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所長のつぶやき

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2021年から始めたブログです。 サービスの話や運営、経営の話など支援者とはまた違う視点で書いてます。
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#支援

環境からつくらなきゃ福祉はラチがあかないのかも知れない

環境からつくらなきゃ福祉はラチがあかないのかも知れない

支援の現場で当事者の支援をしていく上で、「アセスメント」としてその方の生活歴とか生育歴、どんな経験をしてきてそれらがどんな生きづらさに繋がっているのか、ということにしょっちゅう触れます。
 
 
今支援者の目の前に見えている問題や課題というのはどこまでもいろんな事柄がもたらすひとつの結果で、往々にして今見えていること自体が問題である、ということは少ないんです。
 
 
僕らの分野ではよく「二次障害

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福祉の未来を迎えに行く

福祉の未来を迎えに行く

前回の記事が思いもよらず「注目記事」に取り上げていただいて、今までにないほど読んでいただいたみたいで、半分うろたえつつもありがたいな、と思っています。

とはいえ、その後に書く記事がプレッシャーでプレッシャーで・・・。

なのであまり過度な期待をせず、興味があればお読み下さい。

奇しくも前回の続きみたいな話です。

もともと僕の夢、というか僕なりの福祉や支援を突き詰めて目指しているカタチがありま

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小さくてもいいから種を蒔く

小さくてもいいから種を蒔く

福祉の経営って「福祉」の理念と「お金」の問題をどういう形で解決していくのか、というのがひとつの大きな課題だな、といつも考えています。

 
就労支援の領域では、就労継続支援A型やB型で実業を生み出して、そこで利用者さんが立派な生産者として活躍している事例もたくさん見受けています。一般就労の場面でも、特にIT系の業態などは当事者の方が中心になって運営がなされていたりという形で、福祉としての理念とお金

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制度や仕組みが当事者の人生の「落とし所」のテンプレートになってしまう

制度や仕組みが当事者の人生の「落とし所」のテンプレートになってしまう

これはずっと自分の中でモヤモヤしている思いなんで、抽象的な話になってしまうかも知れません。
ニュアンスで読んでいただけるとありがたいです。
  
 
 
福祉って、一般社会の中で生きづらさを抱えている、つまりマジョリティから外れている状況の中で生きている方を支えるもので、文字通りマイノリティとされる方の生き方を支えることだと認識しています。
 
 
福祉制度というのはそのための施策のはずが、結果そ

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福祉は「出口」のプロセスを設計しなきゃいけないんじゃないか

福祉は「出口」のプロセスを設計しなきゃいけないんじゃないか

まだまだ情報が行き届いているとは言えないんですが、実は福祉には様々な入り口があります。公的な機関(行政)などはもちろんのこと、指定認可を受けた事業所だったりインフォーマルな資源だったりと意外と多彩です。
 
 
もちろんその入り口を知らない方にとっては、決して間口が広いとはいえないので、僕らは情報を必要な方にどうやって届けていくのか、という事が重要な課題だったりするんですが。
 
 
ただそれより

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対人援助は「タスク」と「役割」と「責任」で回すものじゃない

対人援助は「タスク」と「役割」と「責任」で回すものじゃない

仕組みとか縦割り構造というようなものへの違和感と少し似た話なのかもしれませんが、頭では分かっていても時々自分の中で割り切れなくなる感覚があります。
 
 
当事者の支援を行うとき、それが事業所という場面でも生活の場面でも就労の場面でも、支援を進めていく上でいろんな「タスク」が生まれます。連絡調整や同行、何かの検索などの周辺業務であることもあれば、当事者の方との面談とか実際の手続き事などの中心業務的

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本当に解決しなきゃいけないこと

本当に解決しなきゃいけないこと

ちょっとぼんやりした話かもしれません。
仕事をしていてなんとなく感じていることです。
 
 
 
僕は障害福祉の仕事をしています。社会参加のあたりにまつわる支援を行っています。
それ以外にも地域のいろんな分野の方と関わりながら、直接的にも間接的にもいろんな支援に関わらせてもらっています。
 
 
バキバキの障害福祉の現場から少し離れて地域を眺めてみると、生きづらさは障害の有無を問わず横断的にいろん

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社会は自ら生み出した仕組みやシステムに閉じ込められているのかもしれない

社会は自ら生み出した仕組みやシステムに閉じ込められているのかもしれない

先日こんなツイートをしました。
 
 
「障害の有無に関わらず、一見普通に暮らしている人も何かしらの生きづらさを感じてる事が多い。子育ても暮らしも仕事も、寛容さやおおらかさを失いすぎてるんだろうな。もしかしたら、今必要なのは素晴らしい仕組みやシステムを作ることじゃなくて、窮屈な仕組みやシステムをなくす事なのかもしれない。」
 
 
 
僕自身、今いろんな活動をしている中で、アップデートすることやな

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自分の立ち位置の再確認も必要

自分の立ち位置の再確認も必要

今年もあとひと月ちょっとで終わろうとしています。
個人的には近年稀に見るくらい慌ただしくいろんな活動を行なっている1年で、さらにこれから動かし始めるものもあったりする中で、ちょっと整理をしていかなければ決まったスケジュールにただ流されて動くだけになってしまうなぁ、という焦りもあったりします。
 
 
頭の中できちんとまとまっていないまま、先に決まった予定をただこなすだけになるのは嫌なので、ここ1週

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ある意味では「生きづらさ」が自分の生き方の指針になっているのかも知れない

ある意味では「生きづらさ」が自分の生き方の指針になっているのかも知れない

先日仲間と話していてふと感じた話です。
 
 
何の話だったか忘れたんですが、たまたま自分の生い立ちを話すことがあったんです。
 
 
 
 
僕は幼い頃からいわゆる母子家庭というやつで育ち、決して経済的にも恵まれてはいませんでした。
幼少期はほとんど祖母が僕の母代わりで育ちました。
 
 
大学に行ったはいいんですが、ある時急に大学から除籍通知が届いたおかげで僕は大学中退という扱いになります。

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「間に合う」ということ

「間に合う」ということ

よく周りから「生き急いでる」と言われます。
 
 
仕事として就労移行や生活訓練の事業をしつつ、住居の支援や成人期の引きこもりの支援をしたり、シェルターに避難していた方の就労支援をやり、自分が運営しているオンラインコミュニティを中心として、障害者の婚活支援を行なったりしていています。
それ以外にもこれから動き出すプロジェクトがあといくつかあって、自分でも手一杯だなぁ、と思います。
 
 
もちろん

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福祉のマネタイズは可能性と間口を広げていくこと

福祉のマネタイズは可能性と間口を広げていくこと

支援者でもありながら、一応曲がりなりにも事業所をお預かりしてそこから事業の展開なども任されているので、僕自身は今厳密には「経営者」なわけじゃありませんが、経営者のつもりで事業運営を行っています。
 
 
就労移行支援事業に始まって、就労定着支援に住居支援、生活訓練に成人期のフリースクール(予定)、就労定着支援の期限が終わった方向けのアフターフォローとしてNPO法人の会員になっていただいて、会員さん

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ストレスや負荷は「用法用量」を適切に

ストレスや負荷は「用法用量」を適切に

今日の記事はちょっと僕の偏ってるかも知れない感覚なので、あまり共感も賛同も得られない話かも知れません。
 
 
ストレスや負荷の扱い方の話です。
 
 
ストレスとか負荷、というのはどちらかというとネガティブな意味合いで使われることが多い言葉だと思います。
なんとなくストレスも負荷も少ない方がいいと思います。
 
 
でも僕はそうは思っていません。
 
 
理由は2つ。
 
 
まず、これはとても

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打ち手の先にある景色を想像する

打ち手の先にある景色を想像する

最近は、本業の就労移行支援の仕事以外にいろんなお仕事をさせていただく機会に恵まれるようになりました。
とは言え一応僕は福祉人なので、福祉的な価値につながること以外はしていませんが。
 
 
ありがたいことにそこでは新しいことにチャレンジをさせていただくことが多く、一緒に挑戦してくれる仲間もいるので恵まれた環境だなぁ、と思いながら取り組ませてもらっています。
 
 
これはそんなチャレンジだけに限ら

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