しまこ

関西出身、関東在住。 本と夫の話が多めです。 しょうもないことも面白くないことも、気ま…

しまこ

関西出身、関東在住。 本と夫の話が多めです。 しょうもないことも面白くないことも、気まぐれに書いていきたいです。

マガジン

記事一覧

メンヘラポエム

夫が死んだらどうしようと考え始めてびーびー泣く夜がある。それは決まって夫が旅行や出張や夜勤で夜いないとき。 ベッドは広いし、こんなに家って広かったっけと思い始め…

しまこ
10日前
5

夫と散歩したときのこと

私たち夫婦は散歩が好きだ。 この前二人で散歩していたときのこと。 いつも行く図書館とは違う少し離れた図書館まで歩いて行こうということになり、二人で私のワイヤレス…

しまこ
10日前
4

マタニティマークと私と君と

現在妊娠8か月。妊娠してからずっとマタニティマークはリュックの外ポケットの内側にお守りのように着けている。 妊娠初期からつわりがそんなにひどくなく出社できる状態…

しまこ
3週間前
8

人生500年時代が来てほしい

夫はたまに夜勤がある。夫が夜勤から帰ってきた音で明け方目覚めたとき、夫が「生きててくれてありがとう」とつぶやいた。 なんともスケールのでかい話だ。でも私たちはた…

しまこ
3週間前
5

2024年3月某日のこと

私は物事に白黒つけるのが好きじゃない。必ず物事にはグラデーションがあって、共感性が高めに備わっていると自負している私には、どっちが悪いか、どっちがより優秀か、ど…

しまこ
1か月前
6

二人事から三人事へ

バスに乗っているとき、お父さんらしき人と小さな女の子が手をつないで信号を渡っているのを見た。涙が出そうになった。 どうして子どもがほしいのかという問いがあるとす…

しまこ
1か月前
12

妊活をしていたときのこと②

妊活は圧倒的に孤独だ。 まず仲の良い友達にも進んで言うことができなかった。妊活してるねんと言ってくれた友達には私もしてるねんって言えるけど、あまりに癒着して妊活…

しまこ
2か月前
23

妊活をしていたときのこと①

不妊治療をしていたときのこと。 とにかく毎度しんどかった期間は、排卵後、生理が来るか来ないかがわかるまでの、あの二週間だった。何回繰り返しても慣れなかった。 私…

しまこ
2か月前
7

2024年上半期の好きな本まとめ

もう2024年が半分過ぎた。今回に限っては早く過ぎ去ってほしかった。下半期にお腹の中で生きている子に対面できるから。これから本を読む時間も考える時間もどんどんなくな…

しまこ
3か月前
12

自分の内側で起こっている変化

最近、話したい話したい欲が消えてきたように思う。これまでの私は、うれしいことも悲しいことも話すことが大好きで、話し手か聞き手かでいうと、圧倒的に話し手の立場にい…

しまこ
3か月前
7

あなたへ

今日は美容院に行ってきた。だから彼女を思い出す。私の、今はもう会えない友人。なぜ美容院に行った日は彼女を思い出すのかは、こちらの記事に。 今日はあなたにとても残…

しまこ
3か月前
12

寝る前のネバーエンディングストーリー

最近の夫は、寝る前にアイマスクをつけた状態で「AIに支配された世の中で、仮のやんくん(私)とハグしよう」と言って、一人エアーハグをしている。アイマスクをつけている…

しまこ
4か月前
11

最近の夫とのあれこれ

お風呂に入らなかった日のこと飲み会から帰ってきたら、夫はまだ寝ずにベッドで横になってごろごろしていた。私はあまりお風呂に入るのが好きではない。というか髪の毛を乾…

しまこ
4か月前
8

連休明けはいつも憂鬱

連休最後の日は決まって憂鬱になる。昨年10月の沖縄旅行明けの仕事の日も、正月休み明けも、そして10連休のゴールデンウイーク明けとなる今回も。 平日はいつまでも寝てい…

しまこ
4か月前
13

夜散歩

夫と夜散歩した。あたりは完全に暗闇となった夜9時ごろ、まだしっかりと寒く、ダウンジャケットが欠かせない。 満月に近い月がいた。辺りの雲まで明るく照らし、月の表面…

しまこ
6か月前
7

石垣島は最高だった

去年の秋、夫と石垣島に行ってきた。 最寄りの駅から出ている羽田空港への直通バスに乗る直前で、スマホがリュクサックの中に入っていないことに気が付いた。 あれ、ない…

しまこ
6か月前
25
メンヘラポエム

メンヘラポエム

夫が死んだらどうしようと考え始めてびーびー泣く夜がある。それは決まって夫が旅行や出張や夜勤で夜いないとき。

ベッドは広いし、こんなに家って広かったっけと思い始めると、黒く広い空間に白い小さな点が浮遊し、永遠に何にも接触しない画を想像する。

私は、生まれてくることに意味はない、と思っている。無事受精卵になり、無事この世界に生まれ、そして今日まで無事に生きているというだけの人、人、人。生まれてきた

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夫と散歩したときのこと

夫と散歩したときのこと

私たち夫婦は散歩が好きだ。

この前二人で散歩していたときのこと。

いつも行く図書館とは違う少し離れた図書館まで歩いて行こうということになり、二人で私のワイヤレスイヤホンを片耳ずつ着け、ポッドキャストを聞きながら散歩した。行きは「マユリカのうなげろりん!!」を聞きながら。

図書館からの帰り道は夫のイヤホンで「ダイアンのTOKYO STYLE」を聞きながら帰ろうということに決まった。

夫のイヤ

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マタニティマークと私と君と

マタニティマークと私と君と

現在妊娠8か月。妊娠してからずっとマタニティマークはリュックの外ポケットの内側にお守りのように着けている。

妊娠初期からつわりがそんなにひどくなく出社できる状態だったし、中期、そして現在までイージーな妊婦ライフを送っていると自覚している。妊娠の症状は生理と同じくらい個人差があるもので、私はラッキーなことに今回の妊娠は軽い方だったのだと思う。だから電車に乗ったとき、わざわざ席を譲ってもらうほどしん

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人生500年時代が来てほしい

人生500年時代が来てほしい

夫はたまに夜勤がある。夫が夜勤から帰ってきた音で明け方目覚めたとき、夫が「生きててくれてありがとう」とつぶやいた。

なんともスケールのでかい話だ。でも私たちはたびたびそんなでかい話をする。

人生500年あれば良いのに。そしたら結婚200周年に月旅行ができるのに。これから生まれてくる子どもの米寿を一緒に祝えるのに。

虫や小動物に比べて人間の生はとてつもなく長い。でももっと欲張りたい。もっと長く

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2024年3月某日のこと

2024年3月某日のこと

私は物事に白黒つけるのが好きじゃない。必ず物事にはグラデーションがあって、共感性が高めに備わっていると自負している私には、どっちが悪いか、どっちがより優秀か、どっちがより使いやすいか、などを決め(つけ)るのが苦手なのだ。

だから勧善懲悪の物語はあまり好まないし、能力的に厳しいことは大前提だが、裁判官のような仕事は適職から最も遠い位置にあるだろう。

この性格は妊活にも支障が出た。妊娠検査薬を使え

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二人事から三人事へ

二人事から三人事へ

バスに乗っているとき、お父さんらしき人と小さな女の子が手をつないで信号を渡っているのを見た。涙が出そうになった。

どうして子どもがほしいのかという問いがあるとするなら、人の数だけ思いはあるだろう。私の場合、世界一の推しである夫がパパになる姿を見てみたいのだと、その親子のおかげで自分の気持ちに少し気づいた気がする。子どもが落ち込んでいるとき、良くないことを言ったとき、夫は子どもにどんな言葉をかける

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妊活をしていたときのこと②

妊活をしていたときのこと②

妊活は圧倒的に孤独だ。

まず仲の良い友達にも進んで言うことができなかった。妊活してるねんと言ってくれた友達には私もしてるねんって言えるけど、あまりに癒着して妊活の話ばかりしたくはないからあくまでさらっと話すことを心がけた。仮に先に私が妊娠したらその友達に言いづらいし、友達が先に妊娠したら、私は素直に喜べるか自信がないからだ。

私には夫という最強のパートナーがいる。でも、それでも、それなのに、妊

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妊活をしていたときのこと①

妊活をしていたときのこと①

不妊治療をしていたときのこと。

とにかく毎度しんどかった期間は、排卵後、生理が来るか来ないかがわかるまでの、あの二週間だった。何回繰り返しても慣れなかった。

私は時折気持ちが弱くなる。どうせ今回もダメだろうと思いこむことで、ダメだったときの気持ちを少しでも和らげようと自己防衛する癖がある。

なんで周りの友達はすぐに妊娠しているのに、私たちは時間がかかるのだろう。考えたってどうにもならない問い

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2024年上半期の好きな本まとめ

2024年上半期の好きな本まとめ

もう2024年が半分過ぎた。今回に限っては早く過ぎ去ってほしかった。下半期にお腹の中で生きている子に対面できるから。これから本を読む時間も考える時間もどんどんなくなっていくだろう。それでも私にとって物語はなくてはならないものだから、なんとか摂取しようとするだろう。

今後どんな本を自分が手に取るのか、取らなくなるのか、自分の変化にも注目しつつ、今年上半期に読んで良かった本を振り返ろう。

『夜が暗

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自分の内側で起こっている変化

自分の内側で起こっている変化

最近、話したい話したい欲が消えてきたように思う。これまでの私は、うれしいことも悲しいことも話すことが大好きで、話し手か聞き手かでいうと、圧倒的に話し手の立場にいることが多かった。

あんなに人に何かを聞いてほしくてたまらなかった私が、友達との会話で自然と聞き役に回ることが増えていることに気づいた。

自分の内側でどんな変化があったのだろう。

おそらくこれは(も)夫の影響だろう。夫のことを人間とし

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あなたへ

あなたへ

今日は美容院に行ってきた。だから彼女を思い出す。私の、今はもう会えない友人。なぜ美容院に行った日は彼女を思い出すのかは、こちらの記事に。

今日はあなたにとても残念なお知らせがあります。なんと和牛が解散してしまったよ。

安室ちゃんが大好きで、大学生になってからは和牛も好きになって、一緒にルミネに寄席を見に行ったね。

高校の体育大会で、スピーカーから安室ちゃんの曲が流れたとき、興奮して走ってスピ

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寝る前のネバーエンディングストーリー

寝る前のネバーエンディングストーリー

最近の夫は、寝る前にアイマスクをつけた状態で「AIに支配された世の中で、仮のやんくん(私)とハグしよう」と言って、一人エアーハグをしている。アイマスクをつけているから、VR空間にいる気持ちになっているのだろう。

夫が言うに、アイマスクを着けたときの世界は、AIに支配され、やんくんと一緒にいるように感じていても、実体はなく、今私たちは離れ離れの状態らしい。

だから、実体を持ったやんくんを探す旅に

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最近の夫とのあれこれ

最近の夫とのあれこれ

お風呂に入らなかった日のこと飲み会から帰ってきたら、夫はまだ寝ずにベッドで横になってごろごろしていた。私はあまりお風呂に入るのが好きではない。というか髪の毛を乾かすことが面倒で、特に疲れているときは風呂に入ることを諦めてしまう(翌朝ちゃんとシャワーを浴びるよ)。その日も私は「お風呂入らんと寝よかな」と呟いた。夫は「清潔なだれかよりも、風呂に入らなくてお尻にうんこがついていたとしても〇〇(私)が好き

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連休明けはいつも憂鬱

連休明けはいつも憂鬱

連休最後の日は決まって憂鬱になる。昨年10月の沖縄旅行明けの仕事の日も、正月休み明けも、そして10連休のゴールデンウイーク明けとなる今回も。

平日はいつまでも寝ていたいと思うけど(何なら在宅勤務の日は9時まで粘って寝ている日もあるが)、休日は朝5時、6時に目が覚める。体は正直だ。精神的なものと起床時間は結びついているように感じる。

以前、連休明け最後の夜に、あまりにも仕事の日々に戻りたくなかっ

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夜散歩

夜散歩

夫と夜散歩した。あたりは完全に暗闇となった夜9時ごろ、まだしっかりと寒く、ダウンジャケットが欠かせない。

満月に近い月がいた。辺りの雲まで明るく照らし、月の表面の凸凹が見えるほど、立体的で白に近い明るい月だった。

まずは近所の神社にお詣りする。細長く続く参道の両端に灯された灯りは、月の従者のようにまあるく、適切な距離で私たちの歩く先を照らしてくれた。

木々のざわざわ、虫の音があちらこちらから

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石垣島は最高だった

石垣島は最高だった

去年の秋、夫と石垣島に行ってきた。

最寄りの駅から出ている羽田空港への直通バスに乗る直前で、スマホがリュクサックの中に入っていないことに気が付いた。

あれ、ない……。バス停近くのトイレから夫が戻ってくるのを待つ間、できうる限りカバンに手を突っ込んでガサゴソ探したが、どこにもない。あらゆるポケットにも入っていない。

あちゃー。完全に家に忘れたわ。ギリギリまで充電しようと思ってベッドのコンセント

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