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建築家のスケッチブック

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横山彰人の不定期日記Blogの掲載
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世界でただひとつの我が家のつくり方 第三回

世界でただひとつだけの我が家のつくり方家族で考えた、どんな暮らしをしたいのか、家族のこだわり、ライフスタイルといった様々な要望や暮らしのイメージを伝え、相談し、そして家という形にしていくのは、設計者です。 設計者は極めて大きな責任を持ち、お客様との最初の打ち合わせから、平面プラン (間取り) そして住まいの形にしていくまで、一般的には次のようなプロセスをたどることになります。 ① お客様から時間をかけて、暮らしのイメージを丹念に聞き取ります。 ② 打ち合わせから、設計者なり

世界でただひとつの我が家のつくり方 第二回

〜【ハウスメーカー】、【工務店】、【建築設計事務所】のどこに頼んだら実現できるか〜 失敗や後悔する8割以上は、どこを選ぶかの選択の基準と優先順位の混同にあります。そしてそれは「いい家」はどんな家かの認識が間違っていることから起こります。 一般のお客様が思っている 「いい家」とは、・地震に強い家、・気密性・断熱性、・防犯性や・システムキッチン、床暖房など最新の住宅機器、・太陽光発電、のように機能性を完備した家がいい家と思いがちです。 これらの仕様を全部そろえても「いい家」に

世界でただひとつの我が家のつくり方 第一回

〜【ハウスメーカー】、【工務店】、【建築設計事務所】のどこに頼んだら実現できるか〜 家を建てる『動機』は ・子どもの勉強部屋をつくりたい。 ・お父さんの定年まで住宅ローンを完了したい。 ・夫婦で終の棲家をつくりたい。 ・こだわりのライフスタイルを実現したい。 など様々です。 しかし、『どんな家に住みたいですか』という質問には、誰もが「世界でただひとつだけの我が家」を建てたいという思いは共通しています。 しかし、実現できない人が実に多いのです。なぜでしょうか。 振り返ってみ

「理想の住まいを叶える建築家コラム」連載のお知らせ

建築家 横山彰人 30年間取り組んできたのは「家族の絆が強くなる家」の家づくりでした。 住宅の設計は、楽しい仕事だと思っております。今から15年前に、ある住宅の上棟式に、建主と幼稚園に通う娘さんが出席していました。それから15年経った今年、お父さんから娘さんが大学の建築科に入ったという知らせがあったのです。お父さんが、「どうして建築科へ行きたかったのか」と理由を尋ねたところ、「横山さんの設計した家がとても好きで楽しかったから、自分も建築家になりたかった」と答えてくれたそうで

我が子を 『ゲーム依存』、『引きこもり』 にさせないために ー建築家の提言ー 第4回目

多機能(たきのう)空間と間取り  これから家を建てられる方に、何が一番大切にしたいですかという質問に、多くのお客様は「リビングルームでの家族だんらん」と答えられます。しかし家が完成してもホームパーティーや家族だんらんは期待した通りには、実現していないようです。  前回同じリビングルームでも会話のしやすい間取りと、しにくい間取りがあると記しましたが、会話がしにくい間取りとはどのような間取りでしょうか。 ① 子どもの居場所がない。 ② リビングに物や家具が多すぎる。 ③ 

我が子を 『ゲーム依存』、『引きこもり』 にさせないために ー建築家の提言ー 第3回目

生活動線と親子のルール②  前回は、子どもが「ゲーム依存」、「引きこもり」にならないためには 親と子の信頼をベースにしたルール作りと、会話が自然に発生しやすい環境、つまり家の構造や間取りが大切と記しました。  まずルール作りから考えてみますと、子供の成長過程で、どんな親と子のルールを決めたらいいのでしょうか。子どもの精神年齢や性格によってルールも変わってくると思いますが、下記のことが有効ではないかと思います。 ① 一日のゲーム時間を明確に決める。(30分とか1時間とあらか

我が子を 『ゲーム依存』、『引きこもり』 にさせないために ー建築家の提言ー 第2回目

生活動線と親子のルール ① 私は子どもの「ゲーム依存症」や「引きこもり」は、親子の会話と家の環境がキーワードと考えています。たとえばパチンコは18歳から、アルコールとタバコは二十歳からと年齢制限がありますが、ネットやゲームに関しては〇歳から接している子供も多くいます。  年齢制限がないことは、それだけ依存症になりやすく、危険度も高いことを意味しています。幼児の子育ては家庭の責任が全てですから、家庭教育がいかに大切かがわかります。  子供の成長過程で子供がゲーム依存症や引き

我が子を 『ゲーム依存』、『引きこもり』 にさせないために 第1回目

ゲーム依存と引きこもり01 一建築家の提言一 元農林水産事務次官が長男(44)を刺殺した事件は、オンラインゲーム「ドラゴンクエストX」に耽溺し、定職に就かず引きこもり状態でした。相次いで、引きこもり状態の男が起こす事件を見て、「ウチも他人事じゃない」と思っている家庭が日本中たくさんあるはずです。  厚生労働省によれば、現在日本でオンラインゲームを含めた病的なインターネット依存が疑われる中高生の数は、推定九十三万人と過去五年間で倍増していると言います。特に若者を中心にゲーム依