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いいなあ!とか、おもしろい!!と思った記事を集めてます。書いてくださったnoterさんに感謝。
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三年間。no+eの街の路地裏で「なんのはなしですか」と叫んでいた。

三年間。no+eの街の路地裏で「なんのはなしですか」と叫んでいた。

皆様ご存知の通りnoteの街の世界には、このような言葉があります。

だれもが創作をはじめ、
続けられるようにする。

この言葉を真摯に受け止め、且つ真面目に本気で力の限り三年間かけて、ありとあらゆる方法でこれを実践した話を書きます。

真実か嘘かの言及も致しません。強いて言うならば「なんのはなしですか」と感じていただければと願います。

はじまりは一つの言葉でした。「なんのはなしですか」という言

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「telecine」

「telecine」

 十年前、わたしは恋をしていた。
 16㎜フィルムの荒い粒子の向こう側、白くぼやぼやとした世界のなかで、わたしはきみを追いかけていた。
 きみと過ごしたのはせいぜい一年と少しで、そのうちの半分はわたしの片思いだったのに、わたしにはそれが、何よりも長く濃い一年だったような、そんな気がします。それはきみと過ごしたからというのはもちろん、わたしがまだ本気でカメラをやっていたからです。あの頃、わたしは夢を

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「おはよう、私」②(短編連作小説 & 音楽)第2話

「おはよう、私」②(短編連作小説 & 音楽)第2話

前回のお話しはこちら ↓

第2話・葵

 朝。
 アラームの音が意識に届く。

 細く開いたカーテンの隙間から、細い光がこぼれている。
 ああよかった今日はいい天気なんだなと、まだ半分眠りの中にいる頭で反射的に考える。

* * * *

 昨日の朝は雨だった。

 雨の日は、子どもを保育園に送るのにいつもより時間がかかる。
 レインコートを着こみ、自転車の後ろに乗せた子どもに椅子ごとすっぽり

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【もしも現世で、太宰治がnoteを書いたら】

【もしも現世で、太宰治がnoteを書いたら】

太宰です。

また自殺して、ごめん。

まさか転生した先の世が、こんなにも、自殺を悪とする時代だったなんて、思ってもみなかったのです。私が間違えておりました。すみません。あぁこうして謝っていると死にたくなってくる。あ、また言ってしまった。ほら、これはもう、口癖みたいなものなのです。

私はあの頃、いったい何を考えて、どんな気持ちを抱えて、「生きて」いたのでしょうか。

もしも生まれた時代が、現世“

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「魔法の文学館」に行ってきました

「魔法の文学館」に行ってきました

今月ついにオープンした、角野栄子さんの「魔法の文学館」。
計画を耳にした時から、ずっと楽しみに待っていたので、ワクワクしながら足を運びました。

ちなみに、建築家の隈研吾さんが手がけたこの建物は、いくつもの小さな家が、白い花びらのように寄り集まっているような構造になっているそうです。

中に入ると、一面に広がる鮮やかな「いちご色」の世界。
角野栄子さんのお気に入りの色だとか。

また、あちこちに小

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サラティガ、月

サラティガ、月



INDONESIA

 昨年の暮れから今年にかけて、わたしはここインドネシア、首都ジャカルタの高層ホテルの一室で、ただ茫然と日を送り続けていた

その小さな旅はもちろん、誰に命じられたわけでもなく、自分の意志で年末年始の休暇を過ごすために、航空券と中央ジャカルタのデザイナーズホテルを押さえておいたのだ

 だが、結局、いったい何をしに、あるいは何を観に来たのかが自分でもわからないままだった

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【雑記】『正義の反対はもうひとつの正義だ。』幼い私は死神博士に教えてもらったのかもしれない

【雑記】『正義の反対はもうひとつの正義だ。』幼い私は死神博士に教えてもらったのかもしれない

 『正義の反対はもうひとつの正義だ』

 『正義の反対はもうひとつの正義だ』ネット・ミームで昨今流れるこの言葉、私は、これは真意であると思っております。
世は既に第三次世界大戦に入っていると囁かれています、その当事者同士もまさに冒頭のネット・ミームの通りでしょうし、企業間の取引だってそう、個人の慎ましやかな日々の生活に落とし込んでみても、幾らでも当て嵌まります。
このような考え方は、私個人としては

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『街とその不確かな壁』ー村上春樹さん6年ぶりの長編小説

『街とその不確かな壁』ー村上春樹さん6年ぶりの長編小説

「きみがぼくにその街を教えてくれた。
 その夏の夕方、ぼくらは甘い草の匂いを嗅ぎながら、川を上流へと遡っていった」。

 こんな素敵な出だしから始まる、村上春樹さんの6年ぶりの長編小説。
 10代の終わりに衝撃とともに出会い、間違いなくわたしを形づくるもののひとつになった『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の、別の世界線かつ「その先」の物語。
 読みながら胸がいっぱいになって、途中で何度

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【小説風】‘’おじさん‘’だって褒められたい

【小説風】‘’おじさん‘’だって褒められたい

【おじさんの特徴を理解して社会で共存する方法.2】
2022年4月4日、私は40歳の誕生日を迎えた
それは同時に「人類の敵」とも言うべきオジサンの仲間入りをしたことを意味している
これからの私の人生に一体何が待ち受けているのだろうか?
そんな不安と格闘しながらも、オジサンは常に懸命に日常を生き抜いて行くのだ

それでは今回も私に起きた「ある出来事」を紹介させて頂きますね

(過去の物語はこちらから

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