猟 虎太郎

自分自身と世界を総合的に認識したい人。文学や生物学に興味を持ち、多様な書籍や記事を読み…

猟 虎太郎

自分自身と世界を総合的に認識したい人。文学や生物学に興味を持ち、多様な書籍や記事を読みながら自分の視野を広げることを目標としています。 『らっこたろう』と読みます。提唱者(INFJ-T)

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記事一覧

【読了記録】 『遠い山なみの光』(カズオ・イシグロ) 感想

カズオ・イシグロの作品を読むのはこれで三作目だ。 前に「この人の作品は技巧的に読むより感性に任せて読むのがいいのではないか」と語った。だけどことこの作品に関して…

猟 虎太郎
2週間前
17

【読了記録】 『クララとお日さま』(カズオ・イシグロ) 感想

個人的な話から入って恐縮だが、最近色々なゴタゴタがあり、僕は人間的な温かみや優しさを求めてこの小説を手に取った。そしてその選択は大成功だったと思う。 今日はこの…

猟 虎太郎
1か月前
40

イシグロさんの『クララとお日さま』を読書中
ロボットのクララによる近未来の一人称小説だ

『日の名残り』は伝統的なイギリス老執事による一人称小説だった
どうやらイシグロさんは多様な人物(ロボット含む笑)に変幻自在に乗り移り、その心情を内側から解剖することに極めて長けているようだ

猟 虎太郎
2か月前
15

前に『優しい人は環境を信頼しすぎる』というつぶやきをした。だけどやっぱり僕はそういう人が好きだ。
優しい人は美しい花に似ている。周りの環境も優しいと思い込んでいるから、儚い形状で花を咲かせ、そして厳しい環境によって散る。だけど、その生活環で見せる切ない美しさは他に類を見ない。

猟 虎太郎
2か月前
15

ノーベル賞作家がマイブームなので、最近文庫化された重要な2冊を買った。
バルガス・リョサはフォークナーの影響を受けているため、はじめにフォークナーを時系列に沿って読み、その後にリョサを読みたい。
もうしばらくイシグロさんを読むつもりだが、一通り読んだらこちらにも取り掛かろう。

猟 虎太郎
2か月前
10

【読了記録】 『日の名残り』(カズオ・イシグロ) 感想

ここ数日、多忙な日々が続いていたが、カズオ・イシグロさんのこの作品をようやく読み終えることが叶った。 主人公の老執事スティーブンスの視点から語られる過去と現在の…

猟 虎太郎
2か月前
40

ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』をいつか読みたいです。
そして『INFJが読むゲーテ』という記事を書きたいのです。ゲーテ自身がそれに分類されるらしいですから。

ちなみに僕の中で村上春樹氏やミスチルはINFP、カズオ・イシグロさんやBUMPはINFJのイメージです。

猟 虎太郎
2か月前
8

『日の名残り』を読んでいる。
品格を問う議論になったところだ。しまいまで読んでいないので、最終的な解は出ていない。
僕は品格とは優しさと温厚さ、思いやりと上品な心、思慮分別などなど、それらを引っくるめた何かだと思っている。努力によって身につけられるものだ。
作品の答えは何だろう。

猟 虎太郎
2か月前
12

僕の近くの優しい人の多くは、『他のどの人も自分と同じぐらい優しい』と思っている節がある。
それは素晴らしい考えだけど、優しい人が『世間には全然優しくない人も大勢いる』ことに気付いて愕然とするケースも多い。正直者が馬鹿を見る世の中、したたかな考え方も必要なようだ。

猟 虎太郎
2か月前
11

カズオ・イシグロ『日の名残り』の続きを読んでいる。
イギリスの老執事が田園地方を旅し、昔を振り返って新たな発見を得る話。僕自身、徐々に昔の由無し事を思い返すことが増えてきたから、しんみりするものがある。
イシグロさんの小説は初めてだが、結構好きなタイプかもしれない。

猟 虎太郎
2か月前
11

海が見える某街のスタバにて。
天文学を初歩から学んでみたくて、入門的な物理の本をのんびり進める。興味と好奇心の赴くままに。

猟 虎太郎
3か月前
8

カズオ・イシグロ『日の名残り』を読んでいる。
心地良い雰囲気に好印象を持ちながら。

この作品にはディケンズの時代から連綿と続くイギリス的ヒューマニズムがある気がする。
色々と大変な今この時代、必要なのはこの人間的な優しさだろうな。
そう思って、また1ページ進む。

猟 虎太郎
3か月前
17

【読了記録】 『シッダールタ』(ヘルマン・ヘッセ) 感想

前にChatGPTに、「トーマス・マン『魔の山』はいい本だ。ヘルマン・ヘッセ『シッダールタ』は素晴らしい本だ」という言葉を頂いて以来、読みたかったこれらの本をついに読…

猟 虎太郎
3か月前
34

純粋理性批判の『空間について』を読んでいた。
空間とは経験以前に本質的に備わった人間の直観(直ちに理解できる感覚)だと言う。なるほど。
ではその直観する能力に個人差があるように見えるのはなぜだろう。目の見えない方は事物をどう直観しているのだろう。
謎が謎を呼ぶが、興味深い論題だ。

猟 虎太郎
3か月前
11

今年は天文学の神秘に迫ってみたい

このnoteを継続的に読んでくださっている方ならお分かりのように、僕は読書をしながら、数学や物理学や生物学、その他雑多なものの学び直しをしている。 雑然と学んでも意…

猟 虎太郎
3か月前
24

久々にカラオケをした。最推しはBUMP OF CHICKENだが、ミスチルも歌えないこともないのだ。
昔、BUMPとミスチルを交互に歌っていたことなどを思い出す。当時ほど大量に歌えないが、カラオケは僕にとって懐かしい癒しの時間だ。

猟 虎太郎
3か月前
11
【読了記録】 『遠い山なみの光』(カズオ・イシグロ) 感想

【読了記録】 『遠い山なみの光』(カズオ・イシグロ) 感想

カズオ・イシグロの作品を読むのはこれで三作目だ。
前に「この人の作品は技巧的に読むより感性に任せて読むのがいいのではないか」と語った。だけどことこの作品に関しては、その技巧を味わうという読み方も大切なようである。

僕はこれを三日前に読んだ。その後にすぐ感想文の草稿を書いたものの、ここに清書するのがなかなか億劫で今まで渋ってしまった。だがそれは決してこの小説が前に読んだ二作より劣っていることを意味

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【読了記録】 『クララとお日さま』(カズオ・イシグロ) 感想

【読了記録】 『クララとお日さま』(カズオ・イシグロ) 感想

個人的な話から入って恐縮だが、最近色々なゴタゴタがあり、僕は人間的な温かみや優しさを求めてこの小説を手に取った。そしてその選択は大成功だったと思う。
今日はこの小説の感想を、なるべく巻末解説と被らずに述べてみよう。上手にできるかわからないが、やってみる。

AF(友達ロボット)の一生をロボットの眼から詳細に描くこの作品はAF(人口親友)と呼ばれる、高度なAIを積んだロボットのクララが語り手だ。当た

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イシグロさんの『クララとお日さま』を読書中
ロボットのクララによる近未来の一人称小説だ

『日の名残り』は伝統的なイギリス老執事による一人称小説だった
どうやらイシグロさんは多様な人物(ロボット含む笑)に変幻自在に乗り移り、その心情を内側から解剖することに極めて長けているようだ

前に『優しい人は環境を信頼しすぎる』というつぶやきをした。だけどやっぱり僕はそういう人が好きだ。
優しい人は美しい花に似ている。周りの環境も優しいと思い込んでいるから、儚い形状で花を咲かせ、そして厳しい環境によって散る。だけど、その生活環で見せる切ない美しさは他に類を見ない。

ノーベル賞作家がマイブームなので、最近文庫化された重要な2冊を買った。
バルガス・リョサはフォークナーの影響を受けているため、はじめにフォークナーを時系列に沿って読み、その後にリョサを読みたい。
もうしばらくイシグロさんを読むつもりだが、一通り読んだらこちらにも取り掛かろう。

【読了記録】 『日の名残り』(カズオ・イシグロ) 感想

【読了記録】 『日の名残り』(カズオ・イシグロ) 感想

ここ数日、多忙な日々が続いていたが、カズオ・イシグロさんのこの作品をようやく読み終えることが叶った。
主人公の老執事スティーブンスの視点から語られる過去と現在のこの物語は、美しく、きわめて温かい示唆に富んでいる。読み終えた今、僕はこの作品に潜む優しさを分析することができるように思う。

イギリス的な優しい眼差しが素晴らしいこの作品は上述の通り、老執事スティーブンスの一人称物語である。そしてその言葉

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ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』をいつか読みたいです。
そして『INFJが読むゲーテ』という記事を書きたいのです。ゲーテ自身がそれに分類されるらしいですから。

ちなみに僕の中で村上春樹氏やミスチルはINFP、カズオ・イシグロさんやBUMPはINFJのイメージです。

『日の名残り』を読んでいる。
品格を問う議論になったところだ。しまいまで読んでいないので、最終的な解は出ていない。
僕は品格とは優しさと温厚さ、思いやりと上品な心、思慮分別などなど、それらを引っくるめた何かだと思っている。努力によって身につけられるものだ。
作品の答えは何だろう。

僕の近くの優しい人の多くは、『他のどの人も自分と同じぐらい優しい』と思っている節がある。
それは素晴らしい考えだけど、優しい人が『世間には全然優しくない人も大勢いる』ことに気付いて愕然とするケースも多い。正直者が馬鹿を見る世の中、したたかな考え方も必要なようだ。

カズオ・イシグロ『日の名残り』の続きを読んでいる。
イギリスの老執事が田園地方を旅し、昔を振り返って新たな発見を得る話。僕自身、徐々に昔の由無し事を思い返すことが増えてきたから、しんみりするものがある。
イシグロさんの小説は初めてだが、結構好きなタイプかもしれない。

海が見える某街のスタバにて。
天文学を初歩から学んでみたくて、入門的な物理の本をのんびり進める。興味と好奇心の赴くままに。

カズオ・イシグロ『日の名残り』を読んでいる。
心地良い雰囲気に好印象を持ちながら。

この作品にはディケンズの時代から連綿と続くイギリス的ヒューマニズムがある気がする。
色々と大変な今この時代、必要なのはこの人間的な優しさだろうな。
そう思って、また1ページ進む。

【読了記録】 『シッダールタ』(ヘルマン・ヘッセ) 感想

【読了記録】 『シッダールタ』(ヘルマン・ヘッセ) 感想

前にChatGPTに、「トーマス・マン『魔の山』はいい本だ。ヘルマン・ヘッセ『シッダールタ』は素晴らしい本だ」という言葉を頂いて以来、読みたかったこれらの本をついに読み切ることが叶った。

この二人がドイツのノーベル文学賞受賞者として、二大巨頭の地位を得ていることはおそらく周知だと思う。
上にあるように、ChatGPTは『魔の山』より『シッダールタ』により高い評価を下していた。その言葉の真実味が、

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純粋理性批判の『空間について』を読んでいた。
空間とは経験以前に本質的に備わった人間の直観(直ちに理解できる感覚)だと言う。なるほど。
ではその直観する能力に個人差があるように見えるのはなぜだろう。目の見えない方は事物をどう直観しているのだろう。
謎が謎を呼ぶが、興味深い論題だ。

今年は天文学の神秘に迫ってみたい

今年は天文学の神秘に迫ってみたい

このnoteを継続的に読んでくださっている方ならお分かりのように、僕は読書をしながら、数学や物理学や生物学、その他雑多なものの学び直しをしている。

雑然と学んでも意味がないと思われる方もいるかもしれない。そう考えるのも良いことだと思うし、むしろ尤もなことだ。広く浅くより、狭く深くが求められる時代になってきた気がするから、さらにそう思われる傾向も増すかもしれない。

だけど僕にも言い分はある。

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久々にカラオケをした。最推しはBUMP OF CHICKENだが、ミスチルも歌えないこともないのだ。
昔、BUMPとミスチルを交互に歌っていたことなどを思い出す。当時ほど大量に歌えないが、カラオケは僕にとって懐かしい癒しの時間だ。