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おしごとマガジン

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ことばのことや、言語聴覚士についてまとめたマガジンです。
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子育て中の弱小リハビリ職どこにも就職できない件

子育て中の弱小リハビリ職どこにも就職できない件

私は医療職の中でも特に知名度の低い言語聴覚士(speech therapist:ST)という仕事をしている。

全く医療職と関係ない人の認識としてよく聞くのは、

リハビリといえば理学療法士。
作業療法士もなんとなく知ってる人がいるかな?
言語聴覚士?初めて聞きました!

というのが定石。

8割は成人分野で働いていると言われているのに、成人分野でもリハビリ職の中ではレアキャラなことが多い。

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衝撃の事実を告げられた

衝撃の事実を告げられた

今日、職場に行くと早々に上司に呼ばれた。

面談室に行くと、当たり障りない話の後、驚愕の事実を告げられる。

「10月でこの事業所は閉じることになりそう」

えぇーーーーーー!?

私は8月1日付けで再入職したばかり。

まさかの事実に絶句した。

そんなことあります?

一応詳細は省くけど、実は経営困難が続いていて、ボーナスも払えず数人いた正職員もついに1人を残してやめてしまうことになったらしい

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まだ話す前の息子との言葉遊び

まだ話す前の息子との言葉遊び

私は、「言葉」や「飲み込み」の専門職である言語聴覚士という仕事をしています。

そして明日ちょうど1歳を迎える男の子の子育て真っ最中。

子どものことばって、わからないことがたくさんですよね。

🌀いつになったら話し始めるの?
🌀どこまで理解できてる?
🌀なにを話しかければいいの?
🌀家でなにかできることは?

などなど悩みはつきません。

ついつい注目しがちなのは
「はなし言葉」

でも

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絵カードによるコミュニケーション支援

絵カードによるコミュニケーション支援

PECSとは、コミュニケーションに困難のある人を対象とした、絵カードを用いた代替/拡大コミュニケーションの手法です。

自閉症や、その他さまざまなコミュニケーション障害のある人が、自発的なコミュニケーションを身につけるための学習方法としてつくられました。

様々な場面で活用できる点がPECSの大きな特徴。

早期からPECSを使用している幼児が、発語ができるようになったケースもあります。

今回は

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私が言語聴覚士という進路を選んだきっかけ

私が言語聴覚士という進路を選んだきっかけ

私は高校2年生になるまで全く言語聴覚士という職業を知らなかった。

もちろん、理学療法士、作業療法士という職業も。

ただ、母はずっと
「女の子なんだから、看護師とか絶対なにか国家資格を持っていた方がいい」

と看護師を激推し。

言いたいことはわかるけど、自身はあまり興味がなく、逆に夜勤がいやだなぁと消極的だった。

そこで高校2年の時、当時の進路指導担当だった担任に相談すると、興味のあることを

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色んな人と働くということ

色んな人と働くということ

今、うちの職場はバタバタしている

さらにみんなバラバラだ。

10月に事業所が閉所するかもというところから、もしかすると吸収合併になる可能性がでてきた。

ただ、管理者を除いた他の正職員は9月末で退職してしまうらしい。

辞めることが決まっていないのは週1勤務の私ともう一人の心理士さんだけ。

10月からどうなっていくのか。

今日管理者にどう考えているのか聞いてみたが、あまり合併先の事業所のや

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子どもにはアハ体験をたくさんさせたい

子どもにはアハ体験をたくさんさせたい

子どもには色んな経験をさせてあげたいという親は多い。

私もそうだ。

そう思うのは自分の息子だけではなく、仕事で関わる子も含まれる。

子どもにはみんな、アハ体験をたくさんさせてあげたい。

アハ体験というのは、ドイツの心理学者カール・ビューラーが提唱した心理学上の概念。

ドイツ語で「Aha-Erlebnis」という。

「Aha」は「なるほど!」「へぇ~!」という感動詞。
「Erlebnis

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なにから勉強していくか

なにから勉強していくか

今日はとてつもなく眠い。

寝落ちる前に簡単にこれから勉強していきたいことをメモっておこうと思う。

・こどもの視線、追視の重要性
・自閉症児の支援まとめ
・ことばの発達の土台作り
・3つの「理解」まとめ
・過緊張へのアプローチ
・体幹へのアプローチ
・「指差し」必要な理由
・ことばを育む遊び
・注意、集中まとめ

ひとまず思いつくのはこんな感じ。
明日からぼちぼち調べつつまとめていってみようかな

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久しぶりの仕事復帰

久しぶりの仕事復帰

明日から仕事が始まります。

といっても保育園には入れてないので、土曜だけの週一勤務。

土日は夫が休みなので、見てもらって土曜だけ働くことにしました。

ちなみに平日はライターの仕事をしています。

少しでも現場で子ども達と触れ合いたいと思っていたので、週一でも来てほしいと言ってもらえて嬉しかったです。

言語聴覚士として、働いてきた中で圧倒的に成人との関わりが多かったこの10年。

妊娠中も半

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他言語を学ぶなら文化も理解しよう

他言語を学ぶなら文化も理解しよう

本日も言語と文化シリーズ。

第一回🔽

第二回🔽

今回は日本語と中国語の違いについてをまとめていきます。

日本語の特徴
否定表現が多い

敬語が複雑

曖昧な表現が多い

客観的な表現が多い

日本人の特徴として、集団全体や他人との衝突を防ぐため、人との関わり合いの中で出来る限り葛藤を避けようとする。

その結果、明瞭かつ断定的な言い方をしないような言語構造が確立された。

中国語の特徴

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日本語の敬語はなぜややこしい?

日本語の敬語はなぜややこしい?

昨日から始めた【ことばと文化】シリーズ。

第一回はこちら🔽

今日は、敬語と文化に触れていく。

日本語には、敬語が複雑という特徴がある。

学生時代、国語の授業で尊敬語・謙譲語・美化語・丁重語・丁寧語と聞いた時に頭痛がした人も多いのでは。

この種類の多さがまさにそのまま複雑さを表している。

敬語を使うことによって、人間関係を表現することや、身分や役割、立場などの上下関係を明らかにできる。

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日本人は超マイナス思考文化だった

日本人は超マイナス思考文化だった

最近、ことばと文化についてもっと理解を深めてみようと調べていて、面白い文献を見つけた。

そもそも、文化というのは人から作られたもので、社会において後天的に学ぶものとされている。

音楽・料理・絵画・哲学・文学・ファッション・法律なども人が作ったものなので文化。

中でも、言語は文化が凝縮されていると言われている。

コミュニケーションの中で使われる言語を考察することで、その言語を話す人の文化的背

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言葉選びはなぜ難しいのか

言葉選びはなぜ難しいのか

昔から耳にタコができるほど言われていたことがある。

それは

口は禍の元

たしかに、一理ある。

ネットを通じて誰もが言葉を発信できる今、炎上なんていう言葉が生まれた。

言論の自由なんて言われてはいるけれど、影響力がある人ほど世間の目は厳しくなる。

「言っていいことと悪いことがある」
「あの言い方はよくない」
「なんであんなこと言ったんだ」

簡単に発信できてしまうからこそ、その言葉に対し

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大学病院の実習がめっちゃこわかった

大学病院の実習がめっちゃこわかった

3日間にわたって、実習の話を書いてきました。

1日目🔽

2日目🔽

最終日の今日は、1番おそろしかった大学病院の実習について振り返りたいと思います。

職人気質なバイザー
当時、臨床10年目くらい男の先生がバイザーになりました。

そして、そのバイザーの指導方針は

"習うより慣れろ"

今でも忘れもしない、実習初日。

手術前の患者さんのところに行くよ〜と言われて、一緒にカルテを確認した

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