モチベーションを高める方法を探る前に考えるべきこと 学び方#2

巷では、モチベーションを高める方法●選といった記事や投稿が溢れている。

そういった情報が有益であること自体は否定しないが、モチベーションが上がらないときに必要なのは、モチベーションを高めるテクニックなのか、ということには気を付けたい。

試験勉強を例にとろう。

想像して頂きたい。
あなたは、とある試験に合格することを志して勉強をスタートした。
はじめのうちは勉強の新鮮さもあって、勉強が楽しかったが、時が経つにつれ、勉強へのモチベーションが当初に比べると低くなってきた。
毎日欠かさず勉強しようという計画はどこへやら、という状況である。

この状況で、モチベーションを高めるテクニックを実践することが、有益だろうか。これも、早い段階で焼け石に水にならないだろうか。

もっと根本的なところに問題がないか。
すなわち、モチベーションが上がらない原因を探るという視点である。

一つの視点として、そのことに価値を見出しているか、ということが挙げられる。

何かを学ぶためには、当該分野を学ぶことに価値を見出す必要がある。
それは学ぶこと自体により好奇心を満たすことでもいいし、学ぶことによって得られること(上記の例では試験合格とその効用)でもいい。
いずれにせよ、学ぶことによって得られることを想像し、なぜ、それを学びたいかを明確にする。
そして、その学びが自分にとってどれくらい必要なのかを明確にする。

その作業を通じて明確にした価値が、学びの原動力になる。

学びの原動力なくして、モチベーションを高めるテクニックを用いるのは、薪がくべられていない焚き火に、着火剤台を放り投げるようなものである。
着火剤が燃え尽きてしまえば、燃えカス以外に何も残らない。

学ぶことによる価値を見出す作業に時間をかけることは無駄にならない(というより、ただでさえモチベーションが上がらない状態なのだから、まわり道を憂いている場合ではない。)。

当然、この作業の結果、そもそも(そのときの)自分にとってその学びが必要ないという結論になることもある。
時間は有限なのだから、モチベーションが維持できないことに惰性で時間を費やすことが自分にとってプラスかどうかは冷静に判断する必要がある。

以上のことを、少し抽象度を上げて整理すると次のようになる。

モチベーションを高める方法は、とある行為を実行するモチベーションがない/低いという問題を解決するためのツールである。
いわゆる「モチベーションを高める方法●選」で紹介されるのは、問題解決ツールの選択肢である。
問題解決にあたってどの選択肢を採るのが適切かという判断は、問題が起こっている原因分析なくして、正しく行うことができない。
その行為に価値を見出していないのではないか、というのは、原因分析の一つである。
原因分析の結果、「モチベーションを高める方法●選」の中に適切な問題解決ツールがあれば、それを大いに活用する、ということになる。

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