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するすると指の間を滑り落ちていきかねない言葉たち

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トランスジェンダーの女性スポーツ選手問題

トランスジェンダーの女性スポーツ選手問題

娘たちとオリンピック及びスポーツ大会について話をしていて、トランスジェンダーの女性スポーツ選手が競技への参加を認められる事例が増えている一方、それに反対する声も根強く存在することや、心身の性が一致している女性選手でも、アンドロゲン過剰症の場合、対象選手はテストステロン値を下げるための薬を服用した場合のみ競技に出場できる、というルールが変だよね、という点で意見の一致をみました。

「テストステロン値

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「しない」と「できない」

「しない」と「できない」

私は「しない」だと思っていることを、「できない」と表現する人が多い。

私にとって「できない」は、赤ちゃんが歩けないとか、声帯を切除した人が話せないとか、心身を病んで働けないとか、それをしないととんでもなく深刻なトラブルに巻き込まれることが明白だったとしても、それでもするのが不可能なこと。それ以外のことは基本的にその人が「しない」だけだと思う。

普段、人は無意識にその行為に優先順位をつけている。

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駅の掲示板

駅の掲示板

知り合いの某20代が始めたスタートアップのコンセプトが、昔どの駅にもあった「伝言板」に少し重なる部分があるのでそう言ったら、やはり「伝言板」の存在を知らなかったw。

「駅改札出たところにある黒板で、たとえば待ち合わせに誰か遅れたら『先に行く。お店の電話番号は03-123-4567。ぴえこ』とか書いておくの。ガラケーもスマホもなかった時代だから」

と説明したら、

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日本人男性は女性蔑視?違うと思う。

日本人男性は女性蔑視?違うと思う。

先日、Clubhouseで「女性蔑視問題をミクロで語ろう。個人はなにをやるべきか」というお題で話をしました。

NewsPicksの奥井奈々ちゃん、株式会社ブルドーザーの尾和恵美加ちゃん、渋谷区議員の神薗麻智子さん、元ファーストリテーリングCFO・現アバージェンスCEOの大西秀亜さん、歌手のサンプラザ中野くん、そして産業医の林恭弘さんと私というメンバーで、豊かなディスカッションができたと思います。

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愛することと愛されること。それぞれのリミット

愛することと愛されること。それぞれのリミット

愛することにリミットがないのは、経験から知っています。

少なくとも私は、自分の中に一定量の愛があって、例えば子供が増えたらそれを分配するのではなく、愛する対象が増えれば、ちゃんと愛も増えるのです。昔、第一子を授かって1年くらいの時に、

「もっと子供が欲しいのだけれど、あまりに長女が愛おしいので、次の子供をここまで愛せるかどうか自信がない」

と、元夫が半ば人生相談のような口調で私に言ったことが

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「個性」と「自己表現」は別物のはず

「個性」と「自己表現」は別物のはず

小学校→個性は認めない
中学校→個性は認めない
高校→個性は認めない
大学→個性的な人かっこいい
就活→あなたの個性を見せて
社会人→個性は認めない
が日本社会。

って定期的にSNS で話題になるけど、私は違うと思います。

上記のようなことを言う人は、自分の意見や表現したいものがないことを社会のせいにしているだけじゃないのかな? なんか、「日本社会神話」というか、誰がどこでそう思ってるのか.

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「自己肯定感」がわからない

「自己肯定感」がわからない

最近よく聞く「自己肯定感」がわからない。

そう口にしたら、「それはあなたに自己肯定感しかないから」と複数の知的な方々に言われ、説明もしていただいたのですが、まだ腹落ちしていないです。

自己肯定感=自分の良いところも悪いところも自分として受け入れること 

というのが、説明していただいた要点で、その点では確かに私はどちらも受け入れてはいるのですが、それ以前に自分の良いところとか悪いところなんて特

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外国人が仰天!系動画に思うこと

外国人が仰天!系動画に思うこと

特にヒマではないはずなのに、ヒマつぶし的にYouTubeを流し視聴することが多いです。

少し前から気になっているのですが、

・外国人に日本の〇〇を食べさせてみたら感動で泣いた

・外国人唖然!日本人てこんなに素晴らしい国民なの!?

・もう祖国には帰れない。日本に恋した外国人

的な動画、ほんとに多くないですか?(リンク貼ると怒られそうなので、「日本 すごい 外国人」とかでYouTube検索し

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日本学士院てほんとはこんなところ

日本学士院てほんとはこんなところ

長島昭久自由民主党衆議院議員のtweet

をはじめ、日本学士院の存在を「日本学術会議のOBの受け皿」とか「天下り先」というような批判が、菅総理による日本学術会議メンバーの任命拒否問題から飛び火したような形で湧き上がっています。

その実情や組織の在り方を知っている一般人は数少ないと思うので、影響力のある人が発信した内容は正確さを精査されずに広がりがちだと思います。

上記の長島議員のTweetに

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「この料理は本当に手間がかかるのか否か」問題ではない気がしてならない

「この料理は本当に手間がかかるのか否か」問題ではない気がしてならない

ポテサラ、冷凍餃子、鶏の唐揚げと、こんなにテンポよく炎上発言をする男性たちが発見されること自体に、現実味がなかったりするのですが、まあそれはそれ。

私が激しく驚いたのは、このネタに反応している女性陣が、別にお料理の手間のかかり方や、難易度レベルについての男性の無知に怒っているわけでない、ということを理解していない(できない?)男性が少なくない、ということです。

女性脳は共感を求め、男性脳は解決

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「妻の作り立ての料理」を所望する夫

「妻の作り立ての料理」を所望する夫

今どきこんなこと言う男性いるの?と驚く方も多いと思いますが、これ2年前に私がSNSに投稿していたやつです。この人とはその後お話しする機会がないので、意識変化があったかどうかわかりませんが、いつの世も、こういう考えの人は一定数いて、今後も少数派として生き延びていく気がする。

ポテサラの盛り上がりに、そんなことを思いました。

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アンパンマンと新型コロナウィルス

アンパンマンと新型コロナウィルス

新型コロナウィルスに関して日々流されるニュースに私たちがおそらく否応なしにある程度洗脳されているのは、以前住んでいた近所のスーパーでの体験と被る気がします。

そのスーパーはレジ脇がお菓子売り場で、会計の列に並んでいる間ずっとアンパンマンのお菓子のプロモーションソングを聴かされます。

「♫アンパンマンは君っだ〜♫」

というサビの歌詞に、長らく「違うし」と心の中で突っ込んでいましたが、それでも特

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子供が生まれながらにして巻き込まれている面倒なもの

誰が自分にとってかけがえのない存在なのか、という判断基準は、自分がその人をどれだけ想っているか、という、わかりそうでわからない曖昧なものではなく、自分の心の一部がその人に委ねられているかどうか、なのかもしれない。

子供たちを産んだ時、私の一部はどういうわけか彼女たちに委ねられ、抱きしめていても、離れていても、私は彼女たちに委ねられた自分と残りの自分を合わせることで、初めて自分として在るようになっ

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選択すること

選択すること

ひとつの決断の次は、ふたつの決断。

そうやって倍倍ゲームで選択することを求められてゆく。

本当に大事だとわかっていること。

本当に大事なんだろうかとまよっていること。

大事だと思っていた、そうではないこと。

大事なんだよという顔をしてあらわれる、そうではない何か。

選ぶ基準がぶれさえしなければ、こわくない。

こわくはないけれど、私には愛する存在がたくさんあるから、だから、難しい。

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