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5-3 わたしのおすすめ転職順

内資 → 外資

幹部クラスの転職はわからないが、私は一般スタッフレベルからマネジャークラスまでの日本社会で生きていくサラリーマンを前提とした場合、この順番が社会人スキル的にも報酬的にも望ましいと考えている。

まず社会人スキル面だが、外資は人材を即戦力として考えており、何の経験もスキルもない新人を育てようとする風土は薄いという印象がある(私が以前勤務した外資系企業も新卒採用はグローバルの方針に合わず実施していなかった)。
一方日本企業は新人を育てる文化のため、入社後すぐにOJTが始まることは稀で最初の数カ月を懇切丁寧な新人教育に費やされる場合が多い。また日本国内ビジネスでは必須となる日本特有のビジネスマナー(名刺の渡し方や言葉使い、ビジネスメールの書き方など)は、日本企業で習得するのが最も効果的である。酒の席での作法(席の座り方、焼酎の割り方、焼き鳥のシェア方法など)なども、必要かどうかは別として日本企業のおじさんからでないと習得が難しい極めて貴重な文化教育である。

次に報酬面だが、日本企業でベースを上げてから外資へ転職することをお勧めしたい。日本企業はまだまだ年功序列の給与体系が根強いため、管理社員になるまでは優秀な人もそうでない人も自動的に給与が上がっていくシステムである。一方外資系企業の給与体系はブラックボックスでわからないことが多いが、日本企業のように毎年昇給があるようなシステムではない。また転職段階での報酬の決定方法については、日本企業は転職者のスキルや経験より年齢を重視する傾向があり、その人の年齢で自動的にその会社の給与テーブルにのせられてしまう。ハイスペックな30歳が会社にしがみついている何もできない50歳よりも高い給与で採用されることは想像できない。
一方で外資系の場合はその人のスペックで判断されるため、30歳が50歳より高い報酬を得ることは往々にしてあり得るのである。しかし報酬を決めるにあたり前職の報酬が重要な参考になるため、できるだけベースの給料を上げておく必要がある。であれば日本企業の給与エレベーターで自動的に上っていき、上がりづらいタイミングで外資へ飛び立った方が効率的というものだ。

新卒時の給与が外資系企業の方が高いことが多く魅力を感じがちだが、外資の場合何もできない新人が給与レベルを上げていくのは相当な努力と運が必要で、給与レベルが国内の大手企業に早々に逆転される例も少なくない。

目先の金額に左右されず中期的な目線に立って年収モデルを描きたいところだ。

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