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『ジョブ理論』とは? 天才教授が解き明かすマーケティング理論!

 クレイトン・M・クリステンセン教授によって提唱された『ジョブ理論ーイノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』は、従来の「製品中心」のマーケティング思考から脱却し、顧客の「ジョブ」に焦点を当てた革新的な考え方です。わたしの愛読書なので紹介してみようと思います。

 はじめに紹介しておきたいのが、クレイトン・M・クリステンセン教授のスゴすぎる経歴です。

1975年にブリガムヤング大学経済学部を首席で卒業後、1977年にオックスフォード大学で経済学修士、1979年にハーバード大学ビジネススクールで経営学修士を取得。卒業後、ボストン・コンサルティング・グループで製品製造戦略のコンサルティングに従事し、ホワイトハウスフェローとしてエリザベス・ドール運輸長官を補佐。1984年にMITの教授らとセラミック・プロセス・システムズを起業し、社長・会長を歴任。1992年に退社しハーバード大学ビジネススクールの博士課程に入学、2年で経営学博士号を取得。博士論文は複数の賞を受賞。その後、コンサルティングファーム、イノサイトを創設。

もし、生きていたらノーベル賞を取得した方かもしれませんね……。

 本書では、ジョブ理論の核となる以下の概念を深く掘り下げ、具体的な事例と実践方法を用いて解説しています。


ジョブ理論とは

 消費者の購買行動を理解する際に使用される理論です。 従来のマーケティング理論では、商品の機能や性能などのスペックを重視していました。しかし、ジョブ理論では、消費者が商品やサービスを購入する目的である「ジョブ」に焦点を当てます。 「ジョブ」とは、消費者が抱えている課題や解決したい問題のことを指します。例えば「洗濯を楽にしたい」というジョブに対して、洗濯機やコインランドリーといった商品やサービスが解決策として提案されます。 ジョブ理論によると、消費者は 商品やサービスのスペックよりも、ジョブを解決できるかどうかを重視して購買決定を行います。つまり、消費者が求める 「ジョブ」を正確に理解し、それを解決できる商品やサービスを提供することが、マーケティングにおいて重要になります。

顧客の「ジョブ」とは何か?

 顧客が商品やサービスを購入する理由は、単なる機能やスペックではなく、「ジョブ」と呼ばれる課題解決にあります。ジョブとは、顧客が日常の中で抱える「困りごと」や「したいこと」であり、具体的な状況によって異なります。
この章では、顧客インタビューや行動観察などを通じてジョブを抽出し、顧客の真のニーズを理解する方法を解説しています。

顧客の「ジョブ」はどのように変化するのか?

 ジョブは、顧客の状況や価値観の変化によって時間軸で変化していく動的な概念です。イノベーションを起こすためには、変化するジョブを的確に捉え、それに対応した商品やサービスを提供する必要があります。
この章では、ジョブ変化のパターンを分析し、変化の兆候を察知する方法を解説しています。

顧客の「ジョブ」を解決する商品・サービスの開発

 ジョブを解決する商品やサービスを開発するには、顧客のニーズを深く理解した上で、独創的な解決策を生み出すことが必要です。 この章では、ジョブストーリーや価値提案といったツールを用いて、顧客に感動を与える商品やサービスを開発する方法を解説しています。

 ジョブストーリーとは、顧客がジョブを解決するためにどのように商品やサービスを活用するのかを具体的に描いたストーリーです。

 価値提案とは、顧客に提供する商品やサービスの価値を明確に示したものです。 これらのツールを用いることで、顧客が求める「本質的な価値」を明確にし、顧客に共感を与える商品やサービスを開発することができます。

ジョブ理論に基づくマーケティング戦略

 ジョブ理論は、マーケティング戦略のあらゆる側面に活用することができます。この章では、商品開発、価格戦略、販促活動、顧客関係構築など、具体的なマーケティング活動におけるジョブ理論の実践方法を解説しています。

 例えば……、

  • 商品開発において、顧客のジョブを解決する商品やサービスを開発することが重要です。

  • 価格戦略においては、顧客がジョブの解決に対して適切な価値を感じられる価格を設定する必要があります。

  • また、販促活動においては、顧客のジョブに共感し、解決策を訴求するメッセージを発信する必要があります。顧客関係構築においては、顧客のジョブを理解し、継続的に価値を提供することで、顧客との長期的な関係を築くことができます。

 このように、ジョブ理論に基づいたマーケティング戦略を立てることで、顧客に真の価値を提供し、顧客満足度の高い商品やサービスを提供することができます。

ジョブ理論の事例


 この本では誰もが知っている「アップル」「トヨタ」「ディズニー」の3事業が行ったジョブ理論の実例が、次のように紹介されていました。

  1. アップルは「忙しい人のための情報へのアクセス」というジョブを解決するために、iPhoneやiPad といった革新的な製品やサービスを開発した

  2. トヨタは「安全で快適でエコな移動手段」というジョブを解決するために、プリウス といった燃費性能の高い自動車を開発した

  3. ディズニーは「家族で楽しめるエンターテイメント」というジョブを解決するために、ディズニーランド といったテーマパークを運営した

 これらの企業は、ジョブ理論を深く理解し、顧客のジョブを的確に捉えることで、イノベーションを起こし、持続的な成長を遂げることができました。
「アップル」「トヨタ」「ディズニー」が実践した成功の秘訣。この本を読めばあなたも顧客のジョブに応えることができるようになり、ビジネススキルも飛躍すること間違いなしです!

おわりに

『ジョブ理論』は、イノベーションを起こし、持続的な成長を実現するための強力なツールです。

 本書は、ジョブ理論を体系的に学び、実践するための必須読書と言えるでしょう。
 ぜひ、手に取って読んでみてください!

あなたもジョブ理論を活用して、顧客の心をつかみ、持続的な成長を実現する方法を学んでみませんか!


【編集後記】
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