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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#スタグフレーション

「高金利時代」再び? - 「インフレ」>「景気減速」の金融政策

「高金利時代」再び? - 「インフレ」>「景気減速」の金融政策

 PMIの減速で 「利下げ」の ”芽” vs しつこい「円安」|損切丸 (note.com) と期待した矢先、あっさり "芽" を摘まれた。やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) 

 これを受けて米国債のフラットニング(平坦化)が進み、年内の「利下げ」はほぼ消滅。それどころか「再利上げ」まで心配になって来た

 景気が減速する中での物価上昇はまさに「ス

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「インフレ」は成長する - イギリス、アメリカの経済史に学ぶ

「インフレ」は成長する - イギリス、アメリカの経済史に学ぶ

 現在こう呼ばれているのはドイツだが、1960~1970年代にはイギリスの呼称だった。歴史を振り返ってみるとかなり悲惨

 1973〜1974年の第1次オイルショックをきっかけにイギリスは経済の停滞と物価の上昇が共存する「スタグフレーション」に陥った。失業率は増大、原材料費と賃金の高騰が原因となって生産性が低下し通貨ポンドの価値は下落。にもかかわらず、国際収支は改善しなかった

 何だかどこかの国

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続・米国経済本当は強い?弱い?

続・米国経済本当は強い?弱い?

 米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) の続編

 もう1年余りNFPにマーケットは悩まされ続けている。ISM非製造業指数を見ると価格等「インフレ」や景況感に減速の兆しが見えているが、とにかく「人が足りない」。平均時給が+4.3% → +4.1%と和らいでいるのが救い

 雇用統計発表直後は「米国債売り」(ドル金利上昇)+「ドル買い」で反応したが徐々に落ち着いてきている

 一

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やっぱり「インフレ」しかない

やっぱり「インフレ」しかない

 地味ながら3/21に金融政策の ”予想外” が相次いだ

 対照的な2国だが、現在の世界の経済状況を端的に現していて興味深い

 まずスイスと言えば元々 ”世界一物価の高い国” 。それだけに今回の「インフレ」局面でもCPIは+1%台で低位安定しておりそれほど「利上げ」もせずに済んだ。日本とも共通するが世界一の「お金持ち」国家と言えるだろう

 これを見て 勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下

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勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下げ」は危険

勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下げ」は危険

 もうECBは完全に「利下げ」前のめり。全くこの人達は何を言っているのだろう。どうもきっかけは天然ガス価格の急落のようだが正直腹が立つ。そもそも「戦争」の引金になったのはロシアへの過剰なエネルギー依存。アメリカからバカ高いガスを買わされてイライラしているのは判るが自業自得。そう考えるとメディアを使って「停戦」へ導こうとしているのは見え見え。舌の根も乾かぬうちにロシアと手を結ぶのではないか

 ヨー

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「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?

「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理。ー 「損切り」が動かすマーケット。|損切丸 (note.com) の2024年版

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) が収まらない「損切丸」。経験則からこういう時相場は「行って欲しくない方に動く」。

 ポイントは一体誰が困るのか?

 1.インフレ+金利上昇
 これは「インフレ体質」で「借金過多」の欧米が一番困る。マーケットでは一生懸命

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日本が「リセッション」入り? - 「相場」が売買するのは「将来」

日本が「リセッション」入り? - 「相場」が売買するのは「将来」

 欧米ではこう定義されている。日本が「リセッション」入り?

 どうも「違和感」がある

 「リセッション」として筆者が強烈に覚えているのは、香港から帰国後の1995~1998年、まさに「金融危機」の待っただ中。「山一証券破綻」「北海道拓殖銀行破綻」(共に1997)と史上初の大手金融機関破綻が続き日本人に与えたショックは尋常ではなかった。今でも忘れられないのは金曜の夜なのに人もまばらでネオンが消え

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ECB「利上げから一抜けた!」- 「インフレ」抑制の役割は日銀に交代?

ECB「利上げから一抜けた!」- 「インフレ」抑制の役割は日銀に交代?

 昨日(1/25)金利を据え置いたECBだが、理事会後のラガルド総裁の発言がマーケットに波紋を投げかけている

 これが筆者の正直な感想(苦笑)。スキーのルールにしてもEV(電気自動車)にしても自分の都合で勝手に変えるのがヨーロッパ。表向きは ”綺麗事” ばかりだが、いつでも "自分本位" 。悪く言えば傲慢。「インフレ」抑制はどこへやら。いつまでナポレオン時代の栄光にすがっているのか、とも言いたく

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10年国債は「実質金利 "0"」を目指す?- 「理論」「合理性」に基づく政策運営を

10年国債は「実質金利 "0"」を目指す?- 「理論」「合理性」に基づく政策運営を

 CPIは食品・エネルギーを除くコアの水準と見合う+4.0%辺りで世界的に平仄が合ってきた ↓ 「お金」がグローバルに駆け巡る現代においてはアービトラージ(Arbitrage、裁定取引)が働くので当然の帰結だろう

 問題は「金利」動向

 米国の堅調な年末消費が示された事で3月どころか2024年に「利下げ」があるのかどうかさえ疑わしくなってきた。米国債は急落、「@4%割れ」の金利水準を維持できな

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「利下げ」に待った! - 日銀に "行動" を迫る「円安」

「利下げ」に待った! - 日銀に "行動" を迫る「円安」

 筆者の危惧する方向に相場が向かいつつある。12月の米CPIは11月比で上昇幅を拡大。コアは+4.0%を割り込んだものの、住居費や交通費などのサービス価格は高止まり。予想を上回った雇用統計と合わせて考えれば「利下げ」に待った! 少なくとも3月▼0.25%「利下げ」の目はほぼ消滅。やはり 燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) はしつこい

 ただその後30年債入札でしっかり

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日本の「インフレ」の正体。その後...

日本の「インフレ」の正体。その後...

 日本の「インフレ」の正体。|損切丸 (note.com) を書いたのが約1年半前。それからこの国でどういう変化があったのか、検証してみた

 前稿の中で強調したのが20代 ≓「Z世代」の「値上げ許容度」の低さ。ただこれも「インフレ」を実体験して変化が起きつつある。ようやく 「預貯金」では「インフレ」に追い付けない!|損切丸 (note.com) という "FACT" (事実)に辿りつきつつあるよ

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「実質金利」の議論。ー「借金」の重み。

「実質金利」の議論。ー「借金」の重み。

 ここがドル円相場の大きな転換点になるかー。この3日間息を詰めて見ていたが、いやあ参った(苦笑)。まさかあの急落から@149円台後半まで持ち上げてくるとは...。「お腹が一杯」的な "人間味" は全く感じられ無い。AIプログラムでHFT(高頻度取引)が走っているのだからまあ当然と言えば当然なのだが、急騰急落を繰り返す様はさながらビットコイン(BTC)。こんな代物で "Mrs. ワタナベ” など筆者

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 "いいから黙ってやれ" 時代の終焉。ー 何かが壊れようとしている。

"いいから黙ってやれ" 時代の終焉。ー 何かが壊れようとしている。

 「損切丸」が銀行の支店配属になって最初に受けた "洗礼" である。融資の事務方の仕事を任された時にわからない事を色々質問したら "鉄槌" を喰らった。時は「昭和62年」(1987年)。生意気と思われたようだが、今こんな事を新人に言い放ったら1ヶ月で辞めるか、訴えられるだろう。

 有名芸能事務所の性加害問題が大騒ぎになっているが、あれも "いいから黙ってやれ" の典型、「昭和」そのものだ。それが

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「行って欲しくない方に動く」相場の原理Ⅱ。ー 「何もしない」を許さないマーケット。

「行って欲しくない方に動く」相場の原理Ⅱ。ー 「何もしない」を許さないマーケット。

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理。ー 「損切り」が動かすマーケット。|損切丸 (note.com) からの続編。

 「ドル高」「円安」の終焉(?)。ー 「GDPギャップ」プラス転換が示唆する事。|損切丸 (note.com) と書いたばかりなのにスルスルと147円台まで「円安」。やはり「何もしない」のはマーケットが許さない。

 この国が「供給 > 需要」の状態から「供給 ≦ 需要」に

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