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福祉のマネタイズは可能性と間口を広げていくこと

支援者でもありながら、一応曲がりなりにも事業所をお預かりしてそこから事業の展開なども任されているので、僕自身は今厳密には「経営者」なわけじゃありませんが、経営者のつもりで事業運営を行っています。
 
 
就労移行支援事業に始まって、就労定着支援に住居支援、生活訓練に成人期のフリースクール(予定)、就労定着支援の期限が終わった方向けのアフターフォローとしてNPO法人の会員になっていただいて、会員さんとして引き続き支援に携われるサービス、シェルター(虐待やDVなどによって一時避難が必要な方を受け入れている緊急避難支援)の方の就労支援などをいわゆる本業として行っています。
 
 
それ以外に個人の取り組みとして、昨年からオンラインコミュニティの運営や婚活支援、対談イベントや最近「障害者の性」に向き合う活動を始めました。
 
 
 
福祉制度に則った事業もあれば、いわゆる制度外事業もあります。いわゆる地域福祉のインフラを作ったり整備する活動や、それを通じていろんな分野の支援者が繋がるためのコミュニティづくり、この辺りが僕の活動の柱になっています。
 
 

いち支援者としての意見はもう少しミクロなんですが、福祉経営というマクロな観点で僕がやるべきことは、「社会的価値の向上」「社会的価値の創造」、そしてそれらを事業体の中で維持継続させるためのマネタイズだと考えているので、自分の活動の柱になるものをどのように組み合わせながら経営を成立させていくのか、ということが常に僕の課題です。
 
 
 
僕は決して今大きな屋台の法人にいるわけではないですし、多くのリソースを持ち合わせているわけではありません。ついこの間までただの地方の就労移行支援の所長だったので(いや今もそうなんですけどね)、そんなに先進的なことも発想できません。
あまりカッコよくスマートな事業展開をする余裕も実力もないので、泥臭さ満載でやっています。
 
 
 
 
そんな中でこれは僕の癖(ヘキ)みたいなものかも知れませんが、どうも僕は既存の枠組みのものをブラッシュアップするのはあまり得意ではありません。既存の枠組みには既に多くの人達が凌ぎを削っていて、もちろんここの質に力を注ぐ選択肢だってあるわけですが、どうしても「とはいえ供給はひとまず賄えてるんだよな」と思ってしまうんです。
 
 
それよりも気になるのは、僕のコミュニティの名前にもなっているんですが、必要そうなのに何の理由か誰も手をつけていないスキマ、とか余白になっているところです。
そんなところばかりに目が向いてしまいます。
 
 
在るものを磨く事よりも、今足りていないものを何とかすることの方がどうしても必要な気がしてしまいます。
つまり、仕組みがないところに仕組みを作っていくことにばかり手をかけてしまいます。
 
 
大人しく収入が入る事が保障されている事業を上手くやりくりすればいいのに、なんならわざわざそこから遠ざかろうとさえしてしまいます。
 
 
 
 
でも、この癖はこと福祉業ではそんなに悪い事ではないような気がしています。
 
 
 
福祉分野には沢山のスキマや余白があります。
制度では対応出来ていない社会課題があり、ソーシャルセクターの団体が全てを網羅できているわけでもありません。
 
 
でもそれは裏を返せば新たな仕組みの作りシロに溢れていて、解かなきゃならない問いがたくさん提示されている、という事です。
 
 
当然そのスキマや余白部分にはまだマネタイズの種は存在していなくて、本当にまっさらなところから支援モデルとビジネスモデルを生み出さなければいけません。
 
 
なので新しく何かを始めるときは必ず小さく生み出すようにしています。小さなモデルでマネタイズを組み立て始めます。
 
 
小さなモデルできちんと確立できれば、わりと横展開はいつでもできるようになります。最初から大きくやる必要はありません。
 
 
ない仕組みを組み立てて、さらにマネタイズを構築しようと思えばそれはもちろん大変なんですが、思い切りローリスク・ローリターンに舵を切って、ごくスモールにやるなら痛手も少なくなります。
 
 
こうして、小さくても新しい仕組みやモデルを生み出せると、それはそっくりそのまま支援においても経営においても「可能性」になります。
福祉のスキマも余白も山ほどあるので、これと同じ要領で小さな仕組みとマネタイズを増やしていくと、結果制度報酬以外の支援モデルの可能性と収益の間口が広がります。
 
 
短期的な効果が表れるものではありませんが、今まで収益が生まれなかった領域に仕組みが生まれてマネタイズが図れるとなったら、収入額以上の価値が実はあるんじゃないか、と僕は考えます。
 
 
福祉経営において、制度報酬以外の収益をどうやって生み出すか、というのは多分大きな課題だと思います。
僕には飛び道具はないので、支援しか売り物はありません。だから支援そのものをどういう切り口でマネタイズに繋げていくのかをいつも考えています。
 
 
僕の今の時点の結論は、制度のスキマや福祉の余白になっているところに仕組みを生み出して、そこにマネタイズの種を模索する、という視点が自分の理念にも背いていなくてしっくりきています。
 
 
まだまだ勉強中だし実践中だし、時に実験を行いながら検証しているところなので、偉そうなことは言えないんですが、何かの参考になれば、と思います。

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