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未来を創る人材開発ノート

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このマガジンでは、人材開発や育成に関する最新の知見や実践的なアプローチを分かりやすくまとめています。企業の成長を支える「人」の力を引き出すためのノウハウ、トレンド、具体的な研修プ…
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記事一覧

楽しく学ぶ力:成人学習におけるゲームの可能性と効果

楽しく学ぶ力:成人学習におけるゲームの可能性と効果


楽しく学ぶことの力:成人学習におけるゲームの可能性

「さあ、楽しもう!」この一言で始まるのが、マーク・プレンスキーの著書『デジタルゲーム学習』です。この言葉は、単なるスローガンではなく、学習を再定義するための重要な指針となります。学びを楽しいものにすることが、特に成人学習においても非常に効果的であることが証明されています。現代の学習者にとって、単調で退屈な講義や教材に何時間も向き合うのは苦痛で

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「GRPIモデル」を使って組織課題を検証した論文 ー南アフリカの研究ー

「GRPIモデル」を使って組織課題を検証した論文 ー南アフリカの研究ー

こんにちは。紀藤です。先日より「GRPIモデル」について、論文をいくつか読む中で、興味深いものを見つけました。「南アフリカの学校への教育支援チームの現状を『GRPIモデル』で質的に研究する」というものです。

「GRPIモデル」を実践知として深める上で、参考になる論文でした。
ということで、早速まいりましょう!

本論文の概要この論文は「南アフリカの教育」をテーマにした内容です。
 南アフリカにお

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日本の伝統文化を取り入れたコーチングの可能性:『弓と禅』に学ぶ無心と成長のアプローチ

日本の伝統文化を取り入れたコーチングの可能性:『弓と禅』に学ぶ無心と成長のアプローチ

「これからの日本のコーチングに、伝統文化がどのように影響を与えるか」を考えたことはありますか?
現代のビジネスや個人の成長に応じたコーチングは、実は日本独自の精神性から多くを学ぶことができるのです。『弓と禅』に描かれる「無心」「心技体」「師弟関係」などの要素は、現代のコーチングに新たな価値をもたらす可能性があります。
以前、私のコーチングの師でもある原口佳典氏が、『弓と禅』から日本のコーチングの歴

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1on1ミーティングの効果を最大化する方法:読書ログ

1on1ミーティングの効果を最大化する方法:読書ログ

こんにちは、原田です。

1on1を始めたはいいものの、あまりうまくいっていないという方は多いと体感しております。筆者の調査によると250人の従業員中、半数が「最適な体験とは言えない」と回答されていました。

筆者は、下記3つの研究から効果的な1on1のポイントを解き明かそうとされてきました。

ナレッジワーカー1000人を対象としたグローバル調査

1on1をリードあるいは1on1に参加する25

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ARCSモデルを活用した1on1ミーティングの効果的な実践方法

ARCSモデルを活用した1on1ミーティングの効果的な実践方法


ARCSモデルを活用した1on1ミーティングの改善方法

ARCSモデル(Attention, Relevance, Confidence, Satisfaction)は、学習者のモチベーションを高めるために設計された教育理論ですが、1on1ミーティングにも応用できます。以下に、各要素を具体的に説明し、部下やチームメンバーとの効果的なコミュニケーション方法を紹介します。

1. Attentio

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研修をつくる上での大事な4つのポイントとは?

研修をつくる上での大事な4つのポイントとは?

仕事柄、クライアントさんへ研修を提供させていただくことが多いのですが、研修設計・開発の上で参考にしているのがこちらの本です。

今回は、研修設計・開発において特に「企画」のポイントについて、上記の本を参考にしながらまとめていきたいと思います。

参考文献/研修開発入門・中原淳著

研修開発のプロセスとは?そもそも研修を企画して経営に効果を示すまでを「研修開発のプロセス」と呼び、下記のステップが示さ

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映画で深める学び:『エターナル・サンシャイン』で読み解く『経験学習』

映画で深める学び:『エターナル・サンシャイン』で読み解く『経験学習』

人間らしい学びのプロセスを考える

私たちの成長や学びは、一筋縄ではいかないものです。特に、人生の痛みや失敗をどう乗り越えるかという課題は、誰もが一度は経験するものです。

たとえば、仕事で大きなミスをしてしまったとき。人間関係がこじれてしまったとき。または、自分の選択に後悔しているときです。こうした辛い経験に直面したとき、「この痛みを忘れられたら、どんなに楽だろう」と思うことはありませんか?

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研修が上手くなるための、たったひとつの方法。

研修が上手くなるための、たったひとつの方法。

研修のお仕事を始めて、早6年とちょっと。

それまでに色々な民間のほにゃらら資格を取得してきたり、大学院で学ぶ機会がありましたが、研修に登壇する中で「やっぱり手札は多いに越したことはないなあ」などと感じることも増えています。

今日は、研修をお届けする中で、手札を拡げ、高い価値を提供するための方法(うまくなる方法)について、自分なりに思うところを書いてみたいと思います。

それでは、どうぞ!

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研修を効果的に行うための「90/20/8の法則」

研修を効果的に行うための「90/20/8の法則」

こんにちは。紀藤です。研修連続登壇4日目です。
今週の研修はあと1日となりました。最後まで参加者の学びのために、走り抜けたいと思います。

ちなみに昨日の研修では、初めて研修中に急に声がかすれて、全く声が出なくなる、という事象が発生しました。水を飲んでも、咳払いをしても全くダメで、声を出すとその瞬間に咳き込んでしまうという状況に(汗)。

今回はパートナー講師にサポートに入ってもらっていたので、そ

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【特別対談】コロナ禍で学び方が変わった?それとも、学習支援の形が変わった?【スペシャルゲスト:熊本大学大学院 鈴木克明教授との対談 インストラクショナルデザインの本質を探る】

コロナ禍における学ぶ環境を考えたとき、これまでの教育環境や学習支援環境からさまざまな変容が求められています。
こんな時だからこそ、学習の質を高めるための理論やモデルの集合知である「インストラクショナルデザイン」が重要になると考えています。
ところが、「インストラクショナルデザイン」は授業や研修、eラーニングの教材を設計するための考え方という視点が主流であり、すごくもったいない状況です。
そこで、日
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【おがちゃん人事】インストラクショナルデザインの本質

コロナ禍における学ぶ環境を考えたとき、これまでの教育環境や学習支援環境からさまざまな変容が求められています。
こんな時だからこそ、学習の質を高めるための理論やモデルの集合知である「インストラクショナルデザイン」が重要になると考えています。
ところが、「インストラクショナルデザイン」は授業や研修、eラーニングの教材を設計するための考え方という視点が主流であり、すごくもったいない状況です。
そこで、日
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インストラクショナルデザインで進化するグループコーチングの実践

インストラクショナルデザインで進化するグループコーチングの実践


グループコーチングとは?

グループコーチングは、複数の参加者が共通の目標や課題に対してコーチングを受け、相互に学び合い、集団として成長するプロセスです。個々の参加者は自分の成長を目指しつつ、他者の経験や視点からも学ぶことができます。**インストラクショナルデザイン(ID)**の観点を取り入れることで、セッションはより構造化され、効果的な学習体験を提供することができます。

グループコーチングの

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成長のリーダーシップ:GROWとARCSが紡ぐ変革の物語

成長のリーダーシップ:GROWとARCSが紡ぐ変革の物語

第1章:新たな挑戦への扉

冷たい風が吹き抜ける早朝、加藤真理子は静かなオフィスに足を踏み入れた。彼女は若手ビジネスコンサルタントとして、企業の成長をサポートすることを仕事としている。今日、彼女はIT企業の中堅マネージャーである佐藤健一との初めてのコーチングセッションを迎えていた。

「おはようございます、佐藤さん。今日はよろしくお願いします。」加藤が笑顔で挨拶すると、佐藤は少し緊張した面持ちで「

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フィードフォワードとフィードバックを活用した「サンドイッチ型指導」の重要性

フィードフォワードとフィードバックを活用した「サンドイッチ型指導」の重要性


はじめに

近年、教育や職場における指導の場で、フィードバックの重要性がますます認識されるようになっています。フィードバックは、過去の行動や成果を振り返り、学習者や従業員が自己改善を行うための重要な手段です。しかし、未来志向の「フィードフォワード」と組み合わせることで、指導の効果をさらに高めることができると考えられます。本記事では、フィードフォワード型の指導と作業後のフィードバックを適切に組み合

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