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seiji_arita
2024年5月24日 21:58
「琥珀のグラス」物事の終わりは いつだってあっけないものだ世界は一定の原理に従い然るべき方向に流れて行く僕は夢の中の彼奴の事を探し求めている夜の闇は当たり前だけど暗いんだ彼の歌う詩は ひとりで聴くには悲しみが強すぎる危うさが勝ち過ぎている琥珀のグラスの中に想い出を留めた僕が大切にしていたものは 彼の記憶だと気が付いた妙にくっきりとした形の月と風の
2024年5月16日 15:56
「透明な風」必要な言葉は何故だかいつも遅れて後からやって来るあの日 あの時僕等に欠けているものなんて何ひとつ無いそう君に伝えたかったきっと君は微笑んでくれただろう深い緑と青い空を持つ夏だけが其処にあった僕等はもう二度とこの場所に来る事は無いそして君に逢う事も定められた場所に向かうそれぞれの道を歩み続ける僕は一度だけ振り返る其処には形を持た
2024年4月22日 22:21
「小さな炎」僕の足元に寡黙な陽だまりを作り出す太陽時間は更に緩やかに流れる君は猫の様に暗い穴を覗き込んでいる其の先にあるものは君の瞳にしか映らないその暗い穴には深い暗示が隠されていた「今日死んでしまえば 明日は死なずにすむ」君はそう言葉にして囁く其処はいつまでも君が居る場所じゃない何度も君にそう呼び掛ける僕等はきっと何処かに行く事が出
2024年4月1日 08:53
「不動の月」花一輪 在りし日の君 香る春静かに添えた手のひら暗黒の雲に覆われた夜空にさえ音も無く浮かぶ不動の月あやかしの時は遠去かりあの日 夢見たふたりの旅其処に咲いていた小さな花は眠る事無く咲き続ける夜更けに恋をし君の名を呼ぶいつからか 君の言葉の中に愛を探してる
2024年3月31日 04:21
「月下の詩人と盲目の犬」大きな美質と大きな欠陥が背中合わせに存在する其処には見え透いた理論は無い疑問を背負ったまま僕等は今を歩き続けている一匹の盲目の犬何かに損なわれる事が無い様に僕は其の犬を抱きしめていたその失われた瞳を通して彼はこの世界に現れるそして彼の言葉が僕の意識の領域に着地する時間の歩みすら止まる気がしたソメイヨシノが香る時嘘しか
2024年3月29日 19:48
「春の風」行き場を失くした憧憬と忘れられない約束夢の中に見た言葉にならない気持ち時間は記憶の中で絡まり合う僕等の心に刻印された時は決して消える事は無い泣きたいのに無理して微笑む君の顔愛とか希望とかそんな言葉より 君に逢いたい心の空にある虹の欠片に触れた春の風 君の匂いがした
2024年2月10日 22:25
「風と繊月」風と繊月 ふたつの夜溢れる想いは言葉にならず儚く揺れた 月影囁くあの日の詩心に閉じ込めた文字を独り静かに指先でなどる遥か遠くに見える星それでも あの火は消える事なく小さく瞬く時を待ち見上げる夜空春を待てずに花となり想いの蕾を胸に抱く
2024年1月23日 02:43
「彩花」咲きたくて 咲きたくて もう一度 綺麗に咲きたくて貴方の首筋で 胸元で その唇で 小さな想いが静かな恋に変わり 恋が愛に咲き変わる夜僕の傍で 心の中で咲き続けるひと溶かし合い 受け入れ合い この身を束ね ふたりの色彩で染まる花びらもう一度 綺麗に咲きたくて
2024年1月15日 23:17
「MISIA」夜に咲く白い花 濡れた星明かり月夜を渡る風の音 正確に時を刻まない狂った時計と時の概念を必要としない蒼くて細い三日月非現実的で不思議な光を放つ星達が花びらを照らす夜 その花には輪郭が無く影を持たない事を僕は知っていた 本当は怖いんだと君は小さく囁いた逢えなかった夜を悔やんではいない通り過ぎて行った赤いアウディ夢に花 花に
2024年1月14日 12:46
「遺書」淡い色調の風景が淡々と場面の転換も無く続く切れ目なく流れるエンドレスミュージックの様に深い本心を語る彼女の穏やか声 そして遺書心に抱えた小さな地獄に感謝したそれを知らない人には小さな幸せに気付けない奇妙な空白に名前の無い風が吹く覚醒の手掛かりを失った夢深く椅子に腰掛け 片足を切落とされた幻覚の中で未来の夢を見ていた古い手紙や日記 写真ア
2024年1月10日 20:40
「真白に輝く黒き羽根」僕は彼女の小さな唇の動きを見逃さなかったほんの少し口元が動いた気のせいじゃ無い君は夢の中で眠り続けている悪い夢を忘れる事が出来ないまま白く鋭利な刃の様な三日月霞んで消えそうな星屑闇に包まれた漆黒の夜時は巡り時間は流れる今は静かに太陽が燃える時を待つやがて生まれた朝が眩しい陽の光を連れ君を照らす黒き羽根は光を帯び真白に輝く
2023年12月23日 21:51
「想い歌」きっと単純な事なんだ空に雪が降る様に君の嫌いなところと 好きなところ数えてみた 風を待つ花と月を呼ぶ夜と君の声を待っている僕と溢れ出した熱僕の中の君と 君の中の僕と 触れた指先 毎年 冬になると必ず同じ匂いがする涙は暖かい事を知った何処かで聴いた想い歌もう直ぐクリスマスがやって来る
2023年12月16日 19:11
「浅い夢」記憶の中の陽射に揺れる君の面影世界中の時計を巻き戻し夢の中で眠った答えにはいつも形なんて無くて何気ないあの時の1秒に永遠を見ていた僕がもっと強くなる事で君が微笑んでくれるならこの腕に君を…浅い夢 薄れてゆくはずの想いは孤独と自由と柔らかな後悔と君の髪の香り つまらない嘘で誤魔化した強がりふたりを繋いでいた大切なもの確かに僕は君に恋を
2023年10月2日 20:38
「古の詩」古の詩 昼間の透けた月咲き誇る花 本当の声強く感じ強く願う 静寂の中揺れる雅な風答えなんて無くても問い続けた美しき幻は光の淵に汚れなき一途な想いは運命の波動未来へ向かう階段は君と手を繋いで魔法にかけられた古の詩時の狭間 夢の中で抱きしめた人