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石垣島は最高だった

去年の秋、夫と石垣島に行ってきた。

最寄りの駅から出ている羽田空港への直通バスに乗る直前で、スマホがリュクサックの中に入っていないことに気が付いた。

あれ、ない……。バス停近くのトイレから夫が戻ってくるのを待つ間、できうる限りカバンに手を突っ込んでガサゴソ探したが、どこにもない。あらゆるポケットにも入っていない。

あちゃー。完全に家に忘れたわ。ギリギリまで充電しようと思ってベッドのコンセントで充電しっぱなしだわ。

幸い、一人旅行ではないし、夫が飛行機とホテルを予約してくれていたから、スマホがなくてもなんとかなった。

写真撮りたかったな~。あっミラーレスカメラ持ってきているから問題ないか。そうなると二泊三日の沖縄旅行、特に困ることもなさそうだ。

そして本当に、スマホがなくても何も困ることはなかった! むしろ最高の旅になったのだった!

西表島のマングローブでのカヌーアクティビティと、星空を見に行くツアーを除くと、特に決まった予定はなかったため、ただただのんびりと過ごすことができた。

西表島のマングローブ

他の時間は、石垣島を散策したり、ホテルのロビーや中庭のハンモックでゆったり読書をしたり、ホテルで卓球をしたりと、予定をびちびちに詰め込まず、スマホを持たず(持てず)、とってもデジタルデトックスすることができた。

当てもなく、石垣島を散策
沖縄といえばハイビスカス!
ホテルのロビーからの景色

東京では、起きたらまずスマホを触っていたし、仕事中はPCにかじりついているし、仕事が終わったらテレビを見て、寝る前はスマホを触るという、画面しか見ない日々を過ごしていた。

加えて繁忙期にさしかかり、気持ちと体力面でストレスがかかっていた。

スマホのある東京に帰りたくなかった。石垣島が楽しすぎたのだ。

石垣空港に着いてから、帰りたくなくて泣きそうになった。まるで子供だ。

ここで新しいスマホを契約すれば、何も困らず新生活を始められる。もう東京に帰らず、ここで暮らすのも一つの手だと思えるほど、帰りたくないと思った旅行は初めてだった。

仕事はきつい。タスクはどれだけ片付けても終わらない。

私は飛べる。このまま仕事を、東京の生活を飛ぼう。今がそのときだ。

「帰らず、ここで暮らそうよ!」と夫に提案した。

「そうする? でも、〇〇(私)との東京での普通の生活も好きだよ」夫がそう言った。

その言葉は、私を帰らせるのに十分すぎる言葉だった。

そうして、デジタルデトックスし、最高にリラックスできた石垣島と別れ、東京のデジタル生活に戻ってきた私なのであった。

家に帰って三日ぶりにスマホを開いた。だれからも連絡は来ていなかった。

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