業ですね。そんなザッポスの成長の秘訣は、期待をはるかに上回る顧客体験。
このサービスが生み出されたのはやはりブランド理念があったからだと言えます。
ザッポスのブランド理念
『「ワオ!」と歓声を挙げたくなるサービスを通じて、人々に幸せを届ける』
これは社員にとって自分がとるべき行動を考える上で非常に分かりやすいモノサシになると思います。ユーザーに「ワオ!」と歓声をあげさせるのは並大抵のサービスではできません。つまり、普通の仕事を淡々とこなしているだけではこの理念は達成できないということ。結果、従業員はユーザーの期待を超えるほどの商品やサービスを生み出す。結果、ユーザーの顧客満足は高まったと言えます。
本書の著者は読者にこうに問いかけます。
あらゆるビジネスは、ザッポスがいつも自問している問いをみずからに問いかけた方がいい。それはこんな問いである。――ライバルがどんなに値下げしても、私たちを利用し続けてくれる忠実で熱狂的なファンをつくるために、どのように顧客に接するべきか?
この問いは非常にエッセンシャルな問いです。お金には代えられない独自の価値が作れているのか。あらゆる事業、仕事に就いている人に、今一度自問自答する価値のある問いだと思います。
ブランド理念から自分理念へ(noteへの活用)
ここまで「ブランド理念」の真意と要点を見て来ましたが、この話は何も商品ブランドに限ったことではありません。この「ブランド」を「自分」に置き換えてみてみましょう。さらにnoteでの創作活動に翻訳しなおしてみます。
【noteで独自価値を生み出す5つの原則】
1.”人々の生活をよりよいものにする”自分理念を発見する。
2.自分理念を軸に、noteを構築する。
3.自分理念を読者に発信し、他のnoterさんとそれを共有する。
4.自分理念に沿って、理想に近い読者体験を提供する。
5.自分理念に照らして、創作活動の度合いを評価する。
このように自分理念を軸に5つの原則に沿ってnoteの活動をすることで、より価値のある自分だけのnoteが創れていくのではないでしょうか。
そこで、改めて私もこの考えに沿って「自分理念」を創ってみました。
●私の自分理念:
「新しい学びを発信・共有し、楽しみながら、健康に自己成長をし続け合う」
自分理念を少し分解しますと、自分の行動の「枠」が見えてきます。
「新しい学びを」:日々の気づき、発見、知的探求心を大切にする
「発信・共有し」:noteというフィールドでみなさんとシェアする
「楽しみながら」:自分が楽しみ、そして読み手にも利のある内容にする
「健康に」:無理しない、ヘルシーに創作活動をする、健康に寄与する
「自己成長を」:学びを知恵に変え、成長しあう
「し続け合う」:創作活動を継続する、毎日発信する
こう整理すると、自分がどのような行動をしていくのかがイメージしやすいです。これを実現するために前回創った「AIUEO(アイウエオ)」は行動規範としました。
●2021年の私の行動規範「AIUEO(アイウエオ)」:
ア:【Action】 動く、楽しむ、やってみる
イ:【Input】 気づく、学ぶ、感動する
ウ:【Up date & up grade】 更新、進化、成長する
エ:【Engagement】 約束、愛着、感謝する
オ:【Output】 発信、影響、貢献する
そして、さらに自分理念を全うし、みなさんの生活にプラスに寄与するために、書籍から学んだ先ほどの5つの視点を改めて併記します。
【5つの視点】
・喜びを感じさせる
・結びつく事を助ける
・探究心を刺激する
・誇りをかき立てる
・社会に影響を及ぼす
これら自分理念、行動規範、5つの視点、を大切に創作活動をしていきたいと思います。
まとめ
今回は改めて「理念って何なのよ?」という素朴な問いから、その真意を理解するとともに、その要点を整理しました。そこからさらに企業理念、ブランド理念を「自分」に翻訳しなおし、「自分理念」というものを創ってみました。
この取り組みは、自分のブランド化につながるのだと思います。noteで活動している人はみな、一人ひとりが独自の個性、独自の価値を生み出しています。その活動は全て「自分のブランド化」と言えるのではないかと思います。
他にはない自分だけの独自の魅力を創っていく。そんな活動をし続けたいですし、そんな人を応援していきたいと思います。その上で、「理念」はぶれない自分になるために有効な旗印となります。
自分のブランド化にご興味のある方は「自分理念」をつくってみてはいかがでしょうか。自分の軸を持って、ぶれずに成長していけると良いですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。