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「理想の住まいを叶える建築家コラム」連載のお知らせ
建築家 横山彰人
30年間取り組んできたのは「家族の絆が強くなる家」の家づくりでした。
住宅の設計は、楽しい仕事だと思っております。今から15年前に、ある住宅の上棟式に、建主と幼稚園に通う娘さんが出席していました。それから15年経った今年、お父さんから娘さんが大学の建築科に入ったという知らせがあったのです。お父さんが、「どうして建築科へ行きたかったのか」と理由を尋ねたところ、「横山さんの設計した
建築をめぐる三人家族の物語
第22話 原因長野の父親に、マンションを購入し引越しをしたと報告したら、京都の方からお金を出してもらったのかと露骨に言われ、しどろもどろの返事をしたら、父親は状況を察したらしく、
「武夫、長男であるお前が女房の実家に金出して貰って家を買ったなんて、田舎に来て親戚や周りの人に絶対に言うな」それだけ言って、電話を切ってしまった。
父親は長男である自分に何を言いたいか、よく分っていた。このショックは大
建築をめぐる三人家族の物語
第21話 他人の顔
光が自分のこぶしでドンドンと床や壁を激しく叩くようになったのは、いつからだろう。そればかりではなく、光、光と呼んでも振り向かなかったりあまり言葉も話さなくなった。また、以前のように目を輝かせて笑うこともなくなった。咲子は、そのうち治るだろうとあまり気にしていなかったが、床を叩く回数や叩く時間も長くなって、さすがに心配になった。一度医者に行こうと思ったのは、買ってきた育児書を読み
建築をめぐる三人家族の物語
第19話 マンションには子どもがいなかった
また、ある家族にとって取るに足りないこと、全く気にしないことが、乳幼児をかかえこれから子育ての大事な時期を迎える家族にとって、大きなマイナス要因になってしまうこともある。次の問題においても咲子にとって不運だった。
このマンションは購入価格からして高級マンションに属しているので、入居者の多くは四十代後半から五十代だった。つまり住んでいる多くの世帯は、買い
世界でただひとつの我が家のつくり方 第三回
世界でただひとつだけの我が家のつくり方家族で考えた、どんな暮らしをしたいのか、家族のこだわり、ライフスタイルといった様々な要望や暮らしのイメージを伝え、相談し、そして家という形にしていくのは、設計者です。
設計者は極めて大きな責任を持ち、お客様との最初の打ち合わせから、平面プラン (間取り) そして住まいの形にしていくまで、一般的には次のようなプロセスをたどることになります。
① お客様から時間