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Taiwan studyがどのように自国の問題に接続できるか、植民地文学を通して考える
M1春期セメスターも、はや終わりが見えてきました。今期とった授業は2個のみでしたが、語学学校の授業も入れていたので、ぼちぼち忙しめでした。
春期セメスターの前半では「Taiwan studyがどのように自国の問題に接続できるか」について、ナショナル・アイデンティティの観点から考えました。
かつての台湾と日本。宗主国と従属国という構造への問題提起は、現代における自国のさまざまなマイノリティ・グル
PERFECT DAYS 東京の<いま>物語
ヴィム・ウェンダースの最新作「PERFECT DAYS」は、東京を舞台とし、TTT(THE TOKYO TOILET)プロジェクトの一環として制作されている。都内を歩いていると突如現れる、あのオシャレなトイレです。
役所広司さんが演じるのは、東京の公共トイレを掃除する清掃員の平山。淡々と繰り返される彼のルーティーンは、質素かつ文化的な理想の下町生活であり、一種のファンタジーのようでもある。
本
フードスタディーズの視点で見る、日本人の母性
今回は台湾飲食文化の授業で触れた、フードスタディーズ、さらにフードスタディーズ観点で見る日本人の母性やイデオロギーについて考えたので、書き留めておこうと思います。
フードスタディーズ Food studies とはフードスタディーズは、簡単に言うと食文化という軸でさまざまな分野からアプローチしていく学術分野です。栄養学や農業のような分野とは異なり、食文化を通してジェンダーや人種、社会問題などに踏
辛奇と大島渚の描く「性」
この半年、大学院での授業を通して台湾語映画を数本鑑賞しました。そしたら、大島渚「青春残酷物語」と、「愛ってなんや」という主題に行きついてしまったので、振り返りも兼ねて、台湾語映画と日本映画の邂逅、映画の感想、そして辛奇と大島渚の両者が描く「性」についてnoteに書き残しておこうかなと思います。
台湾語映画の定義Taiwan Film and Audiovisual Institute(国立映画視
吳明益『自転車泥棒』 世界文学としての台湾文学と人新世[アントロポセン]
大学院の特別講義で、台湾におけるネイチャーライティングの講義があり、その予習として吳明益『自転車泥棒』を読みました。その読書感想文と、講義で感じたことなどをメモしておきます。
感想文台湾でかつて製造されていた幸福自転車。台湾の複雑な時代背景の中で、自転車をはじめあらゆるの物質や動物が、さまざまな角度で対比され、ストーリーに組み込まれています。
台湾文学の中で切り離せないのが日本統治時代(植民地
Weのがっこう Program03 わたしと人工物・モノ
3回目のモジュール、「わたしと人工物・モノ」に参加しました。
今回は、アイヌのアミニズムな世界観と、わたしたちとモノとのウェルビーイングについて考えました。
私たちの生きる現代の環境はモノ・人工物で溢れています。
人間が生み出した人工物の総量が約1兆1,000億トンに達し、地球上の生物の量を上回ったとみられるという研究結果が、このほど発表された。このままのペースでは、20年後には人工物量が生
Weのがっこう Program02 わたしと自然・生きもの
今、Weのがっこうというプログラムに参加しています。
Weのがっこうとは、Deep Care Labさんが運営されているプログラムで、「気候危機の時代、"わたしたち"の射程をひろげ、わたしのあり方に向き合う場」として、さまざまなワークショップや対話を通して、わたしたちのウェルビーイングを探究するオンラインのラーニング・プログラムです。
2019年にパンデミックが起こり、生活が変わる中で、私自身