現実世界から自分を逃す術

毎日ダンテの『神曲』を1歌ずつ読んでいる。『神曲』は全100歌あり、100日分楽しめる。(一応概要を貼っておきます https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%9B%B2 )

本を開いた瞬間、ダンテが描く地獄・煉獄・天国の世界に飛び込むことができると同時に、『神曲』を書いている時のダンテを思い浮かべながら読むことで、当時のイタリアの情勢に思いを馳せることができる。フィレンツェを訪れた時の個人的な経験をも思い起こさせてくれる。(ダンテの創造力、圧倒的な教養、詩的美しさ、構成など、他にもその魅力を語れろうとすれば尽きないが...笑)

僕にとって日々『神曲』を読む時間は現実から自分を逃がしてくれるかけがえのない体験だ。基本的に本を知的好奇心を満たすツールとして使っているが、忘我の境に連れて行ってくれる素晴らしいツールだとも思う。この忘我について、以下のように哲学者ガダマーが言っていることと大きくは違わないと信じたい!

芸術作品がそのような現在の生じるところであればどこでも不変同一であるように、観客がその中にいる絶対的瞬間も忘我であると同時に自分自身との仲介なのである。

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