市川凡人

1984年 東京都葛飾区柴又生まれ。農学部出身。豪州MBA。 新卒で専門商社へ入社。2…

市川凡人

1984年 東京都葛飾区柴又生まれ。農学部出身。豪州MBA。 新卒で専門商社へ入社。25歳で脱サラ、家業の花屋を継承するも経営難でリースが支払えず27歳で再び就職、外資系2社、日系1社を経て、38歳で入社した6社目の外資系会社にて年収1000万円台に突入。2児の父。

最近の記事

5-3 わたしのおすすめ転職順

内資 → 外資 幹部クラスの転職はわからないが、私は一般スタッフレベルからマネジャークラスまでの日本社会で生きていくサラリーマンを前提とした場合、この順番が社会人スキル的にも報酬的にも望ましいと考えている。 まず社会人スキル面だが、外資は人材を即戦力として考えており、何の経験もスキルもない新人を育てようとする風土は薄いという印象がある(私が以前勤務した外資系企業も新卒採用はグローバルの方針に合わず実施していなかった)。 一方日本企業は新人を育てる文化のため、入社後すぐにO

    • 5-2 投資資金は年収アップでペイせよ

      リスキリングやリカレント教育。昨今政策絡みでメディアで見かける機会が多い単語である。 転職に役立つ資格や学位の取得を志す人も少なからず存在するのではないだろうか。そこで立ちはだかる主要な問題の一つが資金の問題である。 あなたは「お金がないから・・・」と言って思考停止になっていないだろうか。 勉強資金は借りて、資格取得によって転職後に上がった収入で返す。これがシンプルな解決策ではないだろうか。 私の例で恐縮だが、私は直近の転職にあたりMBA(経営学修士)を取得して年収を上げ

      • 5-1 失投を待て

        転職活動は野球のバッティングに似ていると感じる。 打席(転職活動)に立てば様々な球(求人)が来るがすべて自分が打てる球とは限らない。球が速すぎて打てなかったり、球速は遅くても難しいコースだったり。 そんな球はそもそもバットに当たらないか、当たったとしてもヒットにするのは難しい。 バッティングで大切なのは打撃技術もさることながら、しっかり自分の打てる球を見極めること、そしてそれを確実にヒットにすることなのである。 自分の打てる球を見極めるにはできるだけ早く打席に入り、なるべ

        • 第五章 5社目:”人間関係”のリセット

          5社目:日系化学会社  年齢:32歳  在籍期間:6年11カ月 退職願を片手に上司の福岡が呆然とランチに出かけた日の午後、最終勤務日を指定した「引継ぎスケジュール表」という名のエクセルを福岡へ送り、Outlookの予定表にも誰もが見える形で「最終勤務」その後の全日程を「有給休暇」と入力し、退職事実及び希望日程を既成事実にする工作活動を始めた。また、社内で声が大きい&口が軽い人数名に“ここだけの話”として退職することを伝えると、その情報は“ここだけの話”の伝言ゲームで順調に伝

        5-3 わたしのおすすめ転職順

          4-3 外資のコアバリューとは

          あなたは自分の会社の企業理念を言うことができるだろうか。 いや、そもそも知っているだろうか。新入社員研修でちょっと聞いたかもしれない、もしくはその機会さえなかった人もいるかもしれない。 企業理念、コアバリューと呼ばれるものはその企業の社会的な存在意義であり、企業活動の根幹を成す考え方だが、日本企業にとってはそんなどうでもいいものになっている。一方、世界的なマルチナショナルカンパニーはそのコアバリューに基づいて会社の方向性や戦略を決定するため重要性が大きい。 またマルチナ

          4-3 外資のコアバリューとは

          4-2 希望年収はあなたの都合でいい

          エージェントは本気であなたのことを想っていない。 それは当然で、あなたはエージェントという名の漁師にとってただの一匹の魚に過ぎないからだ。漁師はなるべく早くできるだけ手間をかけずに少しでも高い価格(年収)で魚を売ることがミッションである。 私は“転職は失敗する”という前提に立っているので、とりあえず方向性さえ大きく外していなければエージェントにある程度任せていい(慎重に転職先を選んでも失敗するので)と考えているが、報酬面だけはエージェントの言うことを鵜呑みにしない方がいい

          4-2 希望年収はあなたの都合でいい

          4-1 転職エージェントは味方ではない

          私がこれまで転職エージェントと関わった経験では、転職市場のプレーヤーを例えると、 エージェント:漁師 求職者:魚 企業:魚屋 という図式が適当ではないかと考えている(魚屋は仕入れるだけの想定)。 エージェントのビジネスモデルは求職者を企業へ紹介し、その人が入社した際には報酬として企業からその人の年収の一定の割合を得るというものである。 つまり海(転職市場)を泳いでいる魚(求職者)を捕まえて魚屋(企業)に高く売り飛ばす漁師(エージェント)に構図が似ている。 漁師にも一匹数

          4-1 転職エージェントは味方ではない

          第四章 4社目:”業務内容”のリセット

          4社目:外資系化学会社  年齢:29歳  在籍期間:2年10カ月 「もしもし、博之久しぶり。あのさ、あの話ってまだ生きてるのかな?」 私は競合他社である日本の中堅化学会社に勤める大学の同期に電話をした。博之とは大学時代特に仲がいいという訳ではなかったが、同じ業界にいるということがわかってからはたまに飲みにいく関係だった。飲みに行くと必ず「うちに来いよ。うち営業を探してるんだよ。」と誘ってくれたが、サッカーでいう欧州強豪クラブからJリーグ中堅クラブに行くようなもので、ネームバ

          第四章 4社目:”業務内容”のリセット

          3-3 外資系に向く人

          あなたは外資系企業にネガティブなイメージを持ってはいないだろうか。 ネットで「外資系 デメリット」と検索すると様々なデメリットが紹介されている。 激務、英語必須、福利厚生がない、などなど。外資系企業で働くことに思わず躊躇しそうなワードが並んでいる。 その各ワードに関する検証はしようがないし、各企業によっても状況が異なるためあまり意味をなさないと考えるが、外資系企業で働くと果たしてそのような怖い環境が待っているのだろうか。また、外資系企業にフィットしている人はそのような厳しい

          3-3 外資系に向く人

          3-2 「外資=国際的」というミスリード

          「〇〇ジャパン株式会社」という名前の会社は外資系である可能性が高い。 〇〇ジャパンという名前から容易に連想できると思うが、〇〇という会社の日本法人、つまり〇〇というグローバルカンパニーが日本でのビジネスを遂行するために作られた法人なのである。 何が言いたいのかというと、〇〇ジャパンでの主な業務は日本国内でのビジネスであり、かなりドメスティックなものであるということである。 よく勘違いされているのは外資に行くと国際的な業務ができる(国際的な業務をしなければならない)と思われて

          3-2 「外資=国際的」というミスリード

          3-1 で、外資ってどうよ?

          「外資系/内資系(日本企業)」 転職を検討する際に引っかかる人は多いキーワードではないだろうか。 ネットで検索すれば山のような情報がヒットするし、外資系企業の概要をつかむことに難はないだろう。外資系企業の特徴はそれらの情報にお任せするとして、私は外資系企業で働いたことがないあなたが知りたい「で、外資ってどうよ?」というざっくりした印象をお伝えしたい。 外資は転職者にやさしい。私はアメリカ系1社、欧州系2社で勤務したが、これは共通して言えると感じている。どの会社もカルチャー

          3-1 で、外資ってどうよ?

          第三章 3社目:”キャリア”のリセット

          3社目:外資系ライフサイエンス会社  年齢:27歳  在籍期間:1年10カ月 「三宮さん、来年の年俸オファー届きました。」 「おう、上がったろ?よかったな~」 「全然約束と違いますよね。馬鹿にしてるんですか?」 「えっ?いや、そんなことない。上がるってきいてたけど・・・」 「もういいです。」 「いや、ちょっと。おい、」 私は電話を途中で切り、駐車していた田舎のセブンイレブンのごみ箱に年俸通知書を捨てた。 私はあれからがむしゃらに働いた。 農業用資材(農薬)というまったく

          第三章 3社目:”キャリア”のリセット

          2-3 誰がために汗をかく

          あなたは何のために働いているのか。夢のため、生活のため、人によって様々答えはあろうかと思う。 あなたは誰のために働いているのだろうか。自分のため、家族のため、こちらも様々解釈があるだろう。 しかし、紛うことのない事実が一つだけある。 あなたは会社を儲けさせるために働いており、会社のオーナー(株主)のために働いているのである。 それでは見方を変えて考えたい。 会社はだれのものか。 これには先ほどの質問に違和感があった人も、オーナー(株主)という答えに異論はないだろう。決して

          2-3 誰がために汗をかく

          2-2 サラリーマンは気楽な稼業

          サラリーマンは大変である。 コロナ以降働き方が変わったとはいえ、毎日毎日すし詰め状態の満員電車に小一時間揺られ、やりたくもない仕事で汗を流し、無能な上司に媚びへつらい、会社の愚痴を肴にビールを飲む。 精神的にも肉体的にもおよそ健全とは言えない生活で家計を支えている。 一方でサラリーマンを考えるうえで、クレイジーキャッツのドント節はサラリーマンという生き物を的確に捉えている。 サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ 二日酔いでも 寝ぼけていても タイムレコーダーガチャンと押せ

          2-2 サラリーマンは気楽な稼業

          2-1 個人事業主という選択

          起業家。青年実業家。経営者。アントレプレナー。 いずれも仕事ができそうで、お金持ちそうで、格好いい響きのする肩書である。転職を考える際に「自分で起業しようかな?」「親の後を継ごうかな?」と考える人も一定数存在すると想像する。 しかし、巨大オーナー企業の御曹司ならいざ知らず、個人事業主を志す際にはぜひ参考にして頂きたい大変な面も知っておきたい。 まずは会社が代わりに支払っていた(給与から天引きされていた)金額を把握する必要がある。具体的には税金、健康保険、年金である。 サラ

          2-1 個人事業主という選択

          第二章 2社目:“憧れ”のリセット

          2社目:花屋(自営業)  年齢:25歳  在籍期間:1年9カ月 「母さん、もういいよな?」 TVでは福島原発の放射能汚染についてのニュースが流れている。発泡酒のアテの厚揚げ焼きをつつきながら、母親の目は反対の意思はないことを示していた。 一社目を退職して私は母がやっている花屋を引き継ぎ、個人事業主としての生活をスタートさせた(失業保険の給付を受けながらなので、表向きは支給が終わる6か月後からだが)。前職で社畜への疑問を感じたこと、脱サラして成功しているキラキラした話(ラー

          第二章 2社目:“憧れ”のリセット