脳プロブレム

脳外科専門医監修の元、脳の病気や生活習慣病の症状など役立つ情報を発信していきます! …

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脳卒中は予防が大切【編集部記事】

はじめに脳卒中(のうそっちゅう)は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることにより、脳に酸素や栄養が十分に届かず、脳細胞が死んでしまう状態をさします。日本では高齢…

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9か月前
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様々な認知症

脳の神経細胞が壊れていくことで発症する認知症にも様々な種類があります。今回は主に、アルツハイマー型認知症に加えて、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認…

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6か月前
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NIHSSの取り方1

NIHSSの取り方について詳しく説明していきます。以前説明しましたが、NIHSSの最大の目的は、脳卒中患者の神経症状を素早くかつ客観的に評価することです。脳卒中の診断、重…

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6か月前
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前頭葉について

脳は部位によって、さまざまな機能に分かれています。今回は脳の一部分である、前頭葉についてお話ししたいと思います。 前頭葉とは? 前頭葉とは、おでこから頭のてっぺ…

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6か月前
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ICO(内頚動脈閉塞症)とは?

脳外科でICOという略語を見かけることがあるかと思います。いったいICOとはなんでしょうか?ICOとは、内頚動脈閉塞症のことで、internal carotid artery occlusionの略語で…

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6か月前

家族性高コレステロール血症とは?

家族性高コレステロール血症とは、うまれつき、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールの血中濃度が高くなり、その結果、さまざまな全身性合併症を引き起こす病気です…

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7か月前
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脳の病気の略語

頭の病気に関係する略語はとても難しく、何を指しているのか分からないことがあります。 そこで下記に略語と正式名称、日本語の意味について説明します。 略語     …

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7か月前
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めまいについて

はじめにぐるぐるする、ふわふわするといった症状は、誰にでも起きるもので、症状がとても辛いこともあります。めまいを起こす病気は、メニエール病や良性発作性頭位めまい…

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7か月前
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もやもや病

はじめにもやもや病は、脳の血管に生じる病気です。「内頚動脈」という頭の血管が片側もしくは両側とも細くなり、その結果、脳の血液が不足してしまいます。血液の不足を代…

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7か月前
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前脈絡叢動脈とは

はじめに脳には様々な血管がいくつも枝分かれしており、それぞれが重要な機能を持っています。今回は、非常に細いものの重要な血管である前脈絡叢動脈について説明していき…

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7か月前
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看護師の働き方について

はじめに看護師は全国で約130万人(2020年末)いると言われ、そのうち100万人以上は病院か診療所に勤務しています。看護師という仕事は社会的なニーズが高い職業ですので、…

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8か月前
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【医療従事者向け】NIHSSとは?

NIHSSとは?NIHSSとは、National Institutes of Health Stroke Scaleの略語であり、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が開発した、脳卒中の重症度の標準的な評価尺度です。意…

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8か月前
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【保存版】脳の血管の略語~IC-PC動脈瘤とは?~

はじめに 脳の血管はいくつも枝分かれしているため、それぞれの部分に名前がついています。そして、それぞれの名前に英語の略語がつけられています。今回は、脳の血管の略…

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8か月前
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臨床検査について

臨床検査の種類 臨床検査とは、病気の診断・治療・健診に用いられる検査です。臨床検査は、大きく2つに分けることができ、『検体検査』と『生理機能検査』があります。 …

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8か月前
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3種類の脳梗塞

はじめに脳梗塞は、頭の中の血管が詰まることによって脳組織への酸素供給が減少し、神経細胞が死んでしまう病気です。脳梗塞はその発症原因によって、心原性脳梗塞、アテロ…

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8か月前
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失語症について

失語症と構音障害の違いは?言語障害(ことばの障害)は大きく分けて、失語症と構音障害があります。 大脳にある言語領域が障害されたために会話のキャッチボールが成立し…

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8か月前
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脳卒中は予防が大切【編集部記事】

脳卒中は予防が大切【編集部記事】

はじめに脳卒中(のうそっちゅう)は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることにより、脳に酸素や栄養が十分に届かず、脳細胞が死んでしまう状態をさします。日本では高齢化社会の進展に伴って、脳卒中患者数が増加しています。また、寝たきりの原因の約25%を占めており、脳卒中の発症予防は重要な社会課題となっています。本記事では、脳卒中の種類とその予防の重要性について探ってみたいと思います。

脳卒中の種類脳卒中

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様々な認知症

様々な認知症

脳の神経細胞が壊れていくことで発症する認知症にも様々な種類があります。今回は主に、アルツハイマー型認知症に加えて、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症についても簡単に解説していきます。

アルツハイマー型認知症認知症全体の2/3を占めており、最も頻度が高い認知症です。アミロイドβなどの異常なたんぱく質が脳にたまることで、神経細胞が障害され、脳がどんどん萎縮していきます。とくに記憶をつ

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NIHSSの取り方1

NIHSSの取り方1

NIHSSの取り方について詳しく説明していきます。以前説明しましたが、NIHSSの最大の目的は、脳卒中患者の神経症状を素早くかつ客観的に評価することです。脳卒中の診断、重症度の評価、治療効果のモニタリングなどに広く使用されます。また、治療適応を決める際の基準にもなります。脳卒中は緊急の治療を要することが多く、治療が遅れることで、機能的予後に影響が出る病気です。ですから、早期に症状の重症度を的確に判

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前頭葉について

前頭葉について

脳は部位によって、さまざまな機能に分かれています。今回は脳の一部分である、前頭葉についてお話ししたいと思います。

前頭葉とは?
前頭葉とは、おでこから頭のてっぺんにかけて左右1対にある大脳皮質の一部分です。前頭葉の働きで特に重要なのが、運動に関する部分と適切な行動を起こすことに関与する部分と言語に関する部分の3つです。
Brodmannというドイツの学者は脳の部位を細胞構築などに基づいて52個に

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ICO(内頚動脈閉塞症)とは?

ICO(内頚動脈閉塞症)とは?

脳外科でICOという略語を見かけることがあるかと思います。いったいICOとはなんでしょうか?ICOとは、内頚動脈閉塞症のことで、internal carotid artery occlusionの略語です。

心臓から頭に向かって血液を送る際に、大動脈弓というカーブから総頚動脈が分岐します。その後、あごの下あたりで、外頚動脈と内頚動脈に枝分かれし、外頚動脈は頭皮や顔へ、内頚動脈は頭の中にそれぞれ向

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家族性高コレステロール血症とは?

家族性高コレステロール血症とは?

家族性高コレステロール血症とは、うまれつき、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールの血中濃度が高くなり、その結果、さまざまな全身性合併症を引き起こす病気です。血液の中にある、LDLは受容体を介して、肝臓の中に取り込まれるのですが、この受容体に関連のある遺伝子に何らかの変異があることで機能せず、血液の中のLDLがうまく回収されないため、血中のLDL濃度が高くなってしまいます。LDLは全身の血管

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脳の病気の略語

脳の病気の略語

頭の病気に関係する略語はとても難しく、何を指しているのか分からないことがあります。
そこで下記に略語と正式名称、日本語の意味について説明します。

略語        正式名称           日本語

AEDH    Acute epidural hematoma    急性硬膜外血腫

AF      Atrial fibrillation

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めまいについて

はじめにぐるぐるする、ふわふわするといった症状は、誰にでも起きるもので、症状がとても辛いこともあります。めまいを起こす病気は、メニエール病や良性発作性頭位めまい症から脳卒中まで非常に多彩であり、何科を受診すればよいか悩ましいケースも多いです。今回は、めまいになったとき、家族がめまいを起こしているときに、どのように診断、対処するかについて解説していきたいと思います。

めまいの診断めまいがある場合、

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もやもや病

もやもや病

はじめにもやもや病は、脳の血管に生じる病気です。「内頚動脈」という頭の血管が片側もしくは両側とも細くなり、その結果、脳の血液が不足してしまいます。血液の不足を代償するために、ちりちりとした細い血管が、脳の深い部分で発達します。この血管のことを、「もやもや血管」と呼びます。

もやもや病の原因もやもや病の原因はわかっていませんが、家族性のものが15%程度あることや、日本人、中国人、韓国人などの東アジ

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前脈絡叢動脈とは

前脈絡叢動脈とは

はじめに脳には様々な血管がいくつも枝分かれしており、それぞれが重要な機能を持っています。今回は、非常に細いものの重要な血管である前脈絡叢動脈について説明していきます。
脳血管の基本的な解剖については、こちらをご覧ください。

前脈絡叢動脈について前脈絡叢動脈は頭の前後のうち前側の血管である内頚動脈から枝分かれする細い動脈です。英語では、anterior choroidal arteryと呼ばれ、略

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看護師の働き方について

看護師の働き方について

はじめに看護師は全国で約130万人(2020年末)いると言われ、そのうち100万人以上は病院か診療所に勤務しています。看護師という仕事は社会的なニーズが高い職業ですので、病院以外にも働き方の選択肢はたくさんあります。

介護保険施設や訪問看護ステーションの他にも社会福祉施設、保健所、助産所や学校・養成所、一般企業(産業看護師)などがあり、働く場所はさまざまな選択肢があります。
そのため、自分で希望

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【医療従事者向け】NIHSSとは?

【医療従事者向け】NIHSSとは?

NIHSSとは?NIHSSとは、National Institutes of Health Stroke Scaleの略語であり、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が開発した、脳卒中の重症度の標準的な評価尺度です。意識レベル、眼球運動、視野、運動機能、失調、感覚機能、発語、注意障害などの異なる11項目について、判定表に従って点数化されます。各項目は大まかに0から4のスコアで評価され、総合スコアは0か

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【保存版】脳の血管の略語~IC-PC動脈瘤とは?~

【保存版】脳の血管の略語~IC-PC動脈瘤とは?~

はじめに
脳の血管はいくつも枝分かれしているため、それぞれの部分に名前がついています。そして、それぞれの名前に英語の略語がつけられています。今回は、脳の血管の略語について解説していきます。

脳の動脈の名前と略語

脳の血管は、大きく分けて2対4本あります。前から上がってくる血管が内頚動脈(Internal carotid artery: IC)、後ろから上がってくる血管が椎骨動脈(Vertebr

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臨床検査について

臨床検査について

臨床検査の種類 臨床検査とは、病気の診断・治療・健診に用いられる検査です。臨床検査は、大きく2つに分けることができ、『検体検査』と『生理機能検査』があります。

検体検査とは?検体検査とは人体を流れている血液・髄液、人体から排泄される尿・便、また、人体を構成している細胞や臓器など体から取り出した検体を検査し、体の状態を調べるものを「検体検査」と言います。

特に成分については数多くの種類の物質が溶

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3種類の脳梗塞

3種類の脳梗塞

はじめに脳梗塞は、頭の中の血管が詰まることによって脳組織への酸素供給が減少し、神経細胞が死んでしまう病気です。脳梗塞はその発症原因によって、心原性脳梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞の3つのタイプに分類されます。それぞれの型の脳梗塞の特徴と治療法について見ていきましょう。

脳梗塞は3種類に分けられる1. 心原性脳梗塞

心原性脳梗塞は、心臓で作られた血栓が脳血管に流れ込むことで発生します。

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失語症について

失語症について

失語症と構音障害の違いは?言語障害(ことばの障害)は大きく分けて、失語症と構音障害があります。

大脳にある言語領域が障害されたために会話のキャッチボールが成立しない状態を「失語症」、脳の運動中枢が障害され、会話の内容は正確だが、言葉の音を作る器官に問題が生じ、発音や発声がうまくできない状態を「構音障害」と呼びます。

つまり、言語中枢が働かなくなることで生じるものが失語症で、運動中枢が働かなくな

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