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心を亡くすほどの忙しさを感じる現代人にとっての必読書:ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波書店、1976) ブックレビュー#1
「現代人は忙しい。」
というのは、日常的によく聞くフレーズだ。また、それは日々の生活の大前提となっている。
忙しい毎日の中で時間を効率的に使うためのテクニックがもてはやされ、私たちの時短をサポートする様々なサービスの広告が流れる。娯楽のためのコンテンツも倍速で見る時代だ。
時短テクやサービスの利用によって、時間を節約しているはずなのに、忙しさはちっとも変わらない。それどころか、テクノロジーの発
初心を思い出すーデータ漏洩防止に役立つ原始的なガジェットー
一昔前であれば、出張は、手持ちの仕事から距離を置くことができたかもしれません。
が、スマートフォン含めた電子デバイスにより、今はいつでもどこでも仕事ができる時代です。
逆に言えば、仕事と距離を置くのが難しい時代ともいえます。
仕事との距離は人それぞれですが、スマートフォンとの距離感が遠くなりすぎること、つまり、スマートフォンをなくすなんてことがあると一大事です。
そして、出張はものを無くすリ
「天才」という言葉との向き合い方
世の中には、自分を天才だと信じて疑わない人と、自分が天才ではないと自覚した人がいる。
自分を天才だと信じたまま死ねたらどんなに幸せだろう(揶揄しているわけではなく、心からそう思う。)。
しかし、悲しいかな、人間という種に生まれ落ちた大多数は、天才ではない(というより、天才というのは、相対的な側面を帯びており、少数のことを指すことが暗黙の了解になっているため、大多数が天才ということは原理的に難し
モチベーションを高める方法を探る前に考えるべきこと 学び方#2
巷では、モチベーションを高める方法●選といった記事や投稿が溢れている。
そういった情報が有益であること自体は否定しないが、モチベーションが上がらないときに必要なのは、モチベーションを高めるテクニックなのか、ということには気を付けたい。
試験勉強を例にとろう。
想像して頂きたい。
あなたは、とある試験に合格することを志して勉強をスタートした。
はじめのうちは勉強の新鮮さもあって、勉強が楽しかっ
問題設定そのものを問う 醸造#5
1 相談内容≒検討課題
弁護士の仕事は、依頼者からの相談を端緒とすることが多い(弁護士の方から商品をパッケージとして作って営業をかけにいくということも昨今は増えているが、それも、依頼者の潜在的なニーズ(相談)を見越していることが多い。)。
依頼者からの相談内容は、検討の端緒であって、検討課題そのものではない。
具体例を挙げる。
顧問先から、「この業務委託契約書をざっとレビューしてください。」