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雑記

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2020年11月の記事一覧

知識のひけらかしについて

教養は上手く使えば善く生きる最高のツールになる一方で、それに付随する知識をひけらかして優越感に浸る危険なツールにもなり得る。教養主義は後者に使われることによってよく批判の対象になる。

僕もよく「この知識を使ったらひけらかしになるよなー...」と考えたりする。先日も友人と美術館に行った時にも美術史的な観点で話を振ろうとした時も躊躇した。知識を然るべきタイミングで使うことは非常に難しくて最近悩んでい

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昼下がりの電車

平日の昼間に電車に乗るとご年配の方々で溢れている。朝の通勤ラッシュ時と歴然として違う点は、皆さん何もされていないということだ。スマホをいじるわけでもなく(恐らく持っていないのか)、本を読むわけでもなく、誰かと話すわけでもなく。
今丁度目の前に座ってらっしゃるおじ様は、小指で耳をほじり始め、リュックサックの上で耳垢を丁寧に並べている。
そんな方達は目的地まで何を見て、考えているのか。そういうことを考

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日々世界の見え方を更新する

本を読んでいると、誰かと話していると、SNSを見ていると、その瞬間までの自分の常識が一変する。最近ではストア哲学を勉強して宇宙の理法にしたがって生きる方法を知ることができたし、友人との対話から自分の常識を見直すことができた。

昨日も授業で「言語はこの世界の全てを伝えることができない。言語は一部分を切り取って伝えるツールだ」と教授が言っていたのを受けて、言語に対する意識が変容した。言語は限られた範

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語彙力

名古屋大学の戸田山和久著『教養の書』を読んだ。これは教養や大学の在り方などについて心理学や哲学、映画などの雑談を交えながら柔らかい語り口で書かれた非常に面白い本だったので是非ご一読あれ!

そこで書かれていたのが語彙についてだ。語彙は思考に結びついているので、語彙力を強化すればするほど豊かな思考ができる。また外国語の習得も同じで語彙を知らなければそれを理解できない。語彙を知らずして外国語ができない

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Totally Different

アメリカ大統領選を経て、ジョー・バイデンさんが次期大統領になることが決まり、その初スピーチを昨日ライブ配信で視聴した。(正式には選挙人による投票によって大統領は最終決定となるが)

スピーチは厳かなものではなく、もはやお祭り。音楽は流れるし歓声は止むことを知らない。またスピーチの内容も家族への感謝や祖父からのメッセージを大切にしていたというバイデンさんの個人的エピソードが話されるなど、家族第一主義

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一人一人の人間がそこにいる

お恥ずかしながら今更『ローマの休日』を初めて観た。個人的にこの面白さはタイトルの通り、「一人一人の人間がそこにいる」ことに焦点を当てていることだと思う。

簡単にあらすじを説明すると、とある国の女王アンは政務の疲れで夜中に宮殿を逃げ出し、街に飛び出し眠り込んでしまう。そこで記者ブラッドリーが彼女の身の安全のため自宅に連れて帰ったところ、女王だと気づいてしまう。記者である彼はスキャンダルによって大金

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パーカーの香り

欧州を旅して1年になる。昨年の今頃はルーブル美術館の「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」のチケットを取れるか否か焦燥感に煽られていたと思う。(丁度昨日から映画『ダ・ヴィンチ・コード』を観ている)

そんな旅をしている中で忘れられないのが一着のパーカーだ。バックパックの荷物を極力積めないために、毎日このパーカーを着て過ごしていた。理由は分からないが、このパーカーには元々独特の香りがあり、旅路で毎日鼻を突き

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つまらないのは関心がないだけ

よく「大学の授業はつまらない」という声を聞く。たしかに、個人的な経験としても教授の声はボソボソしていることが多く、自己啓発を生業としている人がハキハキ話すのに比べて、聞き手の惹きつけ度合いは大きく劣るだろう。

ただこれは授業の内容を考えていない場合に限った話だ。その内容が面白かったり、好奇心をくすぐられるものであれば、たとえボソボソと話されようとも積極的に聴講するのではないか?と僕は思う。

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現実世界から自分を逃す術

毎日ダンテの『神曲』を1歌ずつ読んでいる。『神曲』は全100歌あり、100日分楽しめる。(一応概要を貼っておきます https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%9B%B2 )

本を開いた瞬間、ダンテが描く地獄・煉獄・天国の世界に飛び込むことができると同時に、『神曲』を書いている時のダンテを思い浮かべながら読むことで、当時のイタリアの情勢に思いを馳せること

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夢で古文を話す…?

夢を見ていたらボソッと「〜なるらむ」と自分が呟いていた。大学受験以来、古文に触れていなかったことから驚きのあまり目が覚め、すぐに「古文を話した」とメモを取った。
無意識の世界はすごいなと。本来我々は何でも記憶しているはずで、「忘れた」とみなすのはそれを思い出すトリガーがないだけだということがよく分かる。(ベルクソンとフロイトから無意識を勉強せねば…) 夢はあらゆる記憶を蘇らせるトリガーになり得るの

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自然と言葉が出てくるよね

10月から大学の授業を受け始めて2ヶ月が経とうとしている。最初はそれも全力で受けていたが、流石に面白い授業とそうでない授業がはっきりしてきた。多種多様な授業を取ることは自分の興味を知るいい機会になる。

面白い授業を受けていると先生に質問したくなる。(去年の自分に「1年後の君、先生に質問してるぞ」と伝えたら驚きのあまり卒倒するんじゃないかな笑)つい先ほどの芸術論の授業では、芸術が美術史家の存在意義

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独学は限界か...

僕は基本的に独学で勉強している。読書はその一つだが、一人で読むだけでは自分の読み方を相対化できないので、誰かと同じ本を読んで感想を語り合う必要性は常々感じていた。それを解決してくれるのが読書会だと確信!

昨日、マルクス・アウレリウスの『自省録』を題材に記念すべき第一回の読書会を簡単に行った。これはかなり面白かった。お互いに読んでいる中で印象的に感じた箇所は違うし、相手の解釈に疑問をぶつけてみるな

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きんにくつー

昨日投稿した通り、久々に運動(テニス)をしたことで全身が筋肉痛だ。どこを動かしても痛い。
面白いのが、首の奥や指の付け根、脇の裏まであらゆるところが痛む。運動する時には普段使っていない筋肉を総動員していることが分かる。これは筋肉痛にならないと分からない。
まるで筋肉痛は、本来ご主人様が運動をして使ってくれるはずなのに、全く使ってくれないことに対して悲痛の叫びを上げているようだ。飼われてる犬が全く散

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