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第五章 5社目:”人間関係”のリセット
5社目:日系化学会社
年齢:32歳
在籍期間:6年11カ月
退職願を片手に上司の福岡が呆然とランチに出かけた日の午後、最終勤務日を指定した「引継ぎスケジュール表」という名のエクセルを福岡へ送り、Outlookの予定表にも誰もが見える形で「最終勤務」その後の全日程を「有給休暇」と入力し、退職事実及び希望日程を既成事実にする工作活動を始めた。また、社内で声が大きい&口が軽い人数名に“ここだけの話
4-3 外資のコアバリューとは
あなたは自分の会社の企業理念を言うことができるだろうか。
いや、そもそも知っているだろうか。新入社員研修でちょっと聞いたかもしれない、もしくはその機会さえなかった人もいるかもしれない。
企業理念、コアバリューと呼ばれるものはその企業の社会的な存在意義であり、企業活動の根幹を成す考え方だが、日本企業にとってはそんなどうでもいいものになっている。一方、世界的なマルチナショナルカンパニーはそのコアバ
4-2 希望年収はあなたの都合でいい
エージェントは本気であなたのことを想っていない。
それは当然で、あなたはエージェントという名の漁師にとってただの一匹の魚に過ぎないからだ。漁師はなるべく早くできるだけ手間をかけずに少しでも高い価格(年収)で魚を売ることがミッションである。
私は“転職は失敗する”という前提に立っているので、とりあえず方向性さえ大きく外していなければエージェントにある程度任せていい(慎重に転職先を選んでも失敗する
4-1 転職エージェントは味方ではない
私がこれまで転職エージェントと関わった経験では、転職市場のプレーヤーを例えると、
エージェント:漁師
求職者:魚
企業:魚屋
という図式が適当ではないかと考えている(魚屋は仕入れるだけの想定)。
エージェントのビジネスモデルは求職者を企業へ紹介し、その人が入社した際には報酬として企業からその人の年収の一定の割合を得るというものである。
つまり海(転職市場)を泳いでいる魚(求職者)を捕まえて魚
第四章 4社目:”業務内容”のリセット
4社目:外資系化学会社
年齢:29歳
在籍期間:2年10カ月
「もしもし、博之久しぶり。あのさ、あの話ってまだ生きてるのかな?」
私は競合他社である日本の中堅化学会社に勤める大学の同期に電話をした。博之とは大学時代特に仲がいいという訳ではなかったが、同じ業界にいるということがわかってからはたまに飲みにいく関係だった。飲みに行くと必ず「うちに来いよ。うち営業を探してるんだよ。」と誘ってくれたが
3-3 外資系に向く人
あなたは外資系企業にネガティブなイメージを持ってはいないだろうか。
ネットで「外資系 デメリット」と検索すると様々なデメリットが紹介されている。
激務、英語必須、福利厚生がない、などなど。外資系企業で働くことに思わず躊躇しそうなワードが並んでいる。
その各ワードに関する検証はしようがないし、各企業によっても状況が異なるためあまり意味をなさないと考えるが、外資系企業で働くと果たしてそのような怖い環
3-1 で、外資ってどうよ?
「外資系/内資系(日本企業)」
転職を検討する際に引っかかる人は多いキーワードではないだろうか。
ネットで検索すれば山のような情報がヒットするし、外資系企業の概要をつかむことに難はないだろう。外資系企業の特徴はそれらの情報にお任せするとして、私は外資系企業で働いたことがないあなたが知りたい「で、外資ってどうよ?」というざっくりした印象をお伝えしたい。
外資は転職者にやさしい。私はアメリカ系1社
第三章 3社目:”キャリア”のリセット
3社目:外資系ライフサイエンス会社
年齢:27歳
在籍期間:1年10カ月
「三宮さん、来年の年俸オファー届きました。」
「おう、上がったろ?よかったな~」
「全然約束と違いますよね。馬鹿にしてるんですか?」
「えっ?いや、そんなことない。上がるってきいてたけど・・・」
「もういいです。」
「いや、ちょっと。おい、」
私は電話を途中で切り、駐車していた田舎のセブンイレブンのごみ箱に年俸通知書
2-3 誰がために汗をかく
あなたは何のために働いているのか。夢のため、生活のため、人によって様々答えはあろうかと思う。
あなたは誰のために働いているのだろうか。自分のため、家族のため、こちらも様々解釈があるだろう。
しかし、紛うことのない事実が一つだけある。
あなたは会社を儲けさせるために働いており、会社のオーナー(株主)のために働いているのである。
それでは見方を変えて考えたい。
会社はだれのものか。
これには先ほど
2-2 サラリーマンは気楽な稼業
サラリーマンは大変である。
コロナ以降働き方が変わったとはいえ、毎日毎日すし詰め状態の満員電車に小一時間揺られ、やりたくもない仕事で汗を流し、無能な上司に媚びへつらい、会社の愚痴を肴にビールを飲む。
精神的にも肉体的にもおよそ健全とは言えない生活で家計を支えている。
一方でサラリーマンを考えるうえで、クレイジーキャッツのドント節はサラリーマンという生き物を的確に捉えている。
サラリーマンは気楽
2-1 個人事業主という選択
起業家。青年実業家。経営者。アントレプレナー。
いずれも仕事ができそうで、お金持ちそうで、格好いい響きのする肩書である。転職を考える際に「自分で起業しようかな?」「親の後を継ごうかな?」と考える人も一定数存在すると想像する。
しかし、巨大オーナー企業の御曹司ならいざ知らず、個人事業主を志す際にはぜひ参考にして頂きたい大変な面も知っておきたい。
まずは会社が代わりに支払っていた(給与から天引きさ
第二章 2社目:“憧れ”のリセット
2社目:花屋(自営業)
年齢:25歳
在籍期間:1年9カ月
「母さん、もういいよな?」
TVでは福島原発の放射能汚染についてのニュースが流れている。発泡酒のアテの厚揚げ焼きをつつきながら、母親の目は反対の意思はないことを示していた。
一社目を退職して私は母がやっている花屋を引き継ぎ、個人事業主としての生活をスタートさせた(失業保険の給付を受けながらなので、表向きは支給が終わる6か月後からだ