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ルカイ族の集落 神山と霧台部落へ

台湾に住んで3ヶ月。南で滞在できるタイミングがあったので、原住民の部落にお邪魔しました。

高雄から鉄道とバスを乗り継いで約二時間。中央山脈のかなり深い所に位置する神山部落に一泊の滞在です。

撒拉伯民宿 https://goo.gl/maps/V8udvgox1PwJpYUV8
庭がめっちゃ広い
ルカイ族の衣装
朝ご飯
粟の入ったお粥
神山愛玉冰 https://goo.gl/maps/FfLC33MWL32oicYH7

愛玉子の種から作られた台湾デザートのオーギョーチ。ここにも粟が入ってます。

台湾のいくつかの部族は、粟の収穫祭(小米祭)があり、粟は大事な主食の一つだそう。部落には粟を発酵させた伝統のにごり酒や、パン工房などもあり、発酵文化が深く根付いている事が分かりました。

霧台神山佳人香草工坊 https://goo.gl/maps/uWhjpozuFnHEYwS27

こちらのパン工房は、パンももちろん、無料でいただける香草のお茶が美味しかったです。壁に貼ってあった大きな家族写真が、みなさん美男美女でめっちゃカッコよかった。

神山のプロテスタント教会
三位一体と部族の神話(両脇の蛇と百合)が融合している
霧台のプロテスタント教会

宿の小姐の原付で、神山部落と霧台部落にある2つの教会を案内してもらいました。台湾原住民の半数以上がキリスト教徒であり、その教会の様相はキリスト教と部族の伝統的な信仰がミックスしてかなりユニークな感じです。

この日は日曜の礼拝が行われていて、霧台の教会では活気溢れる歌声が響いており、部落に住む方の信仰深さを感じました。

部落伝統のアミニズム信仰と、キリスト教が同居している事への理解はこちらの書籍がとても参考になりました。そして原住民神話と日本との思いも寄らない繋がりが。

この部落を訪れようと思った一つのきっかけとして、アイヌ民族の研究者の方から話を聞いた事が大きく、アイヌ民族や日本の風習と、台湾の原住民の文化は似ている部分があることが分かりました。共通の神話を持っていたり、口噛み酒の風習があったり。

ルカイ族は文字を持たない部族なので、口伝えで歌や神話が伝わっており、話し手によって少しずづオリジナリティが出る…とかはどこかで聞いたことあるぞ、と思ったり。

自分のアイデンティティーや考えに,改めて向き合う時間を持てた気がします。

高台からの景色
広場
民家が並ぶ裏路地
候補者ポスター

実際に行って、部落のみなさんが日々の生活を営んでおられることを肌で感じられました。

この日は選挙だったので、公共スペースには開票を見守る候補者たちが。

裏路地ではBBQをしたり思い思いにくつろぐ地元の方の生活があることを実際に見ると、同化政策により失った日本の原住民文化について思いを馳せざるを得ませんでした。

琉璃工坊

伝統的なお守りのワークショップや購入ができます。土やガラスできた飾りには,それぞれの模様に意味があるそうで、私は勉強と健康のお守りを買いました。店主のおばあさんは日本語を話されます。

太陽を崇めるルカイ属
いたるところに壺

ルカイ族が太陽神を崇拝する理由は、誰もが陶器の壷から日光のエッセンスを吸収して成長する、太陽が生命を与えると信じているからだそうです。

太陽の恵みで自給自足の生活をしてきたルカイ族。力強く鮮やかな衣装装飾や伝統の色使いにもその信仰が表れているように思います。

なんだろうと思って撮ったやつ。後で調べたら日本統治時代に伝わった脱穀機?だった
月神が地形に沿って腰掛けている
ルカイ族は狩猟民族

統治時代、日本政府が狩猟民族であるルカイ族から銃を奪ったことによる抗日事件である霧台抗日事件について初めて知ることになりました。狩猟民族にとって,狩猟の道具は奪われてはならない神聖なもの。

偉い人の家?
伝統的な石造り住宅のミニチュア
歌の伝承
夕焼け
夕暮れ前に小姐が原付で送ってくれた
美しい山脈

かなり充実した旅になりました。

今回の旅を決めた素敵なブログ。

もし受け入れてくれるところがあれば、ホームステイしてみたい。もっと中国語話せるようになりたいよ。



ところで、帰りの高鐵でネットサーフィンをしていたらこんな論文を見つけました。
台湾原住民 Taromak族における遊び仕事研究

経済性や生産性のみに収斂されない、生活の周縁的な領域に成立する生業「マイナー・サブシステンス」

https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~suga/papers/seigyoutoasobikara.pdf

「遊び仕事」、、、なんて良い響き!

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