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月刊『抽象的な歩き方』

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様々なフリー切符や長旅に出た記録の置き場。
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2023年9月の記事一覧

ACT.52『あの感情へ、一歩…2』

ACT.52『あの感情へ、一歩…2』

北の街並みへ

 特急、すずらん3号は札幌に到着した。遠回りな形で石勝線経由、そして室蘭本線の乗車間違いを挟んでの結果となってしまったがこうして札幌の地を踏む事が出来た。
 幾らこの駅を通過していたとしても、
『降りて駅名標を見る事』
で得られる感動感というのは大いなるものがある。
「遂に札幌に来たんだ、」
と自分は高らかなる気持ちを持っていた。
 ただ、実際は
「自動放送のご案内は私、大橋俊夫で

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ACT.51『あの感情へ、一歩』

ACT.51『あの感情へ、一歩』

清らかなる朝に思いを

 安平町・追分を出発する時がやってきた。早朝の時間には送迎や朝食のサービスはないので、そのまま布団を戻して駅に向かって歩く事になる。
「もう少し、話をしていたかったものだな…」
と感じながら、車で登ってきたであろう道を歩いた。
「こうなっていたのか、北海道らしいなぁ」
と思いつつ、傾斜の続く大地を踏み締めて駅に向かう。国鉄の思いを共有できる数少ない人だったが、次にこうした世

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ACT.50『若人の国鉄』

ACT.50『若人の国鉄』

聖地追分

 まず。この記事を記す前に。
 大長編北海道の最中になりましたが、なんとか50話目まで記す事が出来ました。これも皆さんのスキ、そして閲覧や支援のおかげでございます。これからも様々な旅路を記して参りますので何卒。
 というわけで…この追分は、日本鉄道史と国鉄を愛する自分にとって『聖地』としての要素が非常に強い。
 何より、その中には国鉄の中で動力近代化計画の最中で最後まで蒸気機関車が残存

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ACT.49『どうすんの?』

ACT.49『どうすんの?』

事故!!事故!!!

 まず、この49話目を読むという方より。話は少し遡って48話目から読むのを推奨致します。
 と、48話目の話最後で特急すずらんを少年家族と見送った微笑ましい光景があったと思う。実は、本来であればあの特急すずらんに乗車して南千歳まで乗車している計画だったのである。
 と、白老の改札に到着してこの状況。行程を箇条書きし、予定に記したホチキス留めのメモ用紙を見て愕然とした。
「あ…

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ACT.48『いらんからぷて。』

ACT.48『いらんからぷて。』

北海道公用語?

 最初にタイトルを見て困惑された方も居るかもしれないので解説。
 この言葉は、アイヌ語の言葉で
「こんにちは」
という意味の挨拶である。普段は聞き慣れない言葉だが、北海道。そしてJR北海道の列車に乗車しているとこの言葉での挨拶を多く耳にする事になる。
 最初にこの挨拶を(しかも大橋俊夫さんの声で)聞いた時には爆笑寸前になるかと思ったのだが、非常に北海道では標準的に使用されているよ

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