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こころの健康を保つ

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#この経験に学べ

『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』

『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』

『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』
小澤竹俊著

著者は、1963年東京生まれで、1987年に東京慈恵会医科大学を卒業し、1991年に山形大学大学院医学研究科の博士課程を修了。救命救急センターや農村医療に従事した後、1994年から横浜甦生病院ホスピス病棟にて病棟長を務め、3000人以上の患者を看取った。2006年にめぐみ在宅クリニックを開院し、2015年には一般社団法人エンドオブライフ・

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『1984』

『1984』

『1984』
ジョージ・オーウェル著

1949年に発表されたいわゆるディストピア小説。

核戦争後の1984年の世界を舞台に、オセアニアという国家に住む主人公ウィンストン・スミスの日常が展開される。

ビッグ・ブラザーと呼ばれる党首が絶対的な権力を握り、テレスクリーンという監視器や思想警察によって人々の行動や思考が厳しく管理されてる。

ウィンストン自身は、党の都合に合わせて歴史や事実を改竄する

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『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』
カズオ・イシグロ著

(再読版)

物語は、主人公のキャシー・Hは、孤児院の友人たちと一緒に、生き方を模索する。孤児院の子供達は、次第に自分たちがどのような運命に置かれているのかを知る。彼らは粛々と、死ぬ運命を受け入れつつも、希望を捨てずに生きる、という話。

普通の教育を受けているのだから、自分の運命を知ると発狂するものではないのだろうか?とか、思ってしまったのだけど。

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『白痴 3』

『白痴 3』

『白痴 3』
ドストエフスキー著
亀山郁夫 訳

登場人物が多くて難解な作品で、ムイシユキン公爵、ロゴージン、イッポリートがナスターシアとアグラーヤという美女を巡る複雑な三角関係が展開される。

文章には独特の引力があって、理解が難しいものの、魅了される。 2度読みしているのに、なかなか理解が難しい。

愛情深く破滅的なナスターシア。
世界をひっくり返す美しさとされるアグラーヤ。

ムイシュキン公

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『マリーの愛の証明』

『マリーの愛の証明』

『マリーの愛の証明』
川上未映子著

マリーは「死ね」という言葉を使うことができなかった。もちろん口に出すことはできないし、頭で考えることもできない。そんなマリーはミア寮というところで暮らしている。最近別れた元恋人カレン(女性)から、自分のことを愛していたのか?と問われる。という話。

何だこれは⁇なのだけど、案外深い話なのだと思った。

キーワードとして、「虐待」,「愛情」で、検索してみた。そう

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『スタートライン』

『スタートライン』

『スタートライン』
喜多川泰著

『あなたが見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい』

『明日死んでしまうかのように生きなさい。そして永遠に生き続けるかのように学びなさい』

「向かい風が強いいうことは、前向いて走ってる証拠や。」

物語の冒頭に三連発の名言で始まる。

物語は大きくは五部構成で、主な登場人物は伊福大祐、長森真苗の二人。

第一部は、高校生18才の伊福大祐の目線で同級生の長森真

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『普請中』(ふしんちゅう)

『普請中』(ふしんちゅう)

『普請中』(ふしんちゅう)
森鴎外著

実録版、その後の『舞姫』と言われている作品。エリス来日の時にあったかもしれない話だと言われている。

登場人物はドイツ人女性と日本の官僚(渡辺)。渡辺がドイツに留学していた時、二人は恋人同士だったという設定。

普請中(改装中)のホテルで会食する二人なのだけど、男性の態度は冷ややか。そして、そのまま、女性は旅立っていく。という話。

物語のシーンとしては、そ

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『なべちゃんの嫁』その2

『なべちゃんの嫁』その2

『なべちゃんの嫁』(その2)
辻村深月著

以前書いたレビューをChatGPT に読み込ませて、物語の紹介文を出力してみた。

『大学時代に「よい人」として女子たちに便利に利用されていた青年・なべちゃんが、とうとう結婚することになりました。しかし、相手の「嫁」にはいろいろと問題が…。そんな彼と、大学時代の友人たちは再び集まります。結婚を通じて、彼らが直面する人間関係や幸せについて考える、切なくも温

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『伊豆の踊子』

『伊豆の踊子』

 『伊豆の踊り子』
川端康成著

これも、高校生くらいの時に読んだと思うのだけど、義務感で読んでいたもので、ほぼ、記憶がない。「天城越え」くらいかな、覚えているのは。

自伝的な小説らしい。
始めは、追っかけのように、旅芸人一家を追っかけまわしていたので、変態的な話かとおもっていたが、そうではないのだなあ。

恋愛的な側面もあるのだけれど、どちらかといえば、半分鬱でよくわからなくなっていた時、暖か

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『屋根の上のサワン』

『屋根の上のサワン』

『屋根の上のサワン』
井伏鱒二著

山椒魚と同様に、今回は、
一羽の雁を飛べないようにして自分の狭い世界に閉じ込めてしまう。そして、名前をサワンと付ける。

傷の手当てもしてもらっていたこともあって、サワンもはじめは、なつくのだけど、空を飛ぶ雁の群れを見て、悲しんだ。

最終的には、サワンは、羽ばたいていなくなってしまう。
残されたものは、悲しむ。

感覚的には、失恋に近いものなのではないか?と思

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『「女らしさ」とは何か』

『「女らしさ」とは何か』

『「女らしさ」とは何か』
与謝野晶子著
与謝野鉄幹と不倫の末、結婚。子供は、12人。ってすごいなあと思った。

「女らしさ」とは、愛情豊かで、優しいことなのか?子供への愛情は、「女らしさ」というよりも、人間性の問題だろう!

「女らしさ」というものが、男にとって都合よく定義されて、女性が不利益をうけていることを主張し、本来、人間性の問題で、男女に違いはないということを説いた本。

1921年にこ

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『十三夜』

『十三夜』

『十三夜』
樋口一葉著

裕福な家に嫁いだ主人公の『お関」の悲惨なDV被害の物語。

離婚したいと実家に逃げ込む。ひどい被害を受けているという話を聞いて、母親は、即離婚をすすめるのだけど、父親からは離婚を思いとどまるように諭される。再び、嫁ぎ先に戻ろうとして乗った人力車の運転者は、幼ななじみで、もともと、いいなずけだった「縁之助」。

縁之助は、お関が裕福な家に嫁いでしまってから、落伍していき無一

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『女のいない男たち』

『女のいない男たち』

『女のいない男たち:ドライブ・マイ・カー』
村上春樹著

本書は、6つの短編で構成されているのだけど、ここでは、そのうちの一編 ドライブ・マイ・カーを取り上げる。

映画も見たのだけど、何だかよくは分からなかったので、読んでみた。
読んでみると、伏線だらけで、それら散りばめられている伏線を紐解かないと、なかなか、わからない話なのだなあと思った。

主人公の家福には妻がいた。そして、癌で死んでしまっ

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