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#覚悟
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第二十一話 子どもはいつも親の期待に添って生きようとする
子どもは、いつも親の期待に添って生きようとする
関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康は、我が物顔で大阪城に入ってきた。
私達の君臨する城に堂々と入城する家康に腹が立ったが、秀頼のために怒りを押し隠し、丁重に接待した。
他の大名達の前で
「このたびの戦の勝利は、家康殿のおかげです」
と花を持たせた。
そして家康に杯を持たせ、酒を注いだ。
「ささ、家康殿、どうぞ、その杯を秀頼にお渡し下さい。」
家康は一
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十六話 欲しいものを欲しいと望み手を伸ばすからこそ、与えられる
欲しいものを欲しいと望み手を伸ばすからこそ、与えられる
この時期、元号が天正から文禄に改元された。
もともと元号が変わるのは、天皇が譲位したり、災いを改めるためだった。だがこのたびの改元は、そうではない。
秀吉から秀次に関白の世襲をしたためだ。それはこれから天皇に変わり、武家が天下を支配する、と世間に知らしめるためだった。
まだ妊娠していない私はその現実に唇を噛み、辛い思いでただ眺めるしかなか
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十五話 子種をよこせ!
子種をよこせ!
鶴丸を失った秀吉は、姉の息子秀次を養子に迎えることを私に告げた。私は「必ずまた子を産みますから、それは止めて下さい!」と嘆願したが、秀吉は耳を貸さなかった。早く妊娠して、豊臣の後継者の座を取り戻さなければ、と私は焦った。だが肝心の秀吉は鶴丸を失ったショックで男としての自信も失い、私の元に通うことも少なくなった。このままではいけない、と私は策を練った。
翌日、私は秀吉と秀次、豊
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十一話 give and takeそれも愛の一つの形
give and takeそれも愛の一つの形
天正17年9月13日、私は鶴丸と共に大阪城に入城した。
秀吉は鶴丸が生まれた時から、彼を自分の後継者に決めた。
そのため山城淀城から大阪城まで、豊臣の権勢を誇るように絢爛豪華な大行列が従った。
大阪城に着いた私は、抱いていた鶴丸を乳母に預け、華やかな輿から降り大阪城に足を踏み入れた。
秀吉は上機嫌で、私達を迎えに来た。鶴丸を見るなり顔中をくしゃくし
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第九話 本当に欲しいものを、どれだけ自分に与えられる?
本当に欲しいものを、どれだけ自分に与えられる?
それから私は病気を理由に、しばらく秀吉と距離を置いた。子宮が受け取った子種がしっかり根付くよう、毎日布団の上に横たわった。
治長はなに事もなかった顔で、私に仕えている。彼は私の部屋の外で番人のように私を守り、控えている。襖一枚隔てた場所に治長がいる。呼べばいつでもそばに来る。それを考えると子宮がキュン、とうずく。あの夜の深い大きな波に飲まれたエクス
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第八話 女は楽器、それを奏でる男で音色は変わる
女は楽器、それを奏でる男で音色は変わる
男と女が褥をともにすること。sexするのは誰としても同じだと思っていた。
秀吉は30歳も年上でたくさんの側室もいるし、経験も豊富だ。
だから私は彼から与えられる閨のことが、男と女のすべてだと思っていた。治長は最初から、秀吉と違った。
治長は高価な青磁の器を扱うように、大切に私に触れる。
触れながら、触れられながら、わたしは幼い頃を思いだした。
同じ乳を飲
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第七話 秘密は女を美しくさせる
秘密は女を美しくさせる
「ああ、今回も・・・・・」
月のものをトイレで見た私は、ため息をついた。
自分の子宮から流れる赤い血が、忌々しい。
まるで
「お前には子どもはできぬ」
とらく印を押されたようで、落ち込む。
子が
子どもがほしい。
私の子が欲しい。
もしこのまま、ずっと秀吉の子を身ごもることができなかったら?と思うとゾッとする。あの好色の秀吉のことだ。私に飽き、またすぐ新しい女に目を移
リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第四話 秀吉は、私が初めて身体を開いた男だった
秀吉は、私が初めて身体を開いた男だった
秀吉は、私が初めて身体を開いた男だった。その行為は、とても苦痛だった。私の両足は開かれ、すべてさらけ出された。屈辱感と逃げたいほどの恥ずかしさで、固く目を閉じ、唇を噛みしめ耐えた。
むき出しにされた花芯に、女にはない男の一部が押し込まれた。下半身が引き裂かれるような強い痛みに、私は何度も「やめて!」と泣き叫んだ。
すると彼は腰を動かすのを止め、私の手を取り