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しまこ
2024年6月29日 22:02
もう2024年が半分過ぎた。今回に限っては早く過ぎ去ってほしかった。下半期にお腹の中で生きている子に対面できるから。これから本を読む時間も考える時間もどんどんなくなっていくだろう。それでも私にとって物語はなくてはならないものだから、なんとか摂取しようとするだろう。今後どんな本を自分が手に取るのか、取らなくなるのか、自分の変化にも注目しつつ、今年上半期に読んで良かった本を振り返ろう。『夜が暗
2024年3月23日 17:23
夫と夜散歩した。あたりは完全に暗闇となった夜9時ごろ、まだしっかりと寒く、ダウンジャケットが欠かせない。満月に近い月がいた。辺りの雲まで明るく照らし、月の表面の凸凹が見えるほど、立体的で白に近い明るい月だった。まずは近所の神社にお詣りする。細長く続く参道の両端に灯された灯りは、月の従者のようにまあるく、適切な距離で私たちの歩く先を照らしてくれた。木々のざわざわ、虫の音があちらこちらから
2024年1月13日 17:50
本年もよろしくお願いいたします!2024年は、風邪をひき、初詣でのおみくじで凶をひき、なんてこったパンナコッタの幕開けとなったが、あとはよくなるだけだ!と前向きな気持ちになったのでした。さて、昨年下半期に読んだ本の中から(少し漫画も含む)、好きな本を簡単な感想とともにご紹介したい。今年もたくさんの自分にとっての良書に巡り合えますように!『乳と卵』 川上未映子豊胸手術をするために大阪から
2023年8月12日 22:28
時が経つのは残酷だ。刻一刻と死に近づいていっていると感じるから(私はいたって健康体である)。でも同時に過ぎていった日々は愛おしく、確実に私自身を育ててくれた。夫と暮らし始めてもうすぐ丸四年経つ。特にこの四年間は、時そのものが愛おしい。抱きしめたくなるほどに。時を慈しみながら毎日を過ごしたい。それは朝から活動的になって時間を「有効活用」したいという意味ではない。時間は決して活用するも
2023年7月2日 12:09
毎年言っているが、もう今年の半分が終わってしまった!今年は3月に未経験の業界に転職し、毎日情報のインプットとアウトプットの多さに置いて行かれないようにへばりついて頑張っている。そして相(愛)も変わらず、夫と幸福に暮らしています。そんな中で、36冊読むことができ、9冊の好きな本ができたため、ここに備忘として記しておきます。『潮待ちの宿』伊東 潤瀬戸内海の穏やかな光に包まれる備中の港町、笠岡の
2023年7月2日 10:30
最近、サウナに二週間に一度のペースで行っている。たくさん汗をかき、ぺっこぺこにお腹が空き、もりもりとごはんを食べ、元気になれるからだ。生きる活力となる最初のアクションに、私にとってサウナは打ってつけなのだ。サウナに行き始めてから、生きることは食べることなんだなと改めて思う。そんなわけで(?)、おいしいご飯が出てきて、生きる力が湧いてくる本、5選をご紹介したい。『昨夜のカレー、明日のパン』木
2023年6月24日 18:57
こんな世界がほんとにあったらいいな。書店との出会い、そこで広がる本との出会いがある。それを究極の最高の形で体現できるのが、ヨシタケシンスケさんの『あるかしら書店』だ。電話するたびに「最近おもしろい本あった?」と最高の合言葉を口にできる、本好きの友人がいる。彼女に紹介されたのが、本書だった。すぐ買いに行った。読んだ。大好きになった!即座に彼女に電話し、2時間ほど本書について興奮しながら感
2023年6月10日 18:15
あー、この幸せな時間が永遠であればいいのに。こんなに楽しいこともうれしいことも、時が経つほど思い出となって記憶の片隅に追いやられていき、最後は、自分の死とともに思い出すら存在しなくなってしまうのか。誠に残念だ。絶望。だから私は、タイムリープものやファンタジーもの、永遠が存在する世界の物語に逃げる。今でもそうした、現実から足が離れた物語が大好きだけど、ある物語に出会って、永遠に生きること
2022年4月26日 12:09
綿谷りささんの「夢を与える」を読んだ。書店で何の本を買おうか探していたときにこのタイトルに目がいった。気になったというか、コロケーションに少し違和感があったのだ。「夢を見る」でも「夢を掴む」でもなく、「夢」という圧倒的に個人の主観であるものを誰かに「与える」とはどういうことなのだろうか。小説の内容をとてもざっくりとまとめると以下のようになる。ある少女がチャイルドモデルとなり、成長とともに
2023年2月21日 18:57
先日、友人の家に遊びに行ったときに彼女が話した言葉が、ずっと奥歯に挟まっている。舌では取れないささみの筋のように。それはこんな言葉だった。「子供生まれてから、体型変わったねって夫に言われるのよ。浮気されないように体型維持しないとな~」これが私の奥歯に挟まって取れないのだ。そのときは「そうなんや」としか言わなかったが、「ん? ちょ待てよ!」とキムタクが私の内側で叫んでいた。自分の健康
2023年1月6日 18:56
昨年の下半期は、会社を辞めてオーストラリア、チェコ、スペインに行ってきた、とても稀有な年でした。そのせいで(?)、今就職活動に苦しめられているのだが……。昨年下半期に読んだ本38冊の中から、好きな本13冊を紹介させていただきます。少々ネタバレも含まれますので、未読の方はご遠慮ください。『母性』湊かなえ母性とはなんぞや? 本書を読んでそう思った。私は友達のお子さんに会うたび、「母性が溢れ出るわ~
2022年11月29日 16:54
タイトルは川上弘美さんの『某』を読んで感じたことだ。人を愛することって? 好きってどういう気持ちのことをいうのだろう? と思っている方に、ぜひこの本が届きますようにと心から願う。以下、ネタバレを含みますので、未読の方は先を読むのをご遠慮ください。上記の説明を読んだだけでは、いったいどんな小説なのか想像しにくいだろう。とんでもなく簡潔に言ってしまうと、『人間ではないが、人間のような「某」とい
2022年7月2日 20:49
今年の6月は凄まじかった。体感1週間の梅雨が終わり、6月だと思えない猛暑が続き、室内で働いているだけでも夏バテしていた。食欲は落ち、うどんくらいしか喉を通らなくても、本を読みたい欲は止まらない。上半期は新装版ムーミンシリーズを読破した。次は何のシリーズものを読もうか。赤毛のアンか魔女の宅急便、どちらからいこうかと嬉しく悩んでいるところだ。それでは、早速今年1〜6月に読んだ本34冊の中から、
2022年1月12日 18:43
もう2022年か。今年もたくさんの本が読めますように。そして1冊でも多くの好きな本に出会えますように。昨年は本を読む時間が夏に激減し、秋に復活し、冬に加速した結果、7〜12月で31冊読んだ。そのうち12冊好きな本ができた。備忘録として、思ったことを素直にまとめていくことにする。ネタバレなしです。1.『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ島か大陸かもわからない土地に漂着した少年15人が、頭